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December 16, 2012

今シーズン最後のフォルクスオーパー「トスカ」

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今日は、12月14日に今シーズンの最終公演を迎えたフォルクスオーパー「トスカ」の様子をご紹介しましょう。

Feriは、重厚な舞台装置で「オペラらしいオペラ」とも言える国立歌劇場の「トスカ」は何度も観ていますが、フォルクスオーパー版は、実は今までに一回しか観ていません。

が、実質的には「見て」いないのです。冗談みたいな話なのですが、2008年10月、良い席を確保して喜び勇んで劇場へ行ったのは良かったのですが、開演前に曇っていたメガネを拭いていたところ、レンズが落下。幸い、割れることはありませんでしたが、ねじが外れてしまったため、その場では処置なし‥ 

予備のメガネは当然持っていますが、ホテルの部屋に置いてあるので万事休す。目が悪いFeriは、メガネなしでは最前列でも舞台はよく見えません。オペラグラスは持っていましたので、ポイントでは歌手の表情などは見えましたが、如何せん、舞台全体は把握できず。何とも消化不良な観賞となってしまいました。

その後、リベンジの機会を狙っていたのですが、なぜかスケジュールが合いません。今回、久しぶりにリベンジのチャンスがやってきた‥という訳です。

フォルクスオーパーのオペラは、基本的にオーソドックスな演出は少なく、舞台装置も予算の都合があるのか、ちょっと変わったものが多いですよね。また、言語上演が一般的なこちらでは珍しく「ドイツ語の吹き替え」で上演される作品が多いのも特徴です。で、イタリアオペラの「トスカ」も、ドイツ語上演です。

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指揮は若手のGerrit Prießnitzさん。主なキャストは、以下のとおりです。

トスカ:Amanda Maceさん
ガヴァラドッシ: Michael Bedjaiさん
スカルピア: Sebastian Holecekさん
アンジェロティ: Petar Naydenovさん
堂守: Yasushi Hiranoさん
スポレッタ: Christian Drescherさん
警官: Heinz Fitzkaさん
看守:Heinz Fitzkaさん
羊飼い: Max Schachermayerさん

トスカのAmanda Maceさんと、スカルピアの Sebastian Holecekさんは、2008年に観た時と同じでした。

ところで、フォルクスオーパーでは、開演ギリギリにオーケストラメンバーがピットの入ることが多いのですが、今日はいつもよりも早め。これは、上演回数が多い演奏するオペラではないためかもしれません。ちなみに2008/09シーズンのプルミエからの通算上演回数は33回です。少ないですよね。

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演出や舞台装置も基本的には2008/09シーズンと同じです。第一幕、アンジェロッティが逃げ込んでくる教会内部は、補修中を表すため、舞台前面に工事用の足場が組まれています。

工事現場でオペラを上演するような雰囲気ですが、よく見ると足場の奥には聖堂ドームの内部が見えます。結構、凝った作りなのですがね。荘厳な礼拝堂の内部を再現している国立歌劇場版と比べると、何となく軽い感じがします。初めて「トスカ」をフォルクスオーパーで観たお客さまはビックリするでしょうね。

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休憩の後、二幕に入ります。二幕は、宮殿にあるスカルピアの執務室ですが、「中央に小部屋を設置する」という一風変わった舞台装置。

また、小部屋の壁は、スクリーンになっており、壁画が描かれています。そして、中央には階段があり、大きな窓が‥ こぢんまりとした舞台装置ですが、二幕はトスカとスカルピアのやりとりが中心なので、これで良いのかもしれません。ただ、ちょっとチープな感じが‥一応、スカルピアのお食事も準備されていますが‥

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暗転で三幕に入ります。三幕はアンジェロ城の屋上という想定ですが、背景に空が広がるだけで、大道具はなし。背後に教会のドームを投影していましたが、Feriとしては、三幕の舞台装置が一番のお気に入りです。

なお、通常、トスカは投身自殺しますが、この演出では舞台上に倒れて息絶えるという形です。つまり、舞台上にトスカとガヴァラドッシが倒れて幕‥という訳です。ただ、このタイミングで背景の教会のドームが消えるので、これで身を投げたことを表現しているのかもしれませんね。

なお、衣装に関しては、トスカはドレスを着ていますが、男性陣はスーツやシャツにズボンという、シンプルなものです。

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歌手陣ですが、トスカのAmanda Maceさんは、プルミエの当時より、格段に良くなっていましたね。声もしっかり出ており、演技も磨きがかかったように感じました。雰囲気も役に合っている感じです。

スカルピアのSebastian Holecekさんは、オペレッタでも活躍する名歌役者。歌もうまいので、オペラでも存在感があります。ただ、Sebastian Holecekさんは「根がいい人」という印象が強いので、悪役スカルピアの雰囲気には合っていないような気が‥

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ガヴァラドッシのMichael Bedjaiさんは、初めて観たが、体格が良く、堂々たる歌いぶりが印象的。前回はMehrzad Montazeriさんだったが、好対照といったところです。

平野さんは一幕しか出番がありませんが、堂守として堂々たる歌いぶりが印象的でした。平野さんはオペラ中心の出演ですが、ぜひ、がんばっていただきたいところです。

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指揮のGerrit Prießnitzさんは若手で、体全身を使ったダイナミックな指揮が印象的でした。ちょっとやりすぎのような気もしますが‥ところで、今日のオーケストラはなかなか良い音を出していたと思います。今シーズンの上演は、これでおしまい。2013/14シーズンでもレパートリーとして継続上演されるのでしょうかね。

余談ですが、当日の公演はフォルクスオーパーにしては珍しく20時開演。というのは、15日にプルミエを迎えるバレエ「BlaubartsGeheimnis」(青ひげ公の秘密)の事前公演が、マチネ(11時から)で行われたためです。急きょ設定されたようで、印刷物の月間プログラムには掲載されていませんでした。

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