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January 18, 2013

ダイヤの乱れを解消する路面電車の「裏技」とは?

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今日は「路面電車の話題」をお伝えしましょう。

ウィーンは、現在でも路面電車が市内交通の中心として活躍しています。原則として軌道敷内自動車通行禁止にしているほか、専用軌道、一部路線の地下化などの対策により、安定した運行が確保できるようになっているのも「生き残ってきた要因」でしょうね。

もっとも道路が狭い場所などでは、軌道敷内の自動車通行が可能になっていますが、それでも路面電車の優先権が確保されています。

これらの対策により、ウィーンの路面電車は比較的ダイヤ通りに運行されているのですが、自動車の数が増えるアドベント週末などでは、残念ながら大幅にダイヤが乱れることがあります。

ダイヤが乱れる主な要因は、交差点を自家用車やバスなどが塞いでしまうことです。とくに海外から来た自動車(自家用車や観光バス)は慣れていないこともあり、結果的に路面電車の進路を塞いでしまうこともあります。何しろ路面電車は軌道上を走っていますから、自動車の方が進路を開けてくれない限り、前に進むことはできませんから‥

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ダイヤが乱れると、電車が団子状態になってしまい、15分も来ないかと思えば、続けて3本がやってくるという事態に陥ります。

昨年末には、主要な停留所にある案内板の「次の電車まで○分」という時間表示が増えるという珍現象も目にしました(2分だったものが、急に5分に増えてビックリ)。また、待ち時間表示を中止してしまった日もあります(左の写真は、その表示です)。

日本の場合、2分遅れただけでも車内放送でお詫びを流しますが、こちらでは、そういった配慮はなし。皆さん、停留所で、しかたなく待っています。でもイライラしているようで、しきりに電車が来る方向を見ていますからね。

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Feriが都心に出るときに使う43系統もアドベントの週末はダイヤが大きく乱れていました。通常、日中は6分間隔なのですが、15分以上、来ないこともありました。その時、ダイヤの乱れを解消する裏技を体験しました。

ウィーンの路面電車は、通常車庫への出入りを伴う早朝・深夜以外は、途中での折り返しはありませんが、ダイヤが極端に乱れてくると途中で折り返し運転を行い、運転間隔の調整を行うのです。

なぜ、途中での折り返し運転が可能かと言えば、通常は使用しない折り返し用ループ線が途中に数箇所あるのですよ。

例えば、43系統はAlserStraßeDornbach,GüpferlingStraße(右の地図)の二箇所にあります。Dornbach,GüpferlingStraßeは10系統と44系統が折り返すためのループ線を活用するのですが、U6との接続停留所であるAlser Straßeのものは、通常は使わない「隠しループ線」です(ただ、地図には出ていますが‥)。

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では、どのように使うかと言うと、都心のSchottentorから郊外のNeuwaldeggへ向かう下り線が数珠つなぎになってしまい、上り線の運転間隔が広がってしまった場合、突然、途中のDornbach,GüpferlingStraßeで運転を打ち切り、ループ線経由でSchottentor行きします。

Feriはもう少し先まで乗るので、Dornbach,GüpferlingStraßeで運転打ち切りになると次が来るまで、寒い停留所で待たなくてはなりませんので、ガッカリ‥(左の写真はガッカリする停留所の表示です)

一方、上り線のダイヤが乱れ、下り線がなかなか来ない場合は、Schottentor行きを途中のAlserStraßeにある隠しループ線を使い、Neuwaldegg行きにします。

いずれも行き先が突然、変わるのでお客さまもビックリ。車内放送と電光掲示板に表示されますが、事態を飲み込めない方もいらっしゃって、そのまま折り返してしまうことも、希にあります。停留所で待っているお客さまにも知らせるため、折り返しの停留所に近づくと車外の行き先表示器も変更されます。

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今は行き先表示器もLEDなどの電光式が増えているので、簡単にできるようですね。同時に停留所に設置されているスピーカーからも、途中折り返しになった旨の放送が入ります。ただ、この放送、運行管理センターから無線で入るようで、聞きづらいですが‥

で、面白いのはAlser Straßeでの折り返しです。というのは、この場合、終点がAlser Straßeではなく、隠しループ線にある秘密の停留所Zimmermanngasseになるのです(隠し停留所ですね。隠しループ線の様子は右側の地図をご覧ください。赤丸が隠し停留所の場所です)。

実は先日、Feriも、急きょ、途中折り返しになった上り乗っているとき、考え事をしていてAlser Straßeで降り損なって、Zimmermanngasseまで行ってしまったことがあります。なぜ、終点をAlserStraßeにしないのかは、よくわかりませんが、興味深いですね。こういった隠し停留所は、沢山あるようです。

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ちなみに左の写真は、AlserStraßeで運転打ち切りとなり、ループ線がある終点のZimmermanngasseへ向かう43系統です。お客さまが停留所に大勢いるのは、Schottentorまで行く電車を待っているためです。

また、別の日ですが、日中、Schottentor行きだったものが、突然、Hernals止まりになり、お客さまを降ろしたら、そのまま回送として都心方面に向かっていった例も目にしました。回送ならば、途中の停留所は通過できるので、一気に運転間隔を詰めることができます。

こういった例は43系統だけでなく、全ての路面電車路線で行われており、リンクに乗り入れている1系統がSchottentorのループ線を使って折り返しているのを目撃したこともあります。もちろん、これらのダイヤ調整は運転士が勝手に行っている訳ではなく、運行管理センターから無線で指示がくるようです。

路線網が充実していて、かつ路線も長いウィーンならではの「裏技」と言えるかもしれませんね。


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