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December 15, 2013

フォルクスオーパー「ヴェネチアの一夜」プルミエレポート(その1)

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12月14日、フォルクスオーパーで2013/14シーズンのオペレッタ・プルミエ「ヴェネチアの一夜」が上演されました。

以前は12月にオペレッタのプルミエが上演されることが多かったのですが、最近はご無沙汰‥ 12月のオペレッタ・プルミエは2008年の「愉快なニーベルンゲン」以来です。

ところでヨハン・シュトラウス作曲のオペレッタ「ヴェネチアの一夜」は、このブログをはじめた頃、前演出版をご紹介したことがありますが、「ショッピングセンターが舞台」という、近代演出で、Feriも度肝を抜かれました。

この時の舞台監督はMichael Sturmingerさん、舞台装置がRenate MartinさんとAndreas Donhauserさん、脚本がBirgit Meyerさんが担当していました。

また、デラクアにHarald Serafinさん、ウルビノ公爵にSebastian Reinthalterさん、アンニーナにAkiko Nakazimaさん、ジョルジオ・テスタッチョにSándor Némethさんが起用されていました。懐かしいですね。今から振り返ってみると、結構、良いキャスティングだったと思うのですが、如何せん、演出が‥

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さて、今回の新演出ですが、
-脚本・演出・衣装:Hinrich Horstkotteさん
-台本:Helene Sommerさん
-合唱指揮:Holger Kristenさん
となっています。

今回、脚本・演出・衣装を担当したHinrich Horstkotteさんは、「マダム・ポンパドール」を担当した方です。「マダム・ポンパドール」は巨大な女性の大道具が印象的でしたが、今回はどんな案配でしょうか。

指揮は「シュトラウスものならばおまかせ」といった感のあるAlfred Eschwéさん。プルミエの主なキャストは、以下のとおりです。

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-ウルビノ公爵:Vincent Schirrmacherさん
-ヴェネチア元老院議員デラクア:Wolfgang Hübschさん
-ヴェネチア元老院議員バルバルッチョ:Gerhard Ernstさん
-ヴェネチア元老院議員ジョルジオ・テスタッチョ:Franz Suhradaさん
-バルバラ:Sera Göschさん
-バルバルッチョの妻アグリコラ:Regula Rosinさん(前演出にも同じ役で起用されています)
-テツタッチョの妻コンスタンシア: Susanne Litschauerさん(前演出にも同じ役で起用されています)
-アンニーナ:Mara Mastalirさん
-理髪師カラメッロ:Jörg Schneiderさん
-パスタ料理人パパコーダ:Michael Havlicekさん
-チボレッタJohanna Arrouasさん
-エンリコ・ピセッリ:Martin Fischerauerさん

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なお、ウルビノ公爵、バルバラ、アグリコラ、アンニーナ、カラメッロ、パパコーダはダブルキャストになっています。

ちなみに「ヴェネチアの一夜」はウィーンではなく、ベルリンで1883年に初演されています。当時、ヨハン・シュトラウスがウィーンの劇場と仲が悪かったため、初演の場所をベルリンに変えたという話です。

当時、ドイツではワーグナー全盛時代。前年の1882年には「パルジファル」が初演を迎えています。ある意味、ドイツでワーグナーと張り合ったオペレッタということができるのかもしれません。

ベルリンの初演は今ひとつの評価でしたが、その後、ウィーンに戻り、手を加えて上演された作品が好評を博した‥というエピソードがあります。今回の演出でも、ちょっとだけワーグナーが登場する場面があるのは、こういった背景があるからなのでしょう。

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結論からお伝えすると、Feri個人の見解ですが、最近のヨハン・シュトラウスものの新演出では、なかなか良くできた作品だと思います。Feriとしては「ウィーン気質」も面白かったですが、それよりも良くできていると思います。

舞台装置ですが、珍しく回り舞台を使わず、吊しものを活用したパターンでした。また、オペレッタにしては、比較的オーソドックスな舞台デザインで、Feri好みの仕上がりでした。

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今回、事前に公開されているポスターなどでは、衣装が近代演出風で心配だったのですが、当時の雰囲気を再現したオーソドックスなもので、こちらも一安心。

衣装デザインが美しく、色使いも良かったですね。元老院議員の靴は、高下駄のような特殊な靴を準備するなど、意外と芸が細かいのが特長。このほか、元老院議員の妻の衣装を見ていると、頭の上に船が乗っていたりして、「マダム・ポンパドール」の衣装と一脈通じるものがります。

少なくとも、当時のヴェネチアをイメージした舞台装置と衣装で安心しました。では、お話の筋に沿って、内容をご紹介しましょう。

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1幕は「ヴェネチアの街角」です。

後ろが海、手前が運河という想定になっており、向かって左側にデラクア議員の屋敷があるという設定です。そのためオーケストラピットにもゴンドラの係留ポールや標識、海鳥などが配置されています。

舞台後ろの海は吊しもので、波の動きも表現しています。時々、海の上をゴンドラだけでなく、変なものが通過します。お見逃しないように‥

今日はカーニバル最後の日。好色なウルビノ公爵がヴェネチアを視察に来るというので、街の人々は頭を抱え込んでます。公爵は、女と見れば見境なく口説くので有名‥ 

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デラクア議員は、評判の美人の妻バルバラが公爵の餌食にあっては大変‥とバルバラをムラーノ島に避難させることにします。しかし、デラクアは、公爵の機嫌を取り持ち、点数を稼がねばなりません。

そこで、元老院議員のバルバルッチョやジョルジオ・テスタッチョと相談して、デラクア邸の侍女チボレッタを妻バルバラとして偽り、公爵に引き合わせようと考えます。

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ところが当のバルバラは、甥の海軍士官エンリコとあやしい関係です。広場で屋台を営業しているパスタ料理人のパパコーダは、チップをもらって2人の間を取りもつことに‥ちなみにパパコーダの衣装は、パスタがぶら下がったような面白いデザインです。こちらもご注目。

このパパコーダはチボレッタと恋仲です。そこへバルバラの妹で漁師の娘アンニーナが、ゴンドラに乗ってデラクアの誕生日ディナーの魚を届けにやってきます。

芸が細かく、後ろ側の海をアンニーナが乗った模型のゴンドラが通過してから、舞台に登場します。ちなみにアンニーナの衣装は魚の鱗をイメージした衣装で、髪飾りはカニです。彼女はバルバラの妹なので、夫人とエンリコの仲も当然、知っています。

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そこへ、バルバラが外出先から帰ってきます。さっそくパパコーダは、バルバラに「今日の夜9時に待ち合わせをしよう」というエンリコからの伝言を伝えます。そこで、エンリコの伝言を聞いたバルバラは、今晩、アンニーナに自分の身代わりになってくれるように依頼します。

続いて公爵お抱えの理髪師カラメッロが到着。自慢の腕を町の人に披露します。実はカラメッロは、漁師の娘アンニーナと恋仲です。

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カラメッロはパパコーダから、デラクラが妻のバルバラをムラーノ島にゴンドラで避難させる計画を聞き、自分が船頭になりすまして、バルバラを公爵の宮殿に連れて行く計画を立てます。

そして、カラメッロはヴェネチアの住民を皆を舞踏会に招待します。この時、配るチケットが現在のフォルクスオーパーのチケットです。

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今回のお芝居の中心人物であるウルビノ公爵が、立派なゴンドラで登場。登場のアリアを歌っている時、背景にご注目。海上を白鳥に引かれたゴンドラにのってワーグナーが通過します。

今回、なぜか、美味しいアリアの時に、背景に変なものが出てくるという演出がお茶目です。

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バルバラは、妹のアンニーナと服を取り替えてエンリコとの密会に備えます。ゴンドラの船頭になりすましたカラメッロは、仮面をつけたアンニーナをバルバラと思い込みムラーノ島ではなく、公爵邸の舞踏会へ連れていくのでした。

エンリコは、バルバラを連れ出すため、街の住人を集めてデラクラの誕生日を祝う演奏会を広場で開催します。この騒ぎに紛れて、バルバラはエンリコと一緒にいずこへ‥

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そして、身代わりになるチボレッタが心配なパパコーダは、チボレッタが準備した衣装で元老院議員になりすまします。デラクラもチボレッタ扮する偽バルバラを連れて、公爵邸へ向かうのでした。ここまで1時間10分。テンポの良い展開です。ここで休憩が入ります。

今回も長くなってしまったので、続きは明日、お届けします notes

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