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January 24, 2014

ゲネプロ、有料ゲネプロ、事前公演、事前プルミエ さて、その違いは?

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今日は「フォルクスオーパーの話題」をお届けしましょう。

フォルクスオーパーに限らず、国立歌劇場でも毎シーズン、プルミエ(新演出の初演)公演が必ず設定されていますよね。

フォルクスオーパーの場合、2013/14シーズン、オペレッタは「ヴェネチアの一夜」と「伯爵令嬢マリッツア」が新演出で上演されます。

ところで、音楽ファンの皆さまは、プルミエの前にゲネプロ(ドイツ語のゲネラルプローベ「Generalprobe」の略)という舞台総稽古が行われるのはご存じだと思います。オーストリアも日本と同じく、単語を短縮するのが好きですが、Generalprobeと言わないと通じません。

このゲネプロは、広く一般には公開されず、劇場関係者経由でチケットを入手した人だけが入場できるものです。そのため、チケットは無料で、券面にも0Euroと印刷されています。ちなみに国立歌劇場では、現在も「この方式」です。

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フォルクスオーパーのゲネプロは、通常、Parkett(平土間)中央に照明や音響のコンソールを仮設し、スタッフが、ここで機器を操作をしながら上演されます。また、Parkettの前列はプレス用カメラマン席になります。写真撮影があるため舞台上の出演者は、正規公演と同じ衣装を身につけていますが、オーケストラに関しては、指揮者も含めて私服です。

また、ゲネプロの場合、カーテンコールを行わないのが一般的ですが、最近はカーテンコールが入るようになりました。ちなみに「ヴェネチアの一夜」では、通常公演どおりカーテンコールがあったのですが、舞台上に上がった指揮者のAlfred Eschwéさんだけが私服だったので、浮いていましたが‥

フォルクスオーパーのゲネプロですが、場合によっては、一般観覧者はBalkonやGalerie、Logenだけというケースもありました。また、正規のプログラムは販売されず、ゲネプロ専用のプログラム(ドイツ語版のあらすじと出演者が掲載された簡易なもの)が有料で用意されています。

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フォルクスオーパーの場合、ゲネプロはプルミエの3日前の昼間(11時開演)に開催されるのが標準。なお、ゲネプロは昼間に行われるため、「夜の部」は通常の公演が行われます。

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Feriも、友人に手を回してもらって2006/07シーズンの「クーハンデル」(トップの写真は、ゲネプロ専用プログラム)、2007/08シーズンの「微笑みの国」、2008/09シーズンの「愉快なニーベルンゲン」はゲネプロに潜入することができました。席はLogenが多かったですね。お世話になった皆さまに感謝。

ところが、Feriが知っている範囲では、オペレッタに関しては2009/10シーズンの「小鳥売り」が、一般公開のゲネプロではなく、「事前公演」(Voraufführung)というスタイルに変更されました。事前公演については、以前もブログでご紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。

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ただ、このシーズン、もう一つのオペレッタ「ハワイの花」、オペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」に関しては、従来と同じ方式でゲネプロが実施されています。

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事前公演ですが、従来のゲネプロと異なり、通常の公演と全く同じスタイルで上演されており、開演時間も標準的な19時です。ということは、本来のゲネプロは、完全非公開で、どこかで行っているということでしょう。

事前公演ではプログラムなども正規のものが販売されていましたが、事前公演は公演回数に含まれない取扱いなので、プルミエが1回目となります(出演者リストには回数の記述はなくVoraufführungと書かれています)。

また、お値段も一つ下の料金カテゴリーが設定されていました。具体的には、通常、オペレッタの料金カテゴリーはAですが、事前公演の場合はBでした。

結局、フォルクスオーパーでは、2010/11シーズンから、オペレッタに関しては観客を入れてのゲネプロがなくなり、事前公演方式に変更されたようです。ちなみに左の写真は「メリーウィドウ」の事前公演の出演者リストです。

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ところで、2010年3月12日に上演された「チャールダーシュの女王」はプルミエではないのですが、再演初日の公演は「Neueinstudierung」という変わった位置づけでした。日本語では「改訂公演」といったところでしょうか。

そのため、3月9日には事前公演が行われています。この時は、正式なプログラムが間に合わなかったようで、ゲネプロと同じ仕様のプログラムが販売されていますが、チケットは正式公演と同じ料金カテゴリー。

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これは例外中の例外と言えるでしょう。左の写真が「チャールダーシュの女王」事前公演のプログラムです。お値段は80centです。

ちなみに、Feriが事前公演方式で観たオペレッタは2009/10シーズンの「小鳥売り」、2010/11シーズンの「メリーウィドウ」と「チャールダーシュの女王」、2011/12シーズンの「マダム・ポンパドール」、2012/13シーズンの「ワルツの夢」、「ルーナ夫人」です。

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ところで、2013年6月6日の「ルーナ夫人」の事前公演については、チケットの券面と出演者リストには「Voraufführung」ではなく、「VORPREMIER」と書かれていました。この頃から、方針変更があったのでしょうかね。

ただ、公演内容は事前公演も事前プルミエも全く同じ(チケットの値段も一つ下の料金カテゴリーでした)。まぁ、イメージとしては事前プルミエの方が良い‥ということでしょか。

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さて、2013/14シーズンから、オペレッタに関しては事前公演方式が、「有料ゲネプロ方式」に変更されました。お値段は全席7Euroの均一料金です。公演そのものは、以前のゲネプロと全く一緒で、開演時間も11時。

客席でもParkettの中央に照明や音響のコンソールを仮設される他、Parkettの前列はプレス用のカメラマン席です。また、プログラムも従来のゲネプロ専用のものに戻りました。

Feriは、2013/14シーズンの「ヴェネチアの一夜」(12月12日)で始めて、有料ゲネプロを体験しました。ちなみに、この日の「夜の部」は「こうもり」というオペレッタファンのFeriにとっては、たまらない1日になりました。オペレッタのダブルヘッダーですからね。なお、最後の写真が「有料ゲネプロのチケット」です。

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この「有料ゲネプロ」は、通常公演と同じく国立劇場連盟ブッキングオフィスやフォルクスオーパーの窓口、インターネットのCULTURALL経由でもチケットを買うことができます。

とにかく7Euroでフルの公演を観ることができるとあって、時間的に余裕のあるご年配のお客さまで大人気。正式公演の1/10のお値段で、新作オペレッタが楽しめるのですから、当然と言えば当然です。

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2013/14シーズンに関しては、Feriが最も注目している「伯爵令嬢マリッツア」も3月20日に有料ゲネプロが行われる予定です。

さて、ここで疑問。関係者に公開されていたゲネプロがなくなり、なぜ事前公演になったのだろうか‥ということです。考えられるのは、事前公演にすれば、その分、劇場収入が増えるという理屈です。

ところが、それが有料とは言え、ゲネプロ方式に戻った理由が、今ひとつ、はっきりしません。ファンサービスという訳でもないような気がするのですが‥


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Comments

Feri様、
『ヴェネチアの一夜』、ゲネプロに行くつもりだったんです!7ユーロだし。でもプルミエは観劇しました。
当時私の住んでいた場所の歩いて1分くらいの所に、Volksoper probebuehneがありまして、夕方くらいから
電気煌々とつけて外から丸見え状態で御稽古してるのを
『ちら見』出来たのです。。まるで体育館のような縦に大きい窓が並んでて、カーテンも閉めずに御稽古しちゃうんですね。日本じゃ考えられないことですよね。
いつぞやはやぐらのようなものが建てられ、その上に仕掛け椅子のような安楽椅子が設置してあり、『Sweeney Todd』の御稽古するSapiaを見てしまいました!きゃっ!
3月の『伯爵令嬢マリツァ』、カールマンだしぜひ観たいところですが、ウイーンに行くのはも少し後になってしまいそうです。Feri様からの楽しいご報告待ってます!

Posted by: Hanna | January 25, 2014 at 11:20 AM

Hannaさま、コメント、ありがとうございます。

フォルクスオーパーの練習場(PROBEBÜHNEN VOLKSOPER WIEN!)については、2012年7月4日の記事で取り上げました。よろしかったらご一読くださいませ。

http://wien.cocolog-nifty.com/operette/2012/07/post-7b5f.html

ここはプルミエの後、メンバーの打ち上げに使うこともあるようです。季節の良い時期、プルミエの後Café Weimarのシャニガルテンでくつろいでいると、皆さん、この前を通って練習場へ向かっていきますね。

ところで私も「マリッツァ」は、楽しみにしています。

Posted by: Feri | January 25, 2014 at 02:42 PM

Feri様、
以前の記事読ませて頂きました。
『!』付きだったんですね、気が付きませんでした。
『ヴェネチアの一夜』プルミエ後帰宅途中にこちらの前を
通ると体育館のような入口が大きく開けられてて、舞台をはねられた関係者、楽団員などが入っていくのを見ました。天井は高そうだけど広さとしてはそれほど広くない感じがしました。Feri様は当時Meyer氏と面談されたとか。
Meyer氏といえば私、Volksoperのロビーでお見掛けしました。あれはジルベスタ―の『Fledermaus』だったか、
開演10分前くらいでしたがロビーを通って舞台横の入り口に消えて行きました。彼の出番を考えると19時ごろが楽屋入りなのか、ディレクターともなるともしかして正面玄関から楽屋入りなのかしら?などと思ってしまいました。
小柄だけどなんか得体のしれないオーラのある(?)素敵なおじ様でした。

Posted by: Hanna | January 26, 2014 at 11:44 AM

Hanna様

マイヤーさんは、自分が出番がない日でも原則として、開演前、舞台袖で出演者を見送っているそうです(特別の用事がある時は別ですが‥)。

また、レパートリー公演の場合、日本では考えられませんが、オケは開演30分前くらいに劇場入りします。

さすがに歌手の方はメイクがあるので、もうちょっと早めに入るようですが、フロッシュは3幕だけなので、開演前にロビーにいらっしゃっても大丈夫。なお、客室から舞台袖に入る「秘密の入り口」があります(以前、オペレッタ100回観賞記念で、マイヤーさんとダイレクター室でお目にかかった際、ここから客室へ入りました)。

このあたり、シーズン中、毎日、上演している劇場の違いかもしれませんね。

Posted by: Feri | January 26, 2014 at 04:48 PM

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