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January 01, 2013

フォルクスオーパー「キス・ミー、ケイト」(上)

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皆さま、開けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

ウィーンのシルベスター(年越し)は、クリスマスとは打って変わって、旧市街を中心にパーティ状態になります。これは宗教的な色彩がないためのようです。セクトを販売する屋台が沢山でて、皆さん、大盛り上がり。ただ、Feriは背が低いので、背が高い外国人の皆さまが集まる雑踏は埋もれてしまうので、正直、苦手です。とくにシルベスターでは、夜間で、酔っ払いが多いこと、若者の一部が勝手に花火(爆竹を含む)などを行ったりすることもあり、フェストが好きなFeriも気後れしてしまいます。なお、年越しに花火が上がるのですが、皆さん、離れたポジションからご覧になる方が多いようです。

さて、2013年、最初の話題は、フォルクスオーパーで好評上演中の「ミュージカルの話題」をお伝えしましょう。

2012/13シーズンにプルミエ(2012年10月27日)を迎えた、この作品。今年は、他のカンパニーでも取り上げているところが多いですね。

「キス・ミー・ケイト」 (Kiss Me, Kate) は、皆さまご存じのようにコール・ポーター作のブロードウェイミュージカルです。このミュージカルは、作品そのものの物語と、劇中上演されるシェイクスピアの戯曲を基にした劇内ミュージカル「じゃじゃ馬ならし」の物語が同時に進行します。

そして、途中で双方の区別がつかなくなるドタバタミュージカルです。まぁ、最後は劇中ミュージカルと現実の両方で、二組のカップルが誕生して、めでたしめでたしとなるお話です。

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事前に把握していた「あらすじ」とフォルクスオーパー版は、大きな差はないようです。なお、例によって完全ドイツ語上演。ところで、オリジナルは英語版なのですが、なぜか、一曲だけ曲名がドイツ語になっているものがあります。それが第一幕の四曲目に出てくる有名な“Wunderbar”。

今回、Feriが注目していたのは、Sándor Némethさんが出演することです。彼は今シーズン、この作品が唯一の出演作。それだけにファンとしては見逃すわけにはいきません。

そして、もう一つ、先日ご紹介した最近のブロードウェイミュージカルをロングラン上演するパターンのローナッハ劇場との比較です(なお、観たのは2012年12月です)。

さて、当日の指揮はLorenz C. Aichnerさん。主なキャストは、以下のとおりです。

フレッド(劇中:ペトルーキオ):Andreas Lichtenbergerさん
リリー(劇中:ケイト):Franziska Beckerさん
ビリー (劇中:ルチェンティオ):Robin Poellさん
ロイス (劇中:ビアンカ):Johanna Arrouasさん
ハリー (劇中:パドヴァの商人パプテスタ):Sándor NémethさんImg_100_12_1354_001
ハッティ:Sulie Girardiさん
ポール: Martin Bermoserさん
ハリソン: Kurt Schreibmayerさん
ギャング: Boris Ederさん
ギャング:Herbert Steinböckさん
グレミオ:Roman Martinさん
ホルテンシオ:Jeffrey Treganzaさん
ラルフ: Georg Wacksさん
アンサンブル:Caroline Ciglenecsannさん
アンサンブル:Wilbirg HelmlsannさんImg_100_12_1947_001
アンサンブル:Eva Prennerさん
アンサンブル: Lynsey Thurgarさん
アンサンブル:Thomas Huberさん
アンサンブル:Oliver Lieblさん
アンサンブル:Stefan Gregor Schmitzさん

オーケストラ編成もミュージカルの場合、使う楽器が異なるため、オーケストラピット内の配置も異なります。写真をご覧になるとわかると思いますが、指揮者正面中央にピアノがおかれています。

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で、実はピアノを担当する奏者の女性は、ピアノを含めて三台のキーボードを自在に操るのです。そのため、席を中心とした「コの字」に楽器が並んでいます。特に同じ曲の中で、二つの楽器を掛け持ちする場面もあって、プロの技を見た感じがしましたね。

また、途中、アメリカのミュージカルらしく指を鳴らす場面がありますが、空いているオーケストラメンバーが参加。こういった細かい配慮がすばらしい舞台につながっているのでしょう。

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このミュージカルは「劇中ミュージカル」がある設定なので、オーケストラのチューニングの前から緞帳が開き、劇中ミュージカルの出演者達が舞台上で、稽古をしているところから始まります。なお、この時はアドリブ多発。22日に観たときはクリスマス前だったので、クリスマスソングを勝手に歌っていました。

この展開をお客さまが理解していないため、事実上、舞台が始まっているのに客席を右往左往する姿や、おしゃべりが止まない状況が見られました。何か緊張感がない始まりでしたね。

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また、劇中ミュージカルがあるため、稽古中に監督のフレッドが客席側から登場するような場面設定も見られました。客席を劇中ミュージカルの客席としても活用するという仕掛けです。

舞台装置ですが、劇中ミュージカルの部分は派手な色使いの大道具や衣装を多用しています。これは、劇中ミュージカルであることを強調するためだと思います。「マイフェアレディ」などが写実的な舞台装置だったのとは、好対照ですね。

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色使いなどの雰囲気は「ローマで起こった不思議な出来事」に近い感じがします。このほか、稽古中と劇中ミュージカルの本番中では、衣装が当然、異なります。劇中ミュージカル用はいわゆる舞台衣装、稽古中はレオタード‥といった具合です。左の写真は稽古中のSándor Némethさん扮するハリーです。

一方、楽屋などの舞台裏セットについては、簡単ながら写実的な大道具を使っていました。これも、劇中ミュージカルと現実の対比という訳でしょう。

なお、例によってフォルクスオーパーお得意の回り舞台を上手に使って、場面転換をテンポ良く行っていました。

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お話そのものは、「劇中ミュージカル じゃじゃ馬ならし」の展開と、分かれた夫婦フレッドとリリィ、ロイスとビルという二組のカップルの恋模様を描くものなので、わかりやすいですね。

劇中でケイト(カタリーナ)を演じるリリィのFranziska Beckerさんがヒステリックに暴れ回る姿が印象的でした。特に、舞台裏の鬱憤を舞台上で、元夫のフレッドにぶつけているお芝居が大受けでした(やり過ぎのような気もしましたが‥)。

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ちなみに、劇中ミュージカルでリリィが切れるかというと、フレッドがロイスに宛てた花束に付けてあった手紙を、こともあろうにリリィが本番中に見てしまうのです。これでは、切れまくるのは当たり前。写真は、ロイスに宛てた手紙を見て、怒り狂って劇中ミュージカルの舞台に登場するリリィです。

フレッドをはじめとする面々は、リリィが舞台上で本当に切れてしまったので、大慌てで演出助手が幕を閉じ、その前でダンサーが場をつなぐという展開もありました。

ちょっと長くなってしまいそうなので、今日は、このあたりで

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