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December 17, 2012

バーデン市劇場「千夜一夜物語」プルミエレポート

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日本の総選挙は、こちらでも注目を集めており、16日朝のORFのニュースでも投票風景を取り上げていました。

さて、最近、隠れた名作や珍品オペレッタを取り上げてくれるバーデン市劇場。2012/13シーズンで注目されるのはヨハン・シュトラウスⅡ世作曲の「千夜一夜物語」です。

実は、ヨハン・シュトラウスⅡ世作曲の「千夜一夜物語」は、1871年に初演された「インディゴと40人の盗賊」(Indigo und die viezig Räuber)を指すことが多いのですが、今回は別バージョン。

今回、バーデンで上演される作品は、「インディゴと40人の盗賊」をLeo SteinとCarl Lindauが改編し、1906年に全く別の作品「Taunsend und eine Nacht」として上演されたものです。良くこういうのを引っ張り出してきましたねぇ。そのため、話の内容は全く異なるそうです(Feriは、どちらも観たことが無いので何とも言えません)。

ただし、曲については、“Wie schön war diese Nacht” “Ja so singt man in der Stadt, wo ich geboren”“Indigo-Marsch”“Nun lachst du mir wieder, du flüchtiges Glück”“Ja, so ein Flirt”などオリジナルから転用されていますが、ヨハン・シュトラウスの他の作品も使われていました。

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さて、プルミエは12月15日にFranz Josef Breznikさんの指揮で行われましたが、主なキャストは、次のとおりです。

Sultan Suleiman/Mossu:Matjaž Stopinšekさん
Eddin:Andreas Sauerzapfさん
Grossvezier:Walter Schwabさん
Kaimakan:Franz Josef Koeppさん
Filoy:Beppo Binderさん
Ormuz:Josef Forstnerさん
Kiossim:Robert Sadilさん
Dunium:Franz Födingerさん
Leila:Katja Reichertさん
Wally:Katrin Fuchsさん
Zoraide:Ingrid Habermannさん
Dudelsackspieler:Matthias Grabnerさん

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お話ですが、国王Sultan Suleimanが、ヨーロッパ旅行中、ウィーンでハーレムには加えたくない美しい女性Leilaと恋に落ちます。SultanはLeilaとだけ結婚するため、国の一夫多妻制廃止に踏み切りたいのですが、母国ではハーレムの女性を始め、旧守派の長老が大反対。

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そこで、Sultanの側近であるEddin、その妻でウィーン出身のWallyなどの協力を得て、旧守派を懐柔していきます。その結果、ハーレムの若い女性達もヨーロッパ風の考え方に感化されてきます。

一方、Sultanは1人の女性との結婚に自身がないため、Eddinたちは、Sultanによく似た漁師Mossuと、1日だけ立場を入れ替え、模擬結婚生活をさせる計画を立てます(一人二役です)。SultanになりすましたMossuは、宮殿で大騒動を繰り広げます。

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SultanとMossuの入れ替え作戦が見事に当たり、Sultanは一夫多妻制の廃止を宣言、宮殿で家臣やハーレムの女性達からも祝福を受け、Leilaと結ばれる‥というものです。

まず、舞台装置は吊しものを上手に活用しており、外国人がイメージするアラビアの宮殿を見事に再現していました。恐らく費用はあまりかかっていないと思いますが、見せ方が上手です。それからオープニングでは、水タバコを吸っている男性2人が座っている場面からはじまります。この演出が憎いですね。

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また、衣装も「千夜一夜物語の世界」そのもの‥外国人がイメージするアラビアンムード満点です。また、Leilaはシェヘラザードとして寝物語をするベッドが「魔法のじゅうたん」のように空中に浮くのがご愛敬。魔法のじゅうたんの前で、バレエやお芝居が展開するシーンは見物です。

今回、バーデンとしては珍しくバレエに力を入れており、随所に見事なバレエシーンが盛り込まれています。こ
まず、最初、オープニングでは、宮殿内でアラビア風のダンスを披露するところが見事。タンツソリストも、レベルが高かったですね。

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そして、次はSultanがヨーロッパ旅行をするところをイメージしてもらうため、訪問国をバレエで表現します。何と、最初はバグパイプの演奏も交えたアイリッシュダンス(バグパイプは本物でした)。次がハンガリー。そしてウィーンのワルツ。最後はロシアのコザックでした。

また、二幕でSultanが漁師に化ける場面。海での漁を表現したバレエはユニークな振付でしたが、なかなかきれいにまとまっていましたね(右の写真です)。

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全体的に、吊しものを上手に使ったテンポの良い場面転換が印象的でした。また、劇場が小さいため、歌手のレベルも揃っており、十分、声が出ていました。

まず、Sultan Suleiman/MossuのMatjaž Stopinšekさんは、体格も良く、国王のイメージにピッタリです。歌も安定していましたね。また、漁師に入れ替わった際の「おどおどした演技」も出色。

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今回、実質的には舞台の鍵を握るのがEddinのAndreas Sauerzapfさん。歌って踊れる、正にオペレッタ歌手の本領発揮といったところです。とぼけた演技も見事でした。

女性陣ではLeilaのKatja Reichertさん。魅力的な女性を見事に表現。歌も良かったですね。

そしてEddinのパートナーWallyのKatrin Fuchsさん。かわいらしい感じの演技が印象的。お茶目なウィーン子を演じていました。Feriは、こういう雰囲気は好きですね。

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ところでバーデンの場合、脇役陣が安定しているため、舞台が締まりますよね。

演奏に関しては、オーケストラの人数が少ないため、どうしても音に厚みがないのは致し方ありません。しかし、劇場規模を考えると、大変完成度の高い作品に仕上がっていましたね。実際、カーテンコールでは盛大な拍手と声援が送られていました。

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プルミエだったので、カーテンコールでは指揮者に加えて、演出家、美術などの関係者も登場。最近では、演出家にブーイングが出ることがあるのですが、この日は、それもなし。本当に楽しい舞台に仕上がっていました。Feriにとっても予想外の収穫でしたね。

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考えてみるとバーデン市劇場というのは不思議なカンパニーです。ウィーンから比較的近い場所にありながら、立派な独立した劇場です。さらに劇場の定員が非常に少ないにもかかわらず、リーズナブルなお値段。そして、日本では考えられない、充実のホワイエ‥

補助金も含めて、劇場運営がどのように行われているのか、非常に興味がありますね。

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最近では、フォルクスオーパーの歌役者さんが客演で登場することも増えており、やはり目が離せないオペレッタ劇場の一つと言えるでしょう。

ところで、Feriが気になっているのは2月16日にプルミエが行われる「白馬亭にて」。何とヨゼファがUlrike Steinskyさん、レオポルトがSebastian Reinthallerさんと、まるでフォルクスオーパーの引っ越し公演のようです。

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