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July 03, 2013

ウィーン生活 予防接種の巻

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今日はFeriのちょっと変わった体験をご紹介しましょう。題して「予防接種の巻」。

最近では、オペレッタとホイリゲに加えて、ウィーン人定番の「郊外での散歩」にもはまりつつあるFeriですが、長くウィーンで生活をしている友人から「Feriさん、安心して散歩を楽しむためにダニ媒介性脳炎(英語ではTBE、ドイツ語ではFSME:Frühsommer-Meningoenzephalitis)の予防接種を受けませんか?」というお誘いを受けました。

ハイキングが盛んなオーストリアでは、子供から大人までダニ媒介性脳炎に感染する危険性があるため、オーストリアでは保健省が予防接種を受けるように勧めているそうです。

Feriは、それまでダニ媒介性脳炎というのは知らなかったのですが、ヨーロッパからアジアまでの温帯地域で、標高1400mまでの地域で流行している病気だそうです。

ちなみに掲載したマップの真っ赤な部分が要注意地域です。「ダニ媒介性」という言葉からわかるように、マダニ科のダニは吸血の際、様々な病原体を伝播させます。その一つがダニ媒介性脳です。ちなみに、日本でも2013年に山口県で発症が確認された「重症熱性血小板減少症候群」もダニによる感染症です。

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もちろん、全てのダニが危険なウィルスのキャリアではないので、ダニに咬まれたからといってすぐ発症する訳ではないのですが、万が一‥ということもあるので、Feriも予防接種を受けることにしました(というか予防接種の仕組みに興味津々‥)。

ウィーン市内では地域の保健所をはじめ何箇所かで、FSMEの予防接種を受けることができますが、毎日実施しているのは、3区のThomas-Klestil-Platzにある予防接種センターです(TownTownという再開発地域にあります)。ここでは主にオーストリアから海外へ行く人を対象にマラリアなどの各種予防接種を行っています。

まず、予防接種センターの受付でFSMEの予防接種を受けたいと申し出ると、申込用紙を兼ねた問診票と順番待ちカードが手渡されます(住民登録している人は健康保険で予防接種の料金が割引になるので、そのカードも手渡されます)。

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申込書と問診票に記入して、待合室で待機。待合室の壁には診察室の番号と順番の番号が表示されています。自分の番が来たら、診察室へ行きます。このあたりはいずこも同じ‥ この番号が変わるときに結構、派手なチャイムが鳴ります。

診察室に入るとドクターに問診票を渡して、内容の確認に移ります。興味深かったのは、ドクターとはカウンター越しに話をすること。この方が書類とか書きやすいからでしょう。

問診票の内容についての確認が完了すると、その場でイエローカード(国際予防接種証明書)を作成します(すでにイエローカードをもっている人は、最初にドクターに提出します)。Feriを担当したドクターはFSMEの専門家だそうで、ダニの分布している地域も含めて色々と説明してくれました。ちなみに、「日本は北海道が対象だ」と力説していましたね。

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その間に看護師さんが注射の準備をしており、後はドクターが普通に注射。興味があったので、どんなワクチンを使っているのかを確認したらBaxter-Immuno 社のFSME-IMMUNでした。

その後、注意書きのシート(ドイツ語版と英語版の2種類があります)をもらって、会計へ。今回は20.5Euroでした。会計が済むとイエローカードが手渡されます。なお、予防接種による体調不良を考慮して、接種後、20分間は予防接種センター内に留まるように案内されます。

という訳で、Feriも晴れてオーストリア連邦保健省発行のイエローカードを手にすることができました。ドクターから「このカードは国際的に有効なものだから、必ず持ち歩くように」というご案内がありました。

なお、FSMEの予防接種は、初回免疫の後、1ヵ月以上3ヵ月未満に2回目の接種が必要で、それまでは不活性ワクチンの効果がないそうです。ですから、ドクターから2回目の接種が終わるまでは「ウィーンの森に入るな」ときつく注意を受けました。

さらに2回目の免疫後、9ヵ月~12ヵ月後に3回目の免疫を行うことになっています。なお、このワクチンは中部ヨーロッパ脳炎、ロシア春夏脳炎の双方に有効だそうです。

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Feriはてっきり日本でも接種できるものだろうと思っていたのですが、日本の厚労省検疫所のWebサイトで確認したところ、日本ではFSMEの不活性化ワクチンが市販されていないため、予防接種は受けることができないことがわかりました。

Feriもしばらくはワクチンの効果がないので、森林地帯に入る際にはダニに刺されないように注意が必要です。ちなみに一般的な注意としては、ダニに刺されないように、長袖・長ズボンを着用し、靴は足を完全に覆うものを履くことです(サンダルなどは危険)。

オーストリアでのFSMEに関する詳しい情報は、こちらからご覧になれます。専用のWebサイトを用意しているくらいですから、こちらでは一般的な予防接種と言えるかもしれません(もっとも、このサイトを運営しているのはワクチンを販売しているBaxter社ですが‥)。次回の予防接種時期を確認できるような仕組みも設けられており、よくできています。

昔は日本でも海外旅行に行く際は予防接種を受ける人が多かったですが、今では予防接種が必要なのはアフリカくらいですよね。


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Comments

日本でも外国人駐在員を相手にしている病院で何箇所か受けられる所があります。主に東京です。このダニのことはずっと前から知っていました。度々オーストリアに行く私は接種を希望しましたが、一回4〜5万円と聞いて諦めました。

Posted by: めい | July 06, 2013 at 10:38 AM

めい様

コメント、ありがとうございます。厚労省検疫所のWebサイトでは、「予防接種用の医薬品が日本では販売されていない」と書かれてあったので、接種している病院では、どうやって医薬品を入手しているのでしょうね。

単純に認可にはなっているが、売っていないのであれば、輸入という手もありますが‥私は、その方面は詳しくないので何とも言えませんが。

Posted by: Feri | July 06, 2013 at 12:17 PM

外国人駐在員相手で、健康保険には対応せず、
自由診療の病院なのでそのへんには縛られないのでは
ないのでしょうか?
ポリオの不活化ワクチンがまだ未認可だった時に
接種していた病院があったのと同じような
ことではないかなと思います。

Posted by: | July 08, 2013 at 05:01 PM

なるほど。今度、ちゃんと調べてみましょう。

Posted by: Feri | July 10, 2013 at 01:21 PM

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