« 臨時更新 オーストリアの洪水続報(5) | Main | フォルクスオーパー「ルーナ夫人」プルミエレポート(その1) »

June 08, 2013

フォルクスオーパー「ワーグナーのリングを一晩で」

Img_107_06_6117_001

まず、気になる方も多いと思う洪水ですが、ウィーン周辺ではドナウ川(本流)の水位も徐々に下がりつつあります。

日本は一足先にワールドカップ・ブラジル大会への出場を決めましたが、ヨーロッパは予選の真っ最中。6月7日は、ウィーンでオーストリア対スェーデン戦が行われました。結果は、2対1でオーストリアの勝利。金曜日の夜だったので、大変な盛り上がりでした。

さて、今年はワーグナーイヤーなので、各劇場ではワーグナーに関連した作品を取り上げていますが、フォルクスオーパーでは一風変わったワーグナー作品が上演されています。

一つは、以前から上演されているRobert Meyerさんの一人芝居「80分のタンホイザー」。そして、もう一つは、今シーズン限りのスペシャル「一晩でリング」です。「一晩でリング」は、ワーグナーの大作リングを一回の公演でやってしまおうというものです。早い話がダイジェスト版ですね。当然、コンサート形式のオペラですが‥ただ、単純なダイジェスト版ではなくRobert Meyerさんの語りが入っているのがミソ。

この作品ですが、Feriはてっきり今シーズンが初上演かと思っていたのですが、1992/93シーズンと翌シーズンにも上演していました(プルミエは1993年6月10日)。

基本的な構成や演出は、同時のものを基本にしているようです。ただ、20年以上前ですから、出演者はがらりと変わっていますが‥ちなみに1993年6月10日のプルミエには、若きKurt Schreibmayerさんがジークフリート役で出演しています。Kurt Schreibmayerさんのジークフリート‥どんな感じだったのでしょうね。

さて、当日の指揮はJac van Steenさん。そして、語りはRobert Meyerさん。さすがにソリストの出演者が多いこと。また、二役をやっている人もいます。

Img_107_06_6076_001

-ヴォータン/ワンダラー(Wotan/Wanderer):Alexander Traunerさん
-ローゲ(Loge):Jeffrey Treganzaさん
-アルベリヒ(Alberich):Michael Krausさん
-フリッカ(Fricka/Roßweisse):Alexandra Klooseさん
-ヴォークリンデ(Woglinde):Kristiane Kaiserさん
-ヴォルグンデ(Wellgunde):Eva Maria Riedlさん
-フロスヒルデ/シュヴェルトライテ(Floßhilde/Schwertleite):Martina Mikelićさん
-ジークムント/ジークフリート(Siegmund/Siegfried):Endrik Wottrichさん
-ジークリンデ(Sieglinde):Ursula Pfitznerさん
-ブリュンヒルデ(Brünnhilde):Irmgard Vilsmaierさん
-ヘルムヴィーゲ(Helmwige):Caroline Melzerさん
-ゲルヒルデ(Gerhilde):Cornelia Horakさん
-オルトリンデ(Ortlinde):Renate Pitscheiderさん
-ヴァルトラウテ(Waltraute):Sulie Girardiさん
-ジークルーネ(Siegrune):Dorottya Lángさん
-グリムゲルデ(Grimgerde):Adrineh Simonianさん
-ミーメ(Mime):Karl-Michael Ebnerさん
-グンター(Gunther):Alexander Traunerさん
-ハーゲン(Hagen):Petar Naydenovさん
-グートルーネ(Gutrune):Ursula Pfitznerさん

Img_107_06_6077_001

さすがにフォルクスオーパーでは珍しく開演が18時だったので、終演も遅いのかと思ったところ、21時15分‥休憩一回を挟んで3時間15分ですから、普通の公演とさほど変わりませんね。

さて、ソロ歌手の数以上に、オーケストラの人数が多いこと。まぁ、ワーグナー作品ですから当たり前なのですが、アンサンブル総動員という感じです。しかし、ハープが四弦入っているように、パートによってはアンサンブルだけでは足りないのは明白で、助っ人を呼んでいるようでした。実際、開演前に舞台上で記念撮影をしている姿もチラホラ‥

Img_107_06_6083_001

公演は前半が「ラインの黄金」と「ワルキューレ」、休憩を挟んで後半が「ジークフリート」と「神々の黄昏」という構成です。演奏に入る前にRobert Meyerさんが、まじめな顔でユーモアを交えて話の筋を説明します。その後、演奏に入る‥という展開でした。

そういう台本なのでしょうが、お客さまの興味を引くため、結構、笑いがとれる「あらすじ」になっていましたね。しかし、ワーグナーの作品で笑いが出るというのは、あまり経験がありません。

さすがに大編成のオーケストラに負けない歌手を起用しているだけあって、なかなかの迫力。お客さまの反応も上々でした。

正直、リングの四部作を通して聴くのは、なかなか大変ですから、こういうダイジェストも良いですよね。また、リングは舞台装置が抽象的なものが多いので、コンサート形式でも十分楽しめました。

なお、出番が前半だけの歌手は、後半になったらさっさと帰ってしまったようで、最後のカーテンコールには出てきませんでした。こちらでは、出番が終わったら帰ってしまうのが当たり前になっています。

余談になりますが、ワーグナー作品は、最近ではフォルクスオーパーで上演されることはありませんが、1900年代には結構、上演されていたようです。なお、最近まで上演されていたのは、ご存じ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。2006年まで上演されており、Feriも観たことがあります。フォルクスオーパーの資料によると、ワーグナー作品の通算上演回数は1905年から2006年までで、1150回にのぼるそうです。

なお、当初はFeriが観た6月2日の公演で打ち止めの予定でしたが、人気が高かったため、急きょ6月26日に追加公演が決まりました。ご覧になっていない方は、この機会にぜひどうぞ。また、6月28日には「今日のロビー‥」で「Wesendonck-Lieder und Wiegen-Lieder」が開催されることも決まりました。


※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_201105_v_02

オペラ |

« 臨時更新 オーストリアの洪水続報(5) | Main | フォルクスオーパー「ルーナ夫人」プルミエレポート(その1) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 臨時更新 オーストリアの洪水続報(5) | Main | フォルクスオーパー「ルーナ夫人」プルミエレポート(その1) »