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July 10, 2013

謎の超大型連接バス その正体は?

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今日は「懐かしのオーストリア・シリーズ」の一つとして1982年7月にウィーンの観光名所、シェーンブルン宮殿で見かけた「謎の超大型二階建て連接バス」をご紹介しましょう。

ご存じのようにシェーンブルン宮殿は、世界各国から訪れる観光客で年中、賑わっていますね。Feriも、1982年のウィーン滞在中、初めて友人と一緒にシェーンブルン宮殿へ出かけました。最高に天気が良かったのですが、如何せん、暑くてまいりました。

U4のシェーンブルン駅で下車して、徒歩で宮殿へ向かいました。通常、観光客の皆さまが利用するバスは宮殿の構内には入れず、宮殿に面した通りに止めるのが一般的です。また、地下鉄駅近くには駐車場もありますが、通常、観光客の皆さんの滞留時間は当時から短かったので、道路脇に止めているケースが多かったですね。

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さて、構内に入って、宮殿の入り口付近に来ると、何やら変わった大型バスが停車していました。お客さまは皆、降車してしまっているようで、ドライバーさんだけがバスに残っているような感じでした。

当時、日本の友人にバスが好きな方がいたので、記念に写真を数枚撮影しました。今と違って、撮影後、色々と調べる‥という余裕はなく、そのまま宮殿に庭へ回り、グロリエッテまで登っていきました。暑かったのでグロリエッテで飲んだビアの美味しかったこと。

後日、日本に帰国後、件の友人に、この写真を渡したところ、さすがに珍しいらしく、“Feriさん。これは珍しいね。救急車仕様の大型バスだよね。私も初めて見たよ”という反応でした。

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撮影した当時は、気がつかなかったのですが、言われてみれば車体のあちこちに「AUBULANCE」という表示がありました。この手のものは、1980年代は現地で見たときに調査をしないと、お手上げなのが残念なところ。

今だったら、色々と調べたと思いますが、当時は、予定が詰まっていたこともあり、そこまで気が回らず、写真だけ撮影して、シェーンブルン宮殿を後にしました。

さて、写真を見ると国籍はイギリスですが、右ハンドル仕様です。どうやら、患者さんを病院に運ぶという用途ではなく、体の不自由な方の旅行用バスではないかと思われます。

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ただ、救急車という扱いであるところから、車内には医療行為ができるような設備が装備されているのかもしれません。救急車扱いなので、大型連接バスであるにもかかわらず、屋上にはパトライト(こちらの救急車は青色灯)が6個も設置されています。

メーカーは、この手の大型バスでは有名なベルギーのメーカーVANHOOL社製です。しかし、VANHOOL社でもダブルデッカーの連接タイプというのは、一般のバスでも珍しいと思います。

さて、久しぶりに懐かしい 一連の写真」が出てきましたが、写真にはACROSSという運行を担当していると思われる組織の名称を発見。時は21世紀。インターネットという強力な武器があるので、このキーワードを参考にググってみたところ、ACROSSという組織は、現在もしっかりと活動していました。

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ACROSSのホームページを見たところ、イギリス・スコットランドのインヴェラレイ(Inveraray)にあるNPO法人で、体の不自由な方(重い病気や障害をもった方)の巡礼や旅を、所有する特注バスを使って実現する組織でした。こういった支援団体があるのは何となく理解できますが、自力で特注の車両(それも救急車扱い)を持っているところが、さすがイギリスというか‥その熱意には頭が下がります。

当然、運行乗務員の他に、牧師、医師、看護師、ヘルパーなどがボランティアでツアーに参加しており、有名なルルドなどにも巡礼で訪問しているようです。現在は残念ながら、写真の連接バスは運用されていませんが、大型バスを改造したJumbulance(ヨハネ・パウロⅡ世号)という車両が長距離旅行に用いられているようです(こちらもVANHOOL社製)。

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車内の写真は、現在の車両のものですが、通常の救急車と同じ仕様の寝台(今のものは二段式になるようです)が設けられているほか、ミニキッチンや医療設備、身障者用トイレ、油圧リフトなどを備えています。正に万全の体制ですね。

通常の観光バス以上に安全性には考慮されているようで、ドライバーは4時間毎に交代するシステムになっているようです。ただ、営利団体ではないので、頻繁に巡礼やツアーを行っている訳ではないようです。これはやむを得ないですよね。

ACROSSのホームページには巡礼やツアーの写真が掲載されていますが、参加者と同じ人数のボランティアスタッフが同行していることがわかります。というのは、バスを降りてからの移動も車いすに加えて、ストレッチャーも使うようですから‥

1983年7月の記録は残念ながら見つかりませんでしたが、巡礼の途中でウィーンに立ち寄ったのか、それとも観光だったのかはわかりませんでした。しかし、こういった特殊車両をNPOがしつらえて、体の不自由な方々を巡礼にお連れするという活動が、30年以上前から行われていたのは、正直、驚かされました。

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