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March 10, 2013

ウィーンのSバーン 新型電車の工夫が一杯

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今日はSバーンをはじめとするÖBBの近郊区間で活躍する電車をご紹介しましょう。

もともと郊外を走る列車でも機関車と客車の組み合わせが多いオーストリアですが、最近では電車も増えてきました。

現在、ウィーンのSバーンでよく見られるようになったのが4024型と呼ばれる流線型の電車です。先日、正面衝突事故を起こしてミソを付けてしまいましたが、運転台部分が高く、かつ突き出していたため、逆に人的な被害は最小限に留まりました。

この電車ですが、ドイツに本社があるボンバルディア・トランスポーテーション社が開発したBombardier Talentがプロトタイプです。細部の仕様は異なりますが、同型の車両がドイツ鉄道、ノルウェイ国鉄、ハンガリー国鉄、スイスのBLSなどで走っています。

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この電車の特徴は、連結部分に台車がある連接構造になっていることで、ÖBBでは4車体の4024型と3車体の4023型があります(中間車の数が違うだけで、基本的な仕様は同一です)。

なぜ、整備に手間のかかる連接構造を採用しているかといえば、実はバリアフリーに対応するためなのです。ご存じのようにヨーロッパの鉄道はホームが低いため、客車や電車に乗るには車両に付いているステップを登らなくてはなりません。

当然、このままでは車いすを利用しているお客さまを乗せるには、かなりの手間がかかります。日本ですとホームをかさ上げしそうですが、こちらでは逆に車両の床を低くして、現在のホームに合わせる方式を採用しています。

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そのため低床部分を長くとることができる連接構造が採用されたという訳です。連接部分の台車に動力を付けることも可能ですが、4024方は先頭車の運転台側台車だけにモーターが取り付けられています。編成での出力は152kw、最高速度は140km/hを誇ります。

全長は4ユニットの4024型は69メートなので、中間車が標準の25メートルより短くなっているのでしょう。通常、連接方式の場合、連接部分の台車に負担がかかるため、車両の長さを短くすることが多いので、4024型も同じ手法を採用しているものと思われます。ところで3ユニットの4023型の全長は52メートルと発表されているので、これから考えると、中間車の長さは17メートルと、かなり短そうです。

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こちらは近郊型電車はクロスシート仕様が一般的ですが、この電車も運転台の後ろからデッキまでと連結部分、中間車はクロスシートになっています。ただ、興味深いのは先頭車デッキから連接部分にかけての低床部分です(ちなみに低床部分の高さは線路から590mmだそうです)。ここは窓側に折りたたみ式のシートが配置されており、普通のお客さまが使うときは引き出して座るようになっています。

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なぜ、このような構造にしたのかといえば、車いすやベビーカー、さらに自転車などの車両を搭載する場合、シートが折りたたみ式の方が便利だと考えたようです。確かに実際に利用してみると、色々な使い方ができるので、混雑緩和にもなり、便利です。ちなみに座席数は折りたたみシート25席を含めて199席。立ち席は252席です。

デッキは先頭車は中央に一箇所、中間車は二箇所設置されています。ドアは気密性を重視しているので外側から閉まるプラグドア。当然、寒冷地なのでボタンで開閉ができる半自動方式になっています。
            
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写真のようにホームとデッキの段差はほとんどありませんが、デッキには車いす用のスロープが設置されています。残念ながら、このスロープを使っているところは見たことがないのですが、回転しながら下りるようになっていると思われます。

また、このスロープがあるドアには「車いす用の押しボタン」が設置されていますが、スロープが電動で自動的に出てくるのかどうかはわかりません。通常、ベビーカーや自転車を利用している人を見ると、スロープを使わず、乗り降りしています。

近郊区間を走る関係から、編成に一箇所、トイレも設置されています。当然、トイレは車いす対応の広いもので、デッキに隣接して設けられています。写真でご紹介できないのが残念ですが、トイレは円形のデザインが面白いですね。

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最近の電車らしく、エアコンが装備されているのはもちろん、天井には行き先や次駅を表示するディスプレイや火災警報システムが取り付けられています。

ウィーンのSバーンで活躍する4024型については、一部の編成に「区の名称」を付けた車両が存在します。ちなみにFeriが住んでいるHernalsは4024-047に、Ottakringは4024-016、Josefstadtは4024-009に付けられています。

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今では4ユニットの4024型が主力になっているようですが、編成が短い4023型は主に地方都市周辺で使用されています。

また、4124型という15000Vと25000Vの複電圧仕様車も存在します。15000V区間のハンガリーに乗り入れるためで、オーストリアのエベンドルフとハンガリーのジェール、ショプロンを結ぶジェール-ショプロン-エーベンフルト鉄道に投入されています。ここしばらく4024シリーズが「Sバーンの顔」として活躍しそうです。

しかし、こうやって見ると、ユニバーサルデザインに対する考え方も、お国柄が反映されていて、面白いですね。

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