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March 31, 2014

フォルクスオーパーの「トゥーランドット」にNeil Shicoffさんが登場

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3月最後の話題は、「フォルクスオーパーのオペラ」をお届けしましょう。

出演者が虫のコスチュームで演じるフォルクスオーパーのオペラ「トゥーランドット」ですが、2013/14シーズンはカラフ(Calaf )にNeil Shicoffさんが起用されるということで、話題になりまました。

Feriはフォルクスオーパーでは2008年3月と2011年4月に観ていますが、Neil Shicoffさんが出演されるとあって、観てきました。

何と言っても、「トゥーランドット」と言えば、カラフが歌う名アリア「誰も寝てはならぬ」。Neil Shicoffさんが歌うのですから、これは大いに期待できます。

2013/14シーズン最後の「トゥーランドット」(通算上演回数38回)の指揮はGuido Mancusiさん、主なキャストは、以下のとおりです。

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-トゥーランドット:Melba Ramosさん
-アルトゥム皇帝:Otoniel Gonzagaさん
-ティムール:Petar Naydenovさん
-カラフ:Neil Shicoffさん
-リュウ:Anja-Nina Bahrmannさん
-ピン:Günter Haumerさん
-パン:David Sitkaさん
-ポン:JunHo Youさん
-マンダリン:Yasushi Hiranoさん

何と言っても、「トゥーランドット」と言えば、カラフが歌う名アリア「誰も寝てはならぬ」。Neil Shicoffさんが歌うので、当然ながら満席。やはりオペラの場合、有名歌手の集客に影響することがよくわかります。

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演出とコスチュームは、2008年3月、2011年4月に観た時と一緒です。出演者は全員、虫の格好をしています。カブトムシ風、コガネムシ風、クワガタ風、蛾風などなど、結構、凝った造りをしています。舞台を暗くして照明で変化をつけるため、コスチュームの多くには電飾が組み込まれているのが特長。

それに加えて、出演者のほとんどが特殊メイクをしているため、ソリストも含めて、合唱団やバレエ団などは、いったい誰が誰だかわかりません。さすがにトゥーランドットとカラフ、ティムール、リュウの区別はつくようになっていますが…

2008年に観た時、アルトゥム皇帝は名優Peter Minichさんが演じていたのですが、ものすごく派手な仕掛けだったので、誰でも同じ…という印象でした。今回は、時々、フォルクスオーパーに出演する超ベテランのアジア人歌手Otoniel Gonzagaさんが起用されていました。余談ですが、この人、以前、フォルクスオーパーのクリスマスコンサートに出演し、見事な「誰も寝てはならぬ」を披露したことがあります。

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さて、本来は、昔の中国を舞台にしている本作品。残忍な設定が多いために、中国への配慮から国籍不明にしたのかもしれません。確かに、登場人物の名前は別にして「とある昆虫の国」のお話にしてしまえば、クレームはつきませんからね。

穿った見方ですが、中国とオーストリアの関係が深まった頃にプルミエを迎えた作品なので、そういった配慮があったのかもしれません。

Feriが観た時は2008年、2011年ともに出演者は、ほぼ一緒で、高い水準でソリストが揃っていたのが印象的でした。ちなみに2008年、2011年のカラフ王子にはMario Zhangさんが起用されていました。

今回、Neil Shicoffさんが入ったことで、バランスが崩れるのでは…という心配がありましたが、実際に舞台が始まってみると、その心配は杞憂に終わりました。

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トゥーランドットのMelba Ramosさんは、歌唱力に定評がありますが、今回も見事でした。カラフのNeil Shicoffさんと一緒に歌う場面でも、全く見劣りすることはありません。Melba Ramosさんは、時々、オペレッタにも出演しますが、はやりオペラ向きの歌手であることを改めて感じましたね。

ちなみに2008年、2011年の時はリュウを演じていたので、今回のタイトルロール起用は、それだけ歌手としての格が上がったと考えて良いでしょう。ちなみに、2008年にはRachael Toveyさん、2011年にはAnda-Louise Bogzaさんが歌っていました。

皆さまお待ちかね、カラフのNeil Shicoffさん。1949年の米国ニューヨーク生まれだから、それなりのお歳ですがが、歳を感じさせない見事な歌とお芝居でした。当たり前だが、多くのお客さまはNeil Shicoffさんを目当てに来ているので、「誰も寝てはならぬ」ではブラヴァの嵐…でも、「演奏が全部終わる前のブラヴァ」は勘弁してください…

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Neil Shicoffさんといえば、一時、国立歌劇場の音楽監督に名前が挙がったのですが、あえなく落選。しかし、来シーズンは5月に国立歌劇場で「舞台生活40周年記念コンサート」が予定されています。

アルトゥム皇帝のOtoniel Gonzagaさんは、結局、カーテンコールでマスクを手に持って登場したことで、「あっ、このおじさんがやっていたのか」とやっとわかる…という気の毒な役。しかし、楽しそうに演じていました。

ティムールのPetar Naydenovさんも、堂々とした体格で声量は十分。特殊メイクながら、演技も堂に入っていました。

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前回はMelba Ramosさんが務めたリュウには、今回、Anja-Nina Bahrmannさんが起用されました。彼女もオペレッタ「こうもり」のアデーレに出演することもある歌役者さん。今回は歌で素晴らしいところを見せてくれた。

特に3幕でカラフを愛しているため、王子の名前を明かすくらいなら…と自殺してしまう直前に歌うアリアは見事でした。彼女もカーテンコールでは、非常に大きな反響がありました。自分でも良い仕上がりだったのか、カーテンコールでは誰よりもハイテンションだったのが印象的。

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特殊メイクだったので、残念ながら素顔は拝見できなかったが、マンダリンのYasushi Hiranoさんも、脇役として良いお芝居をしていました。彼も2011年に同じ役で出演しています。ちなみにカーテンコールの写真で、右に移っているのがマンダリン、中央がティムールのPetar Naydenovさん、左側がアルトゥム皇帝のOtoniel Gonzagaさんです。

奇抜な設定(舞台装置、コスチューム)以外は、オリジナルどおりなので、予めわかっていれば、内容的には満足できるオペラです。Guido Mancusiさんの指揮も素晴らしく、演奏も含めて、中身はフォルクスオーパーのオペラとしては、高い水準で仕上がっていたと思いました。

ただ、オペラ初心者の方が、何も知らずに来てしまうと、刺激が強すぎるかもしれませんね。特に伝統的な舞台装置と衣装を期待している方には、ショックが大きき過ぎるでしょう。2013/14シーズンに久しぶりに復活した「トゥーランドット」ですが、果たして来シーズンも継続上演されるかどうか…歌手を揃えるのが大変なので、微妙な気もします。

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