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February 05, 2014

ゼメリング鉄道トンネルの工事が本格的に始まりました

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今日は「ÖBBの話題」をお伝えしましょう。

世界遺産にもなっている南部鉄道の要衝、ゼメリング峠で、1月7日から新たな鉄道トンネル「ゼメリング・ベース・トンネル」の本格工事が始まりました。

「ゼメリング・ベース・トンネル」の全長は27.3km。準備工事は2012年春から始まっています。ちなみに日本の上越新幹線が通過する大清水トンネルの全長は22.2kmですから、それよりも長いことになります。

全体を3つの工区に分けて工事が行われますが、今回、中間に当たる13kmの掘削が始まりました。13kmのうち約8.6kmはトンネルボーリングマシンを使用し、残る約4.3kmは1960年代に開発された新オーストリアトンネル工法(New Austrian Tunneling Method=NATMナトム)で建設されます。

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余談になりますが、このNATM工法は、日本の鉄道トンネル工事でも数多く採用されています。代表的なところでは、上越新幹線・中山トンネル、北越急行ほくほく線・鍋立山トンネルなどで採用されています。

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気になるゼメリング・ベース・トンネルの工事費は約6億Euroで、2024年の開業を目指しています。ただ、オーストリアのことですが、予定通りに開通するかどうかは、保証の限りではありません。

このトンネルは、現在の路線を補完する目的で建設されているもので、トンネル経由の場合、ウィーン-グラーツ間の所要時間が約30分短縮されます。

また、現在の路線では勾配のため、補機(補助機関車)を連結して運転している重量貨物列車も、本務機の電気機関車1台で運行できるようになります。

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何しろ、現在のゼメリング峠は、ÖBBが誇る高速列車Railjetでも、写真のように速度が50km/h程度に低してしまうので、これは朗報ですね。

ちなみにアウトバーンの方は、このブログでもお伝えしているように、既にトンネルでゼメリング峠を通過できるようになっており、非常に楽です(左下の写真がゼメリングのアウトバーンです)。

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ただ、風情はなくなりましたが…最も道路の方は旧道も残っているので、そこを通れば、昔ながらの風情を味わうことができます。

さて、気になるのはゼメリングトンネル開通後、現在の路線がどうなるか‥という点です。道路と異なり、山岳区間の鉄道路線を維持するのは、非常に費用がかかります。

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とは言っても世界遺産に指定されてしまったので、トンネルができたら旧線は廃止します‥とも言い出しにくい気がしますね。まぁ、先の話なので、推移を見守ることにしましょう。


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鉄道のお話 |

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Comments

お久しぶりです。スイスだと、特急系や貨物系は新トンネル経由でローカル線は旧線経由で残すケースがありますので、今回の場合も新トンネル開通後も旧線は残す可能性は高そうです。ただ、随分と本格着工まで時間が掛かったと思うのですが、技術面も去ることながら、やはり環境問題や資金面ですんなりと行かなかったのでしょうか・・・

Posted by: おざきとしふみ | February 06, 2014 16:40

おざきとしふみ様

コメント、ありがとうございます。遅れた理由は環境問題よりも資金面のようです。

ところで、ゼメリングの沿線は、峠のスキー場以外、人が住んでいるところが少ないので、ローカル列車の需要は少ないかもしれません。

Posted by: Feri | February 06, 2014 19:34

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