冬のイベント考
ソチオリンピックも中盤にさしかかりましたが、皆さまのご感想はいかがですか? 日本では14日の早朝、フィギュアスケートの男子ショートプログラムで羽生選手がトップに立ったので、盛り上がっていると思います。今晩、フリーの演技がありますので、その結果が楽しみです。
また、今日はバレンタインデー(しかも週末)なので、日本は、そちらでも盛り上がっていることでしょう。
さて、先日、日本の友人が家族と「さっぽろ雪まつり」を見に行ったというメールが届きました(話題のLCCを使ったので安く行けたと喜んでいました)。
今年は第65回で、2月5日から11日まで、3つの会場で開催されました。メイン会場の大通公園では、毎年恒例になっている大雪像や氷像が並び、夜はライトアップされていて大変な賑わいだったとか‥
今年の大雪像はソチオリンピックにちなんだ「ウィンタースポーツ天国・北海道」、「イティマド・ウッダウラ」(インドの観光都市アーグラーにある宮殿だそうです)、「ムルデカ広場前に建つ時計台のあるスルタン・アブドゥル・サマド・ビル」(マレーシア)などだったそうです。また、台湾の有名観光スポットを再現した巨大氷像もあったとか‥
ちなみにサイズですが、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルの場合、高さ18m、横幅28m、奥行20mだとか。
世界的にも有名になった「さっぽろ雪まつり」なので、友人のメールには、「外国人観光客の姿も多かった」と書かれていました。日本からの報道によれば、期間中の来場者数は過去3番目に多い240万人だったそうです。
メインの大通会場は、昨年より14000人多い、193万人だったとか。確かに友人の写真を見ると、本当に人であふれていました‥
さて、友人からのメールを見ながら、ふと、思ったのが「そう言えば、こちらでは大雪像や大氷像を建設するような冬のイベントは、見かけいないなぁ‥」ということ。
オーストリアはスキーを中心としたウィンタースポーツが盛んですから、スキー場を中心としたリゾートエリアは沢山あります。しかし、スポーツとは関係のない「冬のイベント」というのは、余り耳にしません。
これはFeri個人の単なる考えなのですが、雪が大量に降る大都市が存在しない‥ということも大きいような気がします。チロルのインスブルックは、確かに雪は降りますが、あそこはリゾートエリアのゲートタウンですから、他の方法で集客する必要があまりないのかもしれません。
オーストリアの首都ウィーンは札幌市と同規模ですが、通常は札幌のように大量の雪が降ることはありません。ちなみに札幌の降雪量はシーズンによって差はあるものの、累計で平均6メートルです。暖冬になったとは言え、大都市としては驚異的な降雪量と言えるかもしれません。
札幌の近隣にもスキー場はありますが、人が集まる大都市ならではの行事として、この雪を活用しようと考えたのでしょう。
ちなみにウィーンの年間降雪量は一桁低い累計で70cmほどです。寒さについては、この手のイベントが開催できる温度なので大丈夫だと思いますが、セメリング当たりからウィーンまで大量の雪を運ぶ手間(もちろんお金も‥)を考えると、「この手のイベント」を考える人は出てこないでしょうね。
また、「さっぽろ雪まつり」では、大雪像に関しては陸上自衛隊が全面的に協力して製作に当たっています。最近では、民間団体による雪像も増えてきましたが、お客さまを呼べる大雪像を純民間で製作するとなると、その費用が‥
一応、陸上自衛隊は野戦築城訓練の一環として(近代戦で原野に雪で陣地を築くことは考えられませんから、名目だけみたいな感じですね)、協力していますので、費用負担はかなり抑えられているようです。
陸上自衛隊の雪像製作は、1955年から始まったようで、その技術は規模と芸術性の両面で、もはや並ぶもののないレベルに達しており、今では民間への技術協力なども行っています。
友人の話では、雪像製作に携わった自衛隊のブースがあり、製作の過程をDVDで紹介していたそうですが、正にマイスターの技とのこと‥隊の中で代々伝承されているのでしょう。
ちなみに雪まつりに使う雪は札幌市内から集められるそうですが、その量は3会場合わせて5トントラック6500台分。製作期間は約1箇月だそうです。
なお、大氷像に関しては、毎年、北海道で働くシェフの皆さんが腕を振るっているそうです。こちらでも氷像は見かけることがありますが、このような巨大な氷像は、Feriは見たことがありません。
このほか、企業や民間団体などは民間団体が製作しているため、その時の流行に乗った作品が多く展示されます。友人の話では、今年は北海道と縁もゆかりもない千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ「ふなっしー」が3体も展示されていたそうです。
ここ数年、さっぽろ雪まつりでは、大通会場にジャンプ台が仮設され、スノーボードやフリースタイルスキーのデモンストレーションが行われています。
なお、ウィーンでも、時々、プラーターで、この手のスキー系イベントは開催されています。ウィーンも気温が低いので、市庁舎前のアイススケートリンクのように、大量の雪を使わないイベントならば開催可能なのでしょう。最も市庁舎前のスケートリンクは、巨大な冷凍機を使ってリンクを維持している訳ですが‥
余談ですが、最近、市庁舎前のスケートリンクには、世界的に有名な某飲料メーカーがスポンサーになっています。そのためリンクの中央にはポーラーベアが‥
笑ってしまったのは、友人が送ってきた「さっぽろ雪まつり」の写真の中に、ポーラーベアの小雪像が‥さすが、世界に冠たるアメリカ企業、雪まつりにもブースを出していたいのですね。友人の話では、このポーラーベアは絶好の記念撮影スポットになっていたようです。
さて、雪まつりが終わった後の雪像ですが、大通会場については何と翌12日中に、全て解体されたそうです。友人が12日、帰りがけに大通公園を通りかかったところ、すでに大型重機を使って雪像を崩していたとか‥
作る時は、手作業が多いため1箇月近くかかりますが、解体するときは重機を使って一挙に行うため、いとも簡単‥ わずか「一週間の命」という雪像‥オーストリアの皆さんだったら、どのような感想を持たれるでしょうね。ちょっと興味があります。
今回の写真は、友人家族が撮影した今年の「さっぽろ雪まつり」の様子をお楽しみください。なお、最後の写真は、ウィーンの「冬のイベント 市庁舎前のスケートリンク」です。
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