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January 06, 2013

立ち見も、また楽し‥

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今日は「ウィーン国立歌劇場の立ち見にまつわるお話」です。

このブログをご覧に方は、Feriはいつも良い席でオペレッタやオペラを観ていると思われるでしょうが、これは「どうしても観たいという公演」に限定しています。

また、他の予定が入る可能性がある場合、コンサートなどのチケットを確保していないこともあります。ところが、予定がキャンセルになったりすると時間が空いてしまうことも‥そういう時、ふらりと立ち寄ってオペラなどを観ることができれば良いのですが、さすがに満席(もしくは良い席は売り切れ)というケースが大多数です。

国立歌劇場の場合、その傾向が強いですよね。そんな時、時間があれば「立ち見」という「最後の手段」があります。

今まで国立歌劇場の立ち見について、ご紹介したことがなかったので、今日は仕組みも含めて、ご紹介しましょう。

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国立歌劇場の場合、立ち見の定員は、何とビックリ567席(立ち見で席という表現も変ですが‥)もあります。ちなみに座席定員が1709席です。

現在は「立ち見席優先カード」という有料のシステムが導入されており、当日、並ばなくても立ち見席チケットを手に入れることもでるようになりましたが、これは地元の皆さま向け。多くの方は、今までどおり、当日、並んで立ち見席チケットを確保します。

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今は立ち見席専用の待機場所がOperngasse側に用意されています。大階段がある通常の入り口ではなく、専用の入り口があります(写真のような立派な看板が出ているのでわかります)。

そのため、寒い中、表で長時間待つようなことはありません。反面、屋内で待つため、時間に余裕のある人は、かなり前から来ているようです。ざっと見て、待機場所には150人以上は収容できると思います。ただ、待機場所が満員になってしまえば、後は表に並ぶしかありません。

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待機場所では、折りたたみ式の椅子を持ってきている常連さんもいますが、床に座っている人が多いですね。友人と話に興じる人、スマートフォンやタブレットを見ている人、本を読んでいる人などなど、過ごし方は千差万別。

ちなみにチケットの発売は開演80分前ですが、最低でも1時間は並ぶつもりで行かないと、待機場所には入ることができないかもしれません(これは公演によって差が激しいので、何とも言えません)。

ところで、最近は中国からいらっしゃった若い旅行者の方が、立ち見を利用するケースが多く、待機場所では中国語が飛び交っています。日本人のお客さまもいらっしゃいますが、絶対数は少ないですね。また、若い方が多いと思いきや、ご年配のファンも結構見かけます。何と言ってもコストパフォーマンスが抜群ですかね。年金で生活をしていても、体力さえあればオペラやバレエが気軽に楽しめます。

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80分前になると専用窓口で、立ち見チケットの販売が始まります。専用窓口には、一応、クレジットカードの認証端末もありますが、低額なので皆さん現金決済です。お値段は公演カテゴリーにかかわらず均一。人気がある平土間奥のParterreが4ユーロ、BalkonとGalerieが3ユーロです。チケットは、1人1枚しか買うことができません。そのため、友人の分まで購入して‥という方法は不可です。おもしろのはチケットを売っている係員。通常の制服姿ではなく、Feriの時は私服のおじさんが不機嫌そうに事務的に仕事をしていました。

チケットは、予め3種類が印刷されており、それをリクエストに応じて渡すだけです(つまり積んであるチケットがなくなった時点で売り切れです)。

その後、立ち見席チケット売場の横にある通路を通って、劇場ロビーへ出ます。途中にクロークがありますが、ここはParterre用。BalkonとGalerieのお客さまは、それぞれのフロアにあるクロークを使うように指示されます。ロビーで、出演者リストだけを買うのが常連さんのお決まり(90セントですが、1ユーロで買ってあげましょう)。

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次は、それぞれの入り口に並びます。FeriはBalkonにしたのですが、BalkonとGalerieは階段に並ぶことになります。開場の合図と同時に立ち見のお客さまも立ち見席へ入ることができます。

この時、混乱しそうですが、さすが、国立歌劇場。係員が待機していて、立ち見席の場所調整を行ってくれます。係員から場所取りの目印を付けるように指示があるので、目印を付ければ、これで場所の確保は完了。冬の場合、場所の確保が完了してから、クロークにコートなどを預けます(先に預けていると場所の確保競争に競り負けます)。

後は開演まで、どこかで座って休むのも自由ですし、ビュフェで一杯やるのもご機嫌です。余談ですが、国立歌劇場のビュフェでワインを飲むと1/8リットルで3.4ユーロ。そう、立ち見席の料金より高いのですよね。

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立ち見席からの見え方ですが、Balkonの場合、中央に近い側で、かつ最前列が確保できれば、非常によく見えます。変に座っているよりよく見えますね。

なお、立ち見席にも字幕表示装置が付いているので、これが基本的に場所の基準になっているようです。ただ、Feriが観たのはバレエだったので、字幕は関係なく、場所を確保していましたが‥

正直、「立って見る」ということさえ苦痛にならなければ、舞台に近いLogenやLogenの3列目などよりも、はるかによく見えます。また、手すりが前についているので、寄りかかって見ることができるのもメリットです。

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Feriが立ち見席で観たのは2012年12月23日のバレエ公演「くるみ割り人形」です。実はFeriは、日本で仕事をする時は、デスクワークの他に立ちっぱなしで仕事をすることもあるので、立っているのは比較的苦になりません。従って、上演時間は休憩を含めて2時間という本作品は楽勝です。

さて、公演そのものは、2012年10月26日にプルミエを迎えた新プロダクションです。なかなか見応えのある作品で、クラシックバレエらしいきれいな舞台が印象的でした。とくにClaraのMaria Yakovlevaさんが、初々しい可憐な感じで良かったですねぇ。公演の詳しい評価はバレエ通の「はっぱさんのブログ」をご覧ください。何しろFeriのオペレッタと同じく、同じ演目を何度もご覧になっていますので、出演者による違いなども紹介されていますので‥

なお、Balkonから帰る場合、写真のような立派な階段を使うことができます。この階段、意外に知られていないようで、信じられないくらい空いています。

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ところで、フォルクスオーパーの場合は、立ち見席は72席と少ないのですが、インターネットでチケットを買うことが可能(但し、場所の確保は当日)です。それに対し、国立歌劇場は当日売りが基本になっているので、どうしても観たい公演にチケットが買えなかった場合、これに賭けるという手もあります。時間さえあれば、確実に観ることができますので‥

ただ、実際にはチケット発売時間の1時間30分~2時間前には並ぶ必要があるので、時間がない人(お勤めの方など)はお手上げですが‥最もそういったニーズがあるため、地元の熱心なファン向けに「立ち見席優先カード」(年間70ユーロ)プラス「立ち見席回数券」(Balkon・Galerie 用50回分80ユーロ)というシステムが生まれたのだと思います。

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ウィーン国立歌劇場 |

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Comments

 Feri様

 懐かしい立ち見席の話を楽しく拝見いたしました。
若い頃は立ち見席で観劇することは一向に苦にならな
かったのですが、いえ、むしろストイックに立ちみ席
を選んでさえいたのですが、さすがに歳を取ると何時
の間にか天井桟敷の住人では無くなってしまいました。
歳を取ると言ってもそんなに歳よりではありませんけ
れども。
 早くから並び座っていてもいつの間にか時間が過ぎ
去って少しも退屈しなかったのはなぜなのか今でも不
思議に思います。ご年配のファンも多いと書かれてお
りましたが、オペラ観劇は体力だ!と歳を取っても体
力のある方が多いのは嬉しいですね。
 天井桟敷の想い出は話始めたらきりが無いのでこの
辺にしておきます。懐かし話題をありがとうございま
した。

Posted by: ハンドルネーム:ウィーン | January 06, 2013 15:59

ハンドルネーム:ウィーン様

コメント、ありがとうございます。立ち見席ですが、明らかに「お客さまの層」が変化しているようです。以前は熱心な地元ファンが多かったようですが、最近では激減しているそうです。

また、外国人観光客のマナーが悪く、地元ファンからひんしゅくを買っているという話を聞いたことがあります(階段で並んでいても、開場と同時に走り出して、前のファンを抜き去る等)。

そういった理由もあり、立ち見優先カードの制度が導入されたようです。立ち見優先カードを使ってParterreの最前列を確保している地元ファンを見かけることがあります。逆にBalkonとGalerieでは、地元の方は見かけませんね。

Posted by: Feri | January 06, 2013 19:08

 天井桟敷の客層が変わって来たのは21世紀になって
からでしょうか。変化の兆しは感じていましたが、そん
なにマナーが悪くなっているとは残念です。昔は案内人
に導かれてしずしずと列を成して階段を上ったものです。
 天井桟敷こそ我が居場所と定めた人々の姿が減って
しまったのでしょうね。寂しいと思います。どうか何時
までも天井桟敷の観客こそが最も怖い聞き手である様に
祈っております。

Posted by: ハンドルネーム:ウィーン | January 06, 2013 21:12

立見席があるんですね。
マナーが悪くなっているのは残念です。

Posted by: starfield | January 06, 2013 21:40

ハンドルネーム:ウィーン様、starfield様

劇場側の対応により一時よりお客さまのマナーが向上したようですが、如何せん、若い観光客が多いので、やむを得ない面もありますね。

なお、お客さまの服装などは、普通の席でも大きく変化してきています。

Posted by: Feri | January 07, 2013 08:15

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