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October 26, 2013

85周年を迎えたLiliputBahn

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日本では、今週末、台風27号が接近するようですが、皆さまがお住まいの地域はいかがでしょうか。しかし、10月下旬に台風が日本本土に襲来‥以前では考えられませんでしたね。

さて、今日は「遊園地のプラーター」の話題をお届けしましょう。

プラーターの名物と言えば、駅からも見える大観覧車ですが、もう一つ、古くから営業しているアトラクションがあります。それがLiliputBahn。1928年5月1日にオープンしたので、今年で開業85周年を迎えました。

「遊園地の子供列車」というイメージがありますが、大人も楽しめるミニ鉄道です。線路の幅(ゲージ)は15インチ(381ミリ)と狭いのですが、路線の長さは3.95キロメートルもあります。

Prater Hauputbahnhof、Schweizerhaus Luftburg、Stadion、Rotundeという駅があり、一周の所要時間は20分ほどです。

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単線の環状線ですが、PraterとStadion付近以外は、線路が接近しているため、一見すると複線のような感じです。昔は通年運転だったのですが、現在は冬期間(12月~2月)は運休になりました。

LiliputBahnの列車は機関車が客車を引く方式で、開業当初は当たり前ですが、2両の蒸気機関車だけが使用されていました。

Da1:愛称「Brigitte」(黒と緑、製造番号8441)
Da2:愛称「Grete」(黒と赤、製造番号8442)

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この2両の蒸気機関車は、開業した1928年にドイツにある鉄道車両メーカー・クラウスで製造された由緒あるものです。車輪配置は先輪2軸、動輪3軸、従輪1軸(4-6-2、通称:パシフィック)です。さすがに85年も使っているので、蒸気機関車の運転は祝休日やイベントの時に限定されています。今回、掲載した写真はDa1です。また、右の写真はプラーターの大観覧車乗り場に展示されていた開業当時の貴重な写真です。

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現在、主力として活躍しているディーゼル機関車は、以下の4両が在籍しています。

D1:1957年製
D2:1961年製(蒸気機関車の足回りを流用して製造)
D3:1964年製(現在はMannerカラー)
D4:1967年製

ディーゼル機関車は、いずれもオーストリア国内のメーカーで製造されていますが、車輪配置は4両とも異なります。左の写真MannerカラーのD3です。

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さて、興味深いのはD2というディーゼル機関車です。実は1933年に路線が延長され、今の形になった際、需要増を見込んで3両目の蒸気機関車がクラウスに発注されました。

ところが、思った程、利用するお客さまが増えなかったため、キャンセルになってしまいました。しかし、メーカーのクラウスでは、既に製造を始めており、足回りやボイラーなどは完成していたそうです。特殊仕様の機関車なので、他へ転売することもできず、しばらくクラウスが保管していました。

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第二次世界大戦後、ウィーンの復興も順調に進み、レジャー需要が増えたことから、製造途中だった蒸気機関車の部品を転用してディーゼル機関車を作ることになり、生まれたのがD2なのです。なお、ボイラーについては、プラーター内に静態保存されています。

右の赤いディーゼル機関車がD2ですが、写真をよくご覧になるとおわかりのように、足回りは蒸気機関車のように車輪がロッドでつながっています。車輪配置の関係なのか、車体も何となく蒸気機関車の面影がありますね。

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正直なところ、蒸気機関車については本線用の機関車をスケールダウンした形なので、美しいプロポーションを誇っていますが、ディーゼル機関車に関しては、運転士さんが運転台に収まるフルスケール仕様です。幅に対して、高さがある独特のスタイルです。

さて、85周年を迎えたLiliputBahnですが、最近では環境への取り組みも積極的に行っています。まず、ディーゼル機関車に使用する燃料が、2008年から再生ディーゼル燃料に切り替えられました。現在ではプラーター内のレストランから出る調理用植物油を再生した燃料を使っているそうです。燃料の地産地消ですね。

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そして、もう一つは、新しい機関車の投入です。現在、計画されているのはLiliputBahn初の電気機関車で、どうもバッテリーで駆動する方式のようです。

ご存じのようにオーストリアでは、現在、風力発電や太陽光発電に代表される再生可能エネルギーにシフトする政策を進めており、その流れに沿ったものになるようです。ただ、発表されている完成予想図を見ると、ちょっと格好がねぇ‥ 

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ところでLiliputbahnには、Donauparkbahnという姉妹鉄道があります。こちらはドナウタワーが建っているドナウパーク内にありますが、1964年にウィーン国際ガーデンショーのために建設されました。来年が開業50周年ですね。

路線の長さは3.4キロメートルで、Donau-City、Rosenschau 、Donauturm という3つの駅が設けられています。単線の環状線で、右回りに運行されています。

ただし、機関車は全てディーゼル機関車(D1~D3の3両)です。Liliputbahnより知名度は低いようですが、途中、28‰の勾配区間がある楽しいミニ鉄道です。皆さまもお時間があったらDonauparkbahnにもお出かけになったらいかがでしょうか。

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