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May 17, 2013

懐かしの二階建て路線バス

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今日は「新シリーズ 懐かしのオーストリア」です。

先日、新しいカラーの話題をご紹介しましたが、その後、手元の写真を探していたら、1982年に撮影したWiener Linienの二階建てバスが見つかりました。

もちろん、現役当時の写真です。この話題は、2007年4月に、このブログでご紹介したのですが、残念ながら現役時代の写真は載せることができませんでした。そこで、改めて現役当時の写真をご紹介しましょう。

現在、ウィーンでは定期路線には二階建てバスは投入されていませんが、当時は需要の多い路線には二階建てバスが使用されていました。某角写真は、これまた懐かしいウィーン南駅の駅前で18系統と並ぶ二階建てバスです。

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現在、Hauptbahnhof - Alser Straße-Skodagasseを結んでいる13Aという路線がありますが、この路線に投入されていたようです(2007年4月にご紹介した際、読者の方から情報をいただきましたが、出てきた写真を確認したところ、やはり13Aでした。ただ、区間はSüdbahnhof – Alser Straße-Skodagasseでした)。

現在、13AはMAN NL 273 LPG T3(愛称:Lion´s City)という連接バス(燃料はLPGです)が投入されていますが、当時から、利用者が多かったため、収容人数が多い二階建てバスが投入されたようです。

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さて、二階建てのバスに話を戻すと、今回、当時の写真が出てきたので、これを手がかりに色々と調べて見ました。まず、型式は「Gräf & Stift DDH 200/43/16」と言うそうです。Gräf & Stiftはオーストリアを代表する大型車メーカーです。

DDH200のテクニカルデーターですが、
-全長:12メートル
-全幅:2.5メートル
-全高:4.1メートル
-室内高:1階1.86メートル、2階1.678メートル
-定員:1階29席、2階46席、立ち席(1階)54名
-エンジン:6気筒横型200馬力(MAN社製)
-最高速度:60km/h
となっています。全長は普通のバスと、あまり変わりませんが、全高は4.1メートルと制限一杯‥という感じです。また、速度が遅いのがちょっと気になりますが、市街地だけを走るのであれば、実際はこれ以上、必要ないでしょう。

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この「Gräf & Stift DDH 200/43/16」は1976年に登場し、まず、14Aに投入されました。その後、68両が製造され、13A、15A、35A、59A、67Aなどの路線で使用されました。

ただ、二階建てバスは乗降に時間がかかるという問題がある上に、ワンマン運転には不向きです。そんな事情もあったのでしょうが、1991年6月に全社、運用から外れています。ただ、15年ほど使っていますから、バスとしての寿命は全うしたことになりますね。ただ、後継車両が作られなかった‥というだけで‥

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ちなみに車番は8269 ~8336が割り当てられました。現在、ウィーン路面電車博物館に8290号が保存されており、往時の姿を忍ぶことができます(保存されているDDH200の写真は、当ブログの2007年4月の記事をご覧いただければ幸いです)。

ところで、ウィーンの二階建てバス(路線バス)の歴史は意外と古く、戦後は1958年に「Gräf & Stift DD U10 H」が誕生しました。デビュー当時、二階建てバスは8200番からナンバーが割り当てられたため、Wiener Linien最後の二階建てバスとなったGräf & Stift DDH 200/43/16も、その連番で妙ナンバーが割り当てられたようです。

日本だったら切りの良いところからナンバーを付けそうですが‥こういうところに「こだわり」が内のがオーストリアらしいところでS。

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さて、当時の写真を見ると、やはりFeriも南駅から乗車したようです。ただ、どこで降りたのかははっきりしないのですが、U4の乗り換え停留所となっているPilgramgasseあたりで下車したかもしれません。

というのは、その後、シェーンブルン宮殿へ行っていますので‥ 比較的狭い一方通行の通りを背の高い二階建てバスが走る‥なかなか絵になる光景です。

今回、ご覧いただく車内からの写真は、いずれも二階席最前部に陣取って撮影したものですが、視点が高いだけに、今見ても新鮮ですね。車内からの写真に62系統の路面電車が写っていますが、今は全廃されてしまった非連接型のType Lです。懐かしいですねぇ(こちらも路面電車博物館に保存されてます)。

当時は、フィルムカメラだったため、今のデジタルカメラのように「何でも撮影できる」という訳ではありませんでした。残りのフィルムを気にしながらの撮影でした。

ちなみにフィルムはコダックが発売していたコダクロームというポジフィルムです。30年以上経過した今日でも、色が飛んでいないのは見事としか言いようがありません。コントラストが強いのはコダクロームの特長ですが、粒状性が良かったため、プロのカメラマンに愛用されていました。ただし、特殊な現像方式を採用しているため、日本では東洋現像所(後のイマジカ)だけが現像を行っていました。

今後、面白いネタが出てきたら、また「懐かしのオーストリア・シリーズ」としてご紹介しましょう。

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Comments

Feri様
いつも楽しく読ませていただいてます。普段は読み逃げなのですが、二階建てバスの懐かしさに思わず書いてしまいました。私もいつも2階の一番前に陣取っていました。もうこのバスの事を知る人も少なくなってしまいましたね。これからもウィーンの楽しいお話をよろしくお願いします。(私の個人的な趣味で、LiesingのAquäduktの話を取り上げていただけないでしょうか?coldsweats01

Posted by: おふら | May 17, 2013 at 03:40 PM

おふら様、コメント、ありがとうございます。

正直、私も写真を見つけたときは、しばらく当時の思い出に浸ってしまいました‥

それから、私たちが下車したとたん、オーストリアの少年が私たちが座っていた最前部に“待っていました”とばかりにやって来たことを思い出しました。今から考えると悪いことをしたなぁ‥という気もしますが、その少年達も今は「おじさん」でしょうね。

リクエスト、承りました。しばらくお待ちくださいませ。

Posted by: feri | May 17, 2013 at 07:53 PM

82年のウィーンの写真、とても興味深く拝見しました。
実は伊皿子坂の初ウィーンは81年夏です。その時は
南駅にもベルべデーレにも行っているのですが二階建て
バスの記憶はありません。
88年に出た田中長徳さんの写真集「ウィーン古都物語」で
13Aに二階建てバスが走っていることを知り、Alser
Straßeのペンションへの行き来に乗ったのは、90年か
91年春のこと。それからすぐに廃車になったのですね。
二階最前列の席からの眺めはけっこうスリリングでした。

Posted by: 伊皿子坂 | May 17, 2013 at 09:38 PM

懐かしく、貴重な情報を有難うございました。
ところで、13Aとか146Bなどのバスの番号についているA,Bは何をあらわすかご存知ですか。
昔から気になっていたもので、、、、

Posted by: Diana | May 18, 2013 at 10:42 AM

Diana様、コメントとご質問、ありがとうございます。

Wiener Linienでは、基本的に路面電車は番号だけ、バス路線は番号プラスAまたはBになっています。Aは「AUTOBUS」、Bは「BUS」の頭文字をとったものです。古くからのバス路線はAが多いようですね。

Posted by: feri | May 18, 2013 at 01:16 PM

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