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June 11, 2013

フォルクスオーパー「ルーナ夫人」プルミエレポート(その3)

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ウィーンは週末、晴天に恵まれましたが、気になるニュースが入ってきました。チロル方面で、集中豪雨の可能性があるそうです。

さて、今日は昨日に引き続きオペレッタ「Frau Luna」(ルーナ夫人)のプルミエレポートをお届けします。

まず、今回はオペレッタながら、ソリストは全員ワイヤレスマイクを使っていました。オーケストラの人数は比較的少ないのですが、音が大きいため、バランスをとる意味からマイクの使用に踏み切ったのかもしれません。これは、ちょっと残念。

Feriはオリジナルを観たことはないので、比較するのが難しいのですが、CDなどを聴くとジャズのリズムなどを取り入れているバージョンもあるようです。その点、今回のフォルクスオーパー版は、ベルリンオペレッタながら完全なウィーン風の味付けになっており、アメリカ音楽のリズムは全く取り入れられていません。また、マーチの旋律もウィーン風でしたね。

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さて、各歌手ですが、ルーナ夫人のJulia Kociさんは、この役にピッタリの感じ。歌、お芝居、踊りとも合格点でしょう。また、ポスターにあるような特殊メイクをしていますが、かぶり物については、写真でおわかりのように、その時々で変化していました。さすがに、あの大きな月を常時付けているのは大変でしょうから‥

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男性歌手の中で、歌が良かったのは流星王子のThomas Paulさん。今回の歌手の中では、一番良かったかもしれません。

ステラのRegula Rosinさんとプーゼバッハ夫人のIsabel Weickenさんは、熟女パワー全開‥といった感じ。ある意味、脇を固める役として存在感が抜群でした。

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マリアのJohanna Arrouasさんは、今回、出番は少なめだが、役にはピッタリな感じがします。例の金切り声も健在です。

シュテップケのDaniel Prohaskaさんは、2009/10シーズンで「小鳥売り」のアーダム役に出ていた頃に比べると、ちょっと体格が良くなった感じです。ただ、この人は、アーダムの時もそうだったのですが、声量があまりない人ですよね。Feriとしては、ちょっと物足りない感じがしました。

レマーマイヤーのAndreas DaumさんとパンネッケのCarlo Hartmannさんは、あまり歌う場面がなく、どちらかというとお芝居が中心ですが、ベテランなので安心して観ていられます。

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「ルーナ夫人」で重要な役柄となっているテオフィルにはBoris Ederさんが起用されました。Boris Ederさんは、3月に「メリーウィドウ」でRobert Meyerさんに代わりニグシュを演じていますが、その時の雰囲気のまま‥ 

Feriは、テオフィルは「ルーナ夫人」では重要な役なので、Robert Meyerさんを起用したら面白いと思ったのですが、ちょっと歌う場面が多いので、難しいかもしれませんね。逆にBoris Ederさんには、テオフィルで大きく飛躍してもらいたいと思います。とにかく一生懸命に演じている姿が印象的でした。

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オーストリアでベルリンオペレッタを上演する際、「白馬亭にて」もそうですが、ドイツ人役は、ドイツ訛りのドイツ語を話します。オーストリア人にとってドイツ訛りのドイツ語‥というのは結構難しいらしいのですが、今回、この点はうまく使い分けていたので、地元のお客さまも大喜びでした。

カーテンコールでのお客さまの反応も良かったですね。また、最近のプルミエでは珍しく、演出家に対するブーイングはありませんでした。

今回の演出は月世界が何となくオーストリア‥という感じがしないでもありません。となると第二次世界大戦の時、ドイツに併合されたオーストリア‥が浮かんできます。

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ドイツ人のPeterLundさんの演出は、政治的色彩を全面に打ち出してはいませんが、軍国主義、労働組合、共産主義など、ドイツへの揶揄がてんこ盛り。皮肉たっぷりのフォルクスオーパー版、ベルリンオペレッタに仕上がっていました。

しかし、ドイツ人の演出家がドイツへの揶揄を沢山盛り込んで、ウィーン子が喜ぶような演出をするというのは、意外な感じがしますね。なお、プルミエのお土産はCAMPARIでした。

マーチのリズムが耳に残る演目で、華やかな舞台に仕上がっていますので、皆さまもきっと楽しめると思います。ただ、来シーズンは9月中しか上演されませんので、ご覧になりたい方は、早めにどうぞ。

なお、YouTubeに「ルーナ夫人」の舞台装置を作っている動画が公開されています。

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オペレッタ |

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Comments

Feri さん、こんにちは。Steppke です。

遅くなりましたが、Frau Luna について、幾つか..
(登場人物から名前を拝借しているので、コメントしない訳にはいきません)

書かれているように、ヴィーン風のベルリン・オペレッタでしたね。Volksoper のオケは、マーチを演奏しても、どこか3拍子が忍び込む感じが笑えました。(指揮者の意図か?)
舞台装置や衣装は、最近にしてはなかなか力の入った(お金のかかった)ものだったように思います。
演出も、娯楽的な面だけでなく、ちょっと考えさせたりほろっとさせたりする味も加えて、良かったですね。
ベルリン・オペレッタ好きとしては、曲も楽しいし、何度でも行きたいところです。(2016年の来日公演に持って来てくれれば良かったのですが..)

Boris Eder さんの Theophil は、はまっていますね。何度も演じれば、こなれて力も抜けていき、当たり役になりそうです。
これまで、Die Blume von Hawaii の Kapitän Harald Stone や Wiener Blut の Josef 役で接して、良いオペレッタ歌手だと注目していました。
2つとも若い設定なので若手の有望株かと思っていましたが、冊子に素顔や略歴が載っており、芸暦の結構長い人で驚きました。

長くなりますが、この3日後、ライプツィヒでも同じ Frau Luna を観たので、少々..
場所は、中心街から少し離れた(中央駅から市電で5つ)Musikalische Komödie という劇場でした。建物は100年以上の歴史あるものでしたが、中は体育館みたいな感じで、座席も常設でないような簡単なものでした。(座り心地は悪くなかったです)
実は、ICE が事故の影響(洪水ではありません)で大迂回して3時間近く遅れた為、最初の40分くらいは観られませんでした。途中で入れてくれ、月の場面からは観られたのですが、最初のベルリンのシーンがどんなものだったのか分かりません。
観た部分では、舞台装置は最後まで同じで、奥のスクリーンに宇宙船(アイロン?を巨大化したもの)や地球が投影されたり、照明などで変化をつけてありました。
演奏は、やはりベルリン風で、マーチなどもかっちりした感じです。同様にマイクを使用していましたが、歌手の実力もなかなかです。
最後は同じ夢落ちで、ソファーで Steppke が眠っており Marie が寄り添っていましたが、背もたれの後ろには月の住人も含めて全員が勢揃いしており、Volksoper に比べて説得性に欠けました。(最初を観ていないので、どのように繋がっていたのかは分かりません)
舞台装置が簡単な分、レビューに近い印象ですが、全体としてとても楽しめる公演でした。今年6月1日の新演出で、暫くは続けられるでしょうから、こちらにも、また機会があったら是非行ってみたいところです。

Posted by: Steppke | June 29, 2013 at 08:24 AM

Steppkeさま

ベルリンオペレッタ通としてのコメント、ありがとうございます。Boris Ederさんは、「メリーウィドウ」でニグシュに挑戦させたくらいですから、ある意味、劇場側の期待も大きいのでしょう。今後、どういった役に起用されるか楽しみです。

ライプツィヒの情報、ありがとうございます。さっそくWebサイトで確認したところ、意外とオペレッタも上演しているのですね。来シーズンも「ルーナ夫人」を上演しているようなので、一度、オペレッタを見るため30年ぶりに遠征したいと思っています。

Posted by: Feri | June 29, 2013 at 10:41 AM

Feri さん、こんにちは。

10月24日に、Frau Luna に行ってきました。
2014/15シーズンの2回目で、通算14回目の公演です。私にとっても2回目でした。

昨年の新演出初日からは、題名役が Birgid Steinberger さんに、Prinz Sternschnuppe が Jörg Schneider さんに、Marie が Elvira Soukop さんに、Mars が Stefan Tanzer さんに、それぞれ代わっており、そして指揮は Lorenz C. Aichner さんでした。
脇は(Mars を除き)代わっておらず、特に Frau Pusebach の Isabel Weicken さん、Lämmermeier の Andreas Daum さん、Pannecke の Carlo Hartmann さんがしっかりと固めていました。Theophil の Boris Eder さん、Stella の Regula Rosin さんもとても良く、ご贔屓の Boris Eder さんは、更に怪演の度が進んでいたように思います。
Jörg Schneider さんは、相変わらずあの身体で軽快に動き回っておられ、初日の Thomas Paul さんよりも合っている感じです。主役の Birgid Steinberger さんは、Julia Koci さんと甲乙つけがたいといったところでした。
Elvira Soukop さんも、なかなか良かったのですが、Johanna Arrouas さんに比べると少し印象が薄いように思えました。Fritz Steppke の Daniel Prohaska さんは、前回よりもやはりこなれた感じで、歌も良く聴こえて(マイクの助けのおかげ?)なかなかだったと思います。

指揮の Lorenz C. Aichner さんはテンポ良く進められており、キビキビした感じはまさにベルリン・オペレッタでした。ヴィーン風な味付けは、薄れていたように感じます。
非常に充実した公演で、「弛み」は、今シーズン2回目の為か、特にありませんでした。

昨年の初日は平土間でしたが、今回は 1. Balkon Loge 1 だったので、舞台に近く、いろいろと見えてとても楽しめました。
やはりあの席は面白いですね。

Posted by: Steppke | November 02, 2014 at 08:27 AM

Steppkeさま、たびたびのコメント、ありがとうございます。

Jörg Schneider さんが起用されたのは良かったですね。逆に「ヴェネチアの一夜」がボロボロになってしまいましたが‥

最近の傾向から考えると「ルーナ夫人」は2015/16シーズンは外れそうな予感がするので、私も1回は見ておきたいと思っています。ただ、これからだと、ダレそうな感じが‥

Posted by: Feri | November 02, 2014 at 03:07 PM

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