« 変わったお店シリーズ77 住宅街のSchutzhaus | Main | 郊外で活躍するAS TAX »

May 19, 2013

ひと味変わったオペレッタ「こうもり」の楽しみ方

Img_105_04_5347_001

今日はフォルクスオーパーで定番のオペレッタになっている「こうもり」のひと味変わった楽しみ方」をご紹介しましょう。

2012年5月のフォルクスオーパー来日公演でも「こうもり」は上演されますが、「こうもり」だけはシーズン中、ほぼ毎月、上演されています(もちろん例外はありますので、突っ込みはなし‥)。

オペレッタの中では「定番」とも言えるポピュラーな演目ですから、上演日には観光客の方も沢山来場されます。普通は一回見れば十分という方が多いとは思うのですが、feriのように何度も観ていると、違った楽しみ方が生まれてきます。

もちろん、出演者の違いによる出来の違い‥これは当然なのですが、オペレッタの場合、お芝居の部分があるのがポイント。

Img_105_04_5348_001

とくに「こうもり」の場合、上演回数が多いこともあり、フォルクスオーパーのアンサンブル(専属歌手)の方は、シーズン中、何度となく登場します。そのため、出演者に「いたずら心」が沸いてくるようです。

「こうもり」では、単独で歌うアリアもありますが、掛け合いが多いのが特長。その際、お互いにつばぜり合いをするケースが見られます。つまり、主役や準主役に対して、ちょっかいを出すケースがある訳です。

例えば、一幕で裁判に負けたアイゼンシュタインが弁護士ブリントを引き連れて、自宅に戻ってくる場面があります。吃音の弁護士ブリントは、通常はアイゼンシュタインにやられっぱなし見たいな感じになるのですが、公演によっては、意図的に反撃が強くなる場合もあります。

Img_105_04_5353_001

そうするとアイゼンシュタインも“こいつ、今日は、攻めてきたな”といった感じで、対抗してきます。仲裁に入るロザリンデもタイミングを微妙に計っている‥というケースもあります。

一幕では、女性同士のつばぜり合いも見物。ご存じ、ロザリンデとアデーレです。本来はロザリンデの方が準主役ですが、気心の知れたメンバーの場合、あえてアデーレがロザリンデに対して、派手にちょっかいを出すケースもあります。

Img_105_04_5355_001

一幕で、オルロフスキー公爵邸の夜会への案内状をもらったアデーレが、“伯母が病気で‥”という言い訳でお暇をもらうためロザリンデに泣きつく場面などが代表。また、一幕でアイゼンシュタインとロザリンデの別れのシーンにも介入しますが、その時、アデーレが細かい芝居を追加して、盛り上げることもあります。

そして、一幕後半、アルフレードとフランクの掛け合いでも、火花が散ります。アルフレードが収監のためにやって来たフランクを笑い飛ばす場面などが、その代表でしょう。

Img_105_04_5357_001

最近、フランクは、Kurt Scbreibmayerさん、Josef Luftensteinerさん、Martin Winklerさんが多いのですが、アルフレードは色々な人が起用されます。それだけにアルレードが、フランク役を良く知っている場合は、茶々を入れたくなるようです。

フォルクスオーパーの場合、二幕で面白いのはアデーレとイーダの姉妹です。この二人も「得意技」が違うため、それぞれ、目立とうとします。一般的な演出ではイーダはあまり目立たないケースが多いのですが、現在のフォルクスオーパー版では、イーダはバレリーナに扮しているため、ダンスシーンではアデーレに対して対抗心をむき出しにします。

Img_105_04_5364_001

また、イーダは、オルロフスキーを知っていることになっているので、アデーレよりも優位な立場で振る舞います。ここも「ある意味」、女の戦い。イーダは個性派歌役者のKlaudia Nagyさんが多いですが、Johanna Arrouasさんが出る時の方が、つばぜり合いが激しいような気がします。

二幕でつばぜり合いが激しくなるのは、フランス人に扮したアイゼンシュタインとフランクのやりとりです。いずれも長年、フォルクスオーパーで歌っている歌手が起用されている日は、微妙なタイミングでアドリブも爆発して、相手を牽制します。

Img_105_04_5372_001

そうそう、オルロフスキーの侍従イワンも、時々、二幕で、意図的にちょっかいを出しますね。自分が目立とうとするようにも見えるのですが、実は、微妙に手加減をしていて、全体のバランスが極端に崩れることはありません。このあたりのさじ加減が見事なのですよ。

そして三幕では、ご存じフランクの一人芝居。これは枠はあるものの、かなり自由に演じていますね。そして、フロッシュとの掛け合いでは、お互いの役者魂に灯が灯る‥といった感じのやり取りが見られますね。例のソーダサイフォンの使い方が鍵を握りますが‥

Img_105_04_5373_001

もちろん、フィナーレのアイゼンシュタインとロザリンデの応酬も、歌手によって大きく異なります。ご存じのように三幕は、歌よりもお芝居中心なので、歌役者の皆さん、本領発揮というところでしょう。それだけに、どうしても、イタズラをしたくなるのでしょうね。

Img_105_04_5378_001

このあたり、自由度の高さ(悪くいえば、好き勝手にやっているともとれますが)が、オペレッタの魅力かもしれません。さすがに客演が多い時は、遠慮しているようですが、ベテランの専属歌手が多く出演する回では、「つばぜり合い」が見物‥ということができるかもしれません。そんな視点で、続けて観ると、違ったおもしろさを実感できるかもしれません。

なお、2012/13シーズンの「こうもり」は、比較的早く5月31日に千秋楽を迎えます。千秋楽の指揮は巨匠Rudolf Biblさんが予定されています。機会のある方は、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。


※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります delicious

Br_decobanner_201105_v_02

オペレッタ |

« 変わったお店シリーズ77 住宅街のSchutzhaus | Main | 郊外で活躍するAS TAX »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 変わったお店シリーズ77 住宅街のSchutzhaus | Main | 郊外で活躍するAS TAX »