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September 01, 2013

久しぶりにシュネーベルクバーンを訪ねて

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早いもので、今日から9月になりましたね。オペレッタ・オペラの新シーズンも、まもなく開幕。ウィーンも賑やかになります。

さて、9月最初の話題は、ウィーンからほど近い登山鉄道「シュネーベルクバーンの話題」をお届けしましょう。

ニーダーエスターライヒ州にあるシュネーベルク(Schneeberg)には、昔からラック式の登山鉄道が運転されています。シュネーベルク=雪山ですね。ウィーンから近いリゾート地として、昔から人気のあるエリアです。

Feriは2000年8月に訪問したのが最後なので、13年ぶり‥ということになります。実は、なぜ行かなくなったかというと、蒸気機関車が事実上、引退してしまったからなのです。

このシュネーベルクバーンは、ウィーンから日帰りでも訪問可能な地域にもかかわらず、1999年まで全列車が蒸気機関車で運転されていました。歯車を使うラック式の蒸気機関車は珍しいため、鉄道ファンにも人気がありました。

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シュネーベルクバーンの歴史は古く、1872年に最初の計画が立案され、1895年に着工。1897年9月に全線が開業しました。当初は私鉄でしたが、その後、連邦鉄道に移管され、1996年までÖBB(オーストリア国鉄)が運行していました。

しかし、1997年1月にÖBBからNiederösterreichische Verkehrsorganisations Ges.m.b.H. (NÖVOG)へ移管され、1997年9月8日に開業100周年を迎えました(運行はニーダーエスターライヒ州立シュネーベルク鉄道 Niederösterreichischen Schneebergbahn GmbH :NÖSBBが行っています)。何と100年間、専用の蒸気機関車を現役で使い続けたという由緒ある鉄道です。

シュネーベルクバーンの路線長は9.85キロですが、麓のプッフベルク駅(Puchberg)の標高は577メートルなのに対し、山頂駅(Hochschneeberg)の標高1795メートル。つまり、標高差1218メートルという急勾配の路線です。ちなみに最急勾配は197‰(1000メートルで197メートル登ります)で、全路線の20%が、この勾配だそうです。

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途中にはHengsttal、Hengsthütte、Baumgartnerという三つの駅が設置されています。余談になりますが、以前、このブログでもご紹介したシュネーベルクバーン名物「雪山パン」はBaumgartnerに併設されているCaféで、現在も好評発売中です(詳しくはこちらから)。山頂には有名なElisabeth Kircherlがあります。なお、山頂駅(Hochschneeberg)はオーストリアで最も高いところにある鉄道駅です。

長らく特徴のある小型蒸気機関車で運転されていたシュネーベルクバーンですが、ここで問題になったのは機関車の老朽化です。何しろ100年選手ですからね。

ザルツカンマーグートのシャーフベルクバーン(こちらは1893年開通)は、スイス製の新型蒸気機関車を導入し、現在も蒸気機関車による運転を続けていますが、シュネーベルクバーンは1999年にサラマンダー(Triebwagenzug)という愛称のディーゼル列車を導入しました。ちなみに右の写真は2000年8月に撮影した運転開始直後のサラマンダー君です。

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最終的に3編成のサラマンダーが投入され、蒸気機関車は姿を消しました。しかし、さすがに人気のある蒸気機関車を全廃することには抵抗があったのか、現在でも運転日限定の特別列車(Nostalgie-Dampfzug 、1日1往復、片道80分)として残しています。

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実は、蒸気機関車の引退もさることながら、個人的には「サラマンダー」なるディーゼル列車が余りにも、ひどいデザインで、Feriの触手が動かなくなった‥というのが実態です。

シャーフベルクバーンにもディーゼルカーはいますが、あちらの方が導入時期が古いだけに、まともな形をしています。

「サラマンダー」ですが、ディーゼルカーではなく、山麓寄り(プッフベルク側)にディーゼル機関車があり、客車を押し上げるというスタイルです。客車は中間車と先頭車の2両です。

3両編成での長さは30メートル、総重量42トン弱、定員は119名となっています。歯車を使ったラック式鉄道なので、最高速度は15km/hと控えめですが、途中駅での給水が必要ないため、山頂駅までの所要時間は42分ほどです(山麓へ戻る下り列車は30分)。

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13年ぶりに訪問したのは、当初、ニーダーエスターライヒ州の友人宅を訪問する予定だったのですが、友人が急用で不在になり、予定変更を余儀なくされたためです。

車両は2000年に訪問した時と、ほとんど変わりませんが、チケットの発券をはじめとする運行システムが一新されていました。チケットカウンターはオープンカウンターに変わり、モニターに当日の空席情報が表示されるようになりました。さらにインターネットを使ったオンラインチケット販売も開始しています。

また、入り口は自動改札(例のバーが回るヤツ)です。そして、サラマンダーをモチーフにしたグッズも大量に開発され、チケット売場で販売されるようになりました。まぁ、サラマンダー君ものなので、Feriの物欲はそそりませんが‥なお、蒸気機関車の写真をラベルに貼った開業115周年記念ワイン(左の写真)も販売されています。

今回は、列車に乗って山頂までは行かなかったのですが、従来は小さな駅舎しかなかった山頂駅は完全に屋根のある大きな駅に改築されています(2009年7月から使用開始)。

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実はシュネーベルクは、夏でも天候が悪くなると山頂は気温が急激に気温が低下するため、避難場所が必要でした(山麓は30度以上の気温でも、山頂は天候が悪化するとあっという間に10度以下になります。これ本当です)。従来はヒュッテが唯一の避難場所だったのですが、お客さまが増えたため、車両の格納も可能な巨大な駅設備を作ったようです。また、中間駅も改築されたところがあるようです。

実は、このようなプロジェクトが盛んになったのは、シェーネベルクをリゾート地として再度、売り込みを図ろうというニーダーエスターライヒ州をあげての計画に則ったものようです(何しろオーストリア最古の観光地。現在では、この周辺を「WienerAlpen」として売り出し中です)。

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ÖBBから分離し、事実上、ニーダーエスターライヒ州が鉄道を運営していますから、こういった大胆な改革が実現したのでしょう。

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さて、今ひとつ写欲がわかないサラマンダー君ですが、13年ぶりに見ると、山頂側に何やら奇妙な小型車が付いているではありませんか。最初は何かわからなかったのですが、横のドアが開くようになっており、どうやら山頂へ荷物を運ぶ荷物車のようです。

以前は、専用の無がい車で食材や荷物を山頂のヒュッテなどに運んでいたのですが、効率化のために定期列車で一緒に運ぼうと考えたのでしょう。左の写真は山頂へ向かう業務用食料品群です。

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こちらでは、この荷物車を公式に「サラマンダーの赤ちゃん」(Salamander-Baby)と呼ばれており、2005年5月に導入されたことがわかりました(車体の前面にSalamander-Babyと書かれています)。なるほど、赤ちゃんねぇ‥言われてみれば、そんな感じですが‥

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プッフベルクの駅舎や駅のレストランは昔の面影を残していますが、Wr.Neustadtとプッフベルクを結ぶÖBBのディーゼルカーは、エアコンが付いた低床式の新型に変わっていました。まぁ、13年も経過すれば当たり前かもしれませんが‥

最後の写真は、シュネーベルバーン100周年を記念して発売された蒸気機関車と歯車をモチーフにしたキーホルダーです。

しかし、プッフベルクへ至る道路沿いや周辺は、山の形も含めてほとんど13年前と変わっていませんでした。このギャップがオーストリアらしいところかもしれません。


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Comments

こんにちは、懐かしいですね。
私も20数年前はこの山の麓と言ってもいい町に住んでましたので、ここはよく行きました。
確かに蒸気機関車でなくなってからはつまらない感がありますね。

でも、避難場所が増えたのは朗報です。
あそこは寒くなる時が多いので、何度か大変な目にあいました。

素敵な写真をありがとうございます。

Posted by: Kino_San | September 01, 2013 12:32

Kino_Sanさま、コメント、ありがとうございます。

山頂にはかなり立派な駅ができたようです。今回、時間がなかったので登りませんでしたが‥

私も、その昔、夏に山頂に登ってから悪天候になり、震えた経験があります‥

Posted by: Feri | September 02, 2013 12:55

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