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January 02, 2013

フォルクスオーパー「キス・ミー、ケイト」(下)

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今日も昨日に引き続きフォルクスオーパーの「キス・ミー、ケイト」の模様をご紹介しましょう。

劇中ではカタリーナとビアンカの父親パプテスタとなるSándor Némethさんが、例によって良い味を出していました。この人は、お歳を召してもダンスのセンスは抜群ですね。面白いのは稽古中、フレッドに「入れ歯を治す時間なので、行ってもいいかね」とお歳を感じさせる台詞が入っていることです。

劇中ミュージカルでは父親、舞台では若い人の恋を成就させる役は良いですねぇ。劇中ミュージカルのフィナーレでは、ペトルーキオとカタリーナがいないので、劇が成り立ちません。

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そこで、Sándor Némethさん演じるパプテストが、「ここにペトルーキオ、ここにカタリーナがいます」みたいなお芝居をします。ふと、「チャールダーシュの女王」のフェリ・バチを彷彿させる場面。その後、本物の両者が現れてめでたし、めでたし‥となるのですが‥かっこいいぞ、ハリー。

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リリィの求婚者という想定のハリソンはKurt Schreibmayerさん。お歳を召しても「ダンディな男」という役柄を見事に演じていました。

実はハリソン、リリィだけではなく、しっかりロイスにも手を出しています。二幕でちょっと出てくるだけなのですが、一曲、歌います。

こんなちょい役にKurt Schreibmayerさんよく起用するものです。ただ、Sándor Némethさんもそうですが、ベテランを脇役に起用することで、舞台が締まった感じがしますね。

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ミュージカル劇団の座長で監督のフレッドはAndreas Lichtenbergerさん。自己中心的な性格で、一年前に妻のリリィと離婚してしまったという設定です。自己中男を見事に演じていました。

劇中ミュージカルのペトルーキオも含めて、聴かせる歌がありますので、お楽しみに。かわいい女性に目がないところなど、何やら「こうもり」のアイゼンシュタインに似ているような‥

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脇役で面白かったのは、借金の取り立てに来るギャング二人組( Boris EderさんとHerbert Steinböckさん)。最初は強面のギャングを演じるのですが、途中、借金取り立ての関係でリリィに芝居を強要するため、劇中ミュージカルに舞台衣装に着替えて登場します(右側の写真が、その場面。ただし、脅すために拳銃を隠し持っているのですが‥)。

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さらに、後半、ボスが亡くなり借金取り立ての任務が消えて、劇場を後にする前、“Brush Up Your Shakespeare”をデュエットで、途中で何回か衣装を替えながらコミカルに歌うシーンは、大受けでした。そう言えば、この曲、リフレイン(繰り返し)がありますね。オペレッタみたいです。

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ロイスのJohanna Arrouasさんは、身が軽い分、歌って、踊って大活躍。本領発揮‥という感じですね。彼女は、こういった役が向いているようで、生き生きとロイスと劇中のビアンカを演じていました。

また、先日のクリスマス・コンサートでは「ヘンゼルとグレーテル」の魔女役として活躍したJeffrey Treganzaさんは、ビアンカの求婚者ホルテンシオ(紫の舞台衣装)で活躍していました。

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今回は全員、ワイヤレスマイクを付けているので、激しく動きながら歌っても全く問題はありませんでした。しかし、さすがにフォルクスオーパー‥ポイントでちゃんと歌い上げる場面も用意してありましたね。

ミュージカルなので、ダンスシーンも多く、オペラやオペレッタと異なる動きの激しいダンスが魅力的です。今回はシュタットバレエのダンサーが多数、出演していますが、クラッシックバレエの基本をしっかりと身につけている人がモダンダンスを踊るので、全身を使った見事な演技や技の切れはさすがです。人数も多く、動きが激しい、華やかな舞台を作りあげるのに寄与していました。

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何となく、元気がもらえるミュージカル‥という気ので、地元で人気が高いのもうなずけるところです。さて、ローナッハ劇場の「SisterAct」と比べるとフォルクスオーパーの方が規模が大きいので、迫力がありますね。

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また、脇役陣にオペレッタで有名な歌役者さんが起用されるケースが多いのですが、クラシックの発声を身につけているだけに、マイクを使っていても、地声を前面に出した歌が楽しめます。当然、アリアのように歌い上げる場面も‥

同じ、ブロードウェイミュージカルでも、時期が違うということもありますが、フォルクスオーパーの場合、古き良き時代のミュージカルについては、オリジナルのプロダクションである強みを生かして、料理の仕方が上手だと思います。もちろん、輸入物のプロダクションも、別の意味で楽しめますので、色々と見比べてみるのが面白いと思います。

「キス・ミー、ケイト」は、来年1月も上演されますので、皆さまも機会があったら、ぜひご覧ください。

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