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March 24, 2013

バーデンの「白馬亭にて」

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今日は久しぶりにシーズン後半を迎えたバーデン市劇場のオペレッタをご紹介しましょう。

最近のバーデンは、冬シーズンの場合、定番と珍品を各1演目上演するケースが多いのですが、2012/13シーズンの定番はベナツキィの「白馬亭にて」です。

今回、注目されるのはフォルクスオーパーでご活躍中のSebastian ReinthallerさんとUlrike Steinskyさん(いずれもKSですよね)が、主役のレオポルトとヨゼファに起用されていることでしょう。主役の二人を客演にしてしまったというのは、ある意味、驚き。

元々、Feriは「白馬亭にて」は好きなオペレッタなので、時間をやりくりしてバーデンまで遠征してきました。さて、指揮はFranz Josef Breznikさん。主なキャストは以下の通りです。

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給仕長レオポルド:Sebastian Reinthallerさん
白馬亭の女将ヨゼファ:Ulrike Steinskyさん
弁護士ジードラー:Darius Merstein-MacLeodさん
ベルリンの企業家ギーゼケ:Jürgen Trekelさん
ギーゼケの娘オッティリエ:Maricel Wölkさん
ギーゼケを相手に裁判中の企業家ジェツルハイマーの息子ジギスムント:Nikolaus Haggさん
赤貧の昆虫学者ヒルゼルマン教授:Heinz Zuberさん
ヒルゼルマン教授の娘クレールヒェン:Johanna Arrouasさん
カイザー・フランツヨーゼフ:Peter Urayさん
ピッコロ(Gustl):Timo Verseさん
ポーター:Beppo Binderさん
キャシー(Kathi):Kerstin Raunigさん
Kettel:Franz Josef Koeppさん

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上演時間は休憩を挟んで3時間弱なので、結構、充実した舞台です。まず、最近の「白馬亭にて」では、定番になってしまった感のある「全員マイク使用」でした。バーデンのように狭い舞台でマイクがいるのだろうかという疑問が残りました。

実際、フォルクスオーパーのオペレッタではマイク無しで歌っているSebastian ReinthallerさんやUlrike Steinskyさんは必要なかったようにも思ったのですが、が、後から考えるとヨーデルを歌う場面があるので、歌手への負担軽減かもしれません。

演出ですが、通常はちょい役の郵便配達人キャシー(Kathi)が、全体の進行を務める(MCみたいな感じ)役柄になっていました。

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冒頭、通常は外国人観光客が白馬亭に朝食をとるためやって来て騒動が始まるのですが、その前にキャシーが単独でヨーデルを歌う場面が設定されていました。キャシーは郵便配達人として関係者に郵便を配るだけでなく、途中で船のキップをチェックしていたりと、大活躍でしたね(単純に出演者が足りないだけかもしれませんが‥)。

このほかの展開や役柄の設定はオリジナルとほぼ同じでしたが、前半に主要な人物のエピソードを集約していました。通常は、後半が多いジェツルハイマーの「頭髪の秘密」も、前半でいとも簡単にご披露。

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また、一般的にはカイザーが白馬亭に来場したところで休憩に入ることが多いのですが、今回はカイザーが来場する前、にわか雨が降ってきたところで、全員が合唱する場面で前半終了となりました。

後半は、カイザーの来場を知ったレオポルトがヨゼファに再雇用を申し出るところから始まり、カイザー歓迎式典でのエピソード、翌朝の「カイザーの朝食シーン」と続きます。

後半の見どころは、ジギスムントがクレールヒェンの吃音を修正するためのデュエットですが、ここは意外とあっさり流していましたね。

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通常、フィナーレではヨゼファとレオポルド、ジードラーとオリティエリ、ギジスムントとクレールヒェンという三組のカップルが誕生するのですが、今回はそれに加えて四組目が誕生。

そう、ピッコロ(Gustel)とキャシー(Kathi)のカップルです。お話の中で、何となく二人がいちゃいちゃしている場面が多かったですから、これは皆さんご納得‥というところでしょうか。

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バーデンとしてはダンスにも力を入れている作品で、歌とお芝居の間にオリジナルの群舞が結構入っていました。また、ダンスの振付もクラシック系だけでなく、ジャズダンスの要素も取り入れた振付もあり、バラエティに富んだ展開です。

最近、バーデンではオーケストラピット前の「花道」をよく使うのですが、今回はソリストが花道に出てきて歌う場面が結構ありましたね。また、客席から登場、客席へ退場するという場面が多数設定されていました。そのため、賑やかなこと。ただ、平土間最前列のお客さまは落ち着かないでしょうね。

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舞台装置は、予算の関係もあるので吊しもの中心でしたが、電飾の枠などはメルビッシュを彷彿させました。

キャスティングですがSebastian ReinthallerさんとUlrike Steinskyさんは歌、お芝居ともに申し分ありません。また、フォルクスオーパーで共演されることも多いので、息もピッタリ合っていたと思います。歌って踊れるJohanna Arrouasさんは、クレールヒェンのような役がピッタリのような気がします。

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一方、弁護士ジードラーのDarius Merstein-MacLeodさんは、メガネをかけたおっさん風の風貌で、ヨゼファが惚れるのはわかりますが、オッティリエが夢中になるのは不自然な感じがしましたね。

逆に、レオポルドのSebastian Reinthallerさんの方がいい男に見えてしまいます。なお、歌に関してはマイクを使っていたので、評価は難しいところです。

このほかギーゼケのJürgen Trekelさん、ヒルゼルマン教授のHeinz Zuberさん、カイザー・フランツヨーゼフのPeter Urayさんは、お芝居で良い味を出していましたね。

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フォルクステアターの「白馬亭にて」は、演劇専門劇場らしい斬新な設定や演出で、面白かったのですが、こちらはどちらかというとオーソドックスなレビュー・オペレッタという感じです。舞台の大きさなどから、何となくシュタット・オペレッタ・ドレスデンの舞台を思い出しました。

個人的には楽しく仕上がっていましたが、もう少しお芝居の部分をコンパクトにして、全体の上演時間を15分ほど短縮すると、だれた部分がなくなって締まった感じの舞台になるような気がします。

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余談ですが、背景画は、手前がウォルフガングゼー、その後ろにザンクト・ウォルフガングのシンボル、巡礼教会を中心とした街が描かれています。これだけでイメージが膨らむのですが、本物の白馬亭は巡礼教会に隣接して建てられています。

そう、白馬亭からは、この光景は見ることはできません。もし、本当にこの光景が観ることができる場所だと、対岸Zikenbach(ツィンケン川)の河口付近になってしまいますね。

もっとも舞台の背景にウォルフガングゼーの象徴が入らないと締まりませんから‥「白馬亭にて」は、比較的小規模な劇場でも対応できる演目なので、バーデン向きのプログラムよような気がしました。でも、バーデンは基本的に一シーズン限りなので、しばらくはお預け‥となりますね。

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