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December 17, 2013

フォルクスオーパー「ヴェネチアの一夜」プルミエレポート(その3)

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今日は、フォルクスオーパー「ヴェネチアの一夜」プルミエレポート(その3)として、「出演者の皆さまに関する感想」などをお届けします。

まず、今回、キャスティングが的確だった気がします。本来、主役はウルビノ公爵になるのですが、実際、全体を通じて存在感があったのは、理髪師カラメッロのJörg Schneiderさんです。

この人は、歌もうまいですが、巨体を生かしたユーモラスな演技(というかお茶目な演技)が印象的。しかし、単におちゃらけているだけではなく、決めるところはピシッと決める歌役者さんなので、今回のカラメッロの役にはピッタリという感じがしました。

特に3幕、アンニーナを思うアリアは聴かせましたね。個人的にはオペレッタの場合、こういった「おデブキャラ」がキーマンになることがあります。

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続いて、ウルビノ公爵のVincent Schirrmacherさんは、メイクと衣装の関係でいつもと「こうもり」のアルフレートや、「メリーウィドウ」のカミーユ・ド・ロションとはかなり違った雰囲気です。

特に青いサングラスをかけて出てくるので「中国マフィアの親分」といった趣です。公演プログラムの舞台写真では、青いサングラスをかけていない場面もあるのですが、最終的には常時、かけていたようです。

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「女性にやたらと目のない下品なオヤジ」を演じるのかと思っていましたが、元老院夫人連中にたじたじにされるなど、やや気の毒な役設定になっていました。

例によって声を張り上げて歌うところは、いつも通りですなので、お客さまの人気も上々。ただ、Feri個人としては、もう少しメリハリを付けて歌った方が、より強く印象に残るとは思いますが‥

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パスタ調理人パパコーダのMichael Havlicekさんは、2010/11シーズンに「微笑みの国」のグスタフでデビューしたウィーン出身の歌手。その後、「メリーウィドウ」のカスカーダ子爵、「ワルツの夢」のモンチ中尉などに起用されています。細身の方ですが、声もしっかり出ており、今回はオペレッタで大切なお芝居もこなれてきた感じです。コミカルなパスタ調理人の役を、うまく演じていました。

女性陣では、バルバラのSera Göschさんは、1幕とフィナーレしか出番がありませんが、「密猟者」のベルタ、「ヘンゼルとグレーテル」の“霧の精”などに起用されている歌手です。Feriが観た範囲では、オペレッタでは初起用ですが、1幕のお芝居はなかなか良かったですね。

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女性陣の主役であるアンニーナのMara Mastalirさんは、「メリーウィドウ」のヴェランシェンヌ、「ワルツの夢」のヘレネ姫、「リゴレット」のチェプラーノ伯爵夫人など、オペレッタにも起用されている歌って踊れる歌役者さんです。

今回、踊る場面は少ないですが、カラメッロやウルビノ公爵といった男を手玉にとる演技は見事でした。また、1幕で漁師の娘として登場する場面のアリアをはじめ、今回はアリアも良かったですね。

今後、期待できる歌役者さんという気がします。バルバラのSera Göschさんと背格好も似ているので、入れ替わっても違和感が少ないのも特長です。

チボレッタのJohanna Arrouasさんは、いつも通りのチャキチャキ娘ぶりを発揮。恋人役のパパコーダのMichael Havlicekさんとのコンビネーションも良かったです。正に適材適所‥といった感じです。

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ヴェネチア元老院議員デラクアのWolfgang Hübschさん、バルバルッチョのGerhard Ernstさん、ジョルジオ・テスタッチョのFranz Suhradaさんは、変わったヘアスタイルで登場します。

歌う場面はほとんどなく、お芝居が中心。余談ですが、デラックワは「たわいない男」、バルバルッチョは「小さな野蛮人」、テスタッチョは「まぬけ者」といった意味があるようですね。

そんなことを踏まえたヘアスタイルなのでしょうかね。変わった格好なので、舞台では目立つこと‥お芝居も、各自の個性を生かしたもので、ベテランらしく舞台を締めていました。

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今回の演出では、最近のフォルクスオーパーのオペレッタでは珍しく、単独のバレエシーンがありません。2幕で人魚姫を登場させたのは、バレエ団へのサービスかもしれません(人魚姫はカーテンコールでも宙づりになった状態で登場します)。

また、合唱団は伝統的なヴェネチアのマスクを付けて登場する場面が多く、カーニバルの雰囲気を出していました。このあたり、予算を抑えながら、ヴェネチアのカーニバルをイメージさせることに成功しているように思います。

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今回の演出ですが、お芝居の中身がしっかりと構成されているため、筋に無理がありません。役の動きに必然性がある‥という訳です。

また、演奏に関しては、さすがにフォルクスオーパーと言うべきか、シュトラウスもの独特の小節を見事に再現していました。もちろん、これは指揮のAlfred Eschwéさんによるところも大きいとは思いますが、やはり弾き慣れているというのは、違うのでしょうね。

一方、お芝居の本筋とは関係なく、背景にワーグナーや潜水士、人魚姫、サメ、泳ぐ男性、潜水艦、豪華客船など色々なものが登場しますが、これは人によって好みが分かれるかもしれません。Feri個人としては、宝探し的な楽しみもあるので、好きですが‥

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また、フォルクスオーパーの舞台が狭いにもかかわらず、色々なものが出てくるのは、ゴチャゴチャしているような感じになるのですが、あえてこれはカーニバルの雑踏を再現しようと考えているような気もします。実際、生で観た感じでは、ゴチャゴチャし過ぎているという印象はありません。

さて、今回の「ヴェネチアの一夜」ですが、フォルクスオーパーらしい、美しく楽しいオペレッタに仕上がっていたと思います。是非、皆さまも劇場でご覧ください。

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気になるのはダブルキャストの皆さんです。ウルビノ公爵にはThomas Paulさん、カラメッロにはAlexander Pinderakさん、パパコーダにはRoman Martinさん、アンニーナにはAnita Götzさん、チボレッタにはClaudia Goeblさん、それぞれ予定されています。もし、セカンドクルーの回を観るチャンスがあったら、また、歌手の違いをご紹介しましょう。プルミエレポートは、今回をもって終了です。3日間、お付き合い頂き、ありがとうございました。

なお、プルミエのお土産は、予想通りCAMPARIでしたが、今回はORANGE PASSIONが1本ずつ提供されました。

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