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March 09, 2014

番外編 “あなたを外国為替法違反容疑で拘束する”(後編)

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1982年、Feriは日本からアンカレッジ経由でフランクフルトへ入りました。ここで、パン・アメリカン航空のベルリン線に乗り換えて、西ベルリンへ入りました。

なぜ、ドイツ国内線のアメリカの航空会社パン・アメリカン航空が飛んでいるのか‥ これは、戦後の占領政策と関係があります。当時、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)の都市であった西ベルリンは、東ドイツ内の飛び地だったため、航空便は東ドイツ領空を飛ぶことになります。

そこで、旧占領国だったアメリカ、イギリス、フランスに国籍を持つ航空会社だけが、西ドイツとベルリンを結ぶ路線の権利を持っていました。Feriは、パン・アメリカン航空に搭乗したのは、ベルリン線だけです。ちなみに機材はボーイング727-200。ベルリンの空港はテーゲルです。

当時、Feriは親友と一緒に旅行をするのが常でしたが、所属していた会社が異なるため、この年はFeriが先行して一週間後に友人とフランクフルトで合流する計画になっていました。

空路、ベルリンに到着したFeriは、さっそくSバーンに乗り、東ベルリンへの入り口となるBERLIN・ZOO駅へ向かいました。既に何回か東ドイツは訪問しているので、要領はわかっていたのですが、ベルリンのように通行客が多いエリアは始めてだったため、つい西側外貨持込証明書の発行依頼を忘れてしまったのです。

というのは日帰りで東ベルリンを訪問する観光客の場合、外貨持込証明書は不要なので、人の流れに乗ってしまうと、知らないうちに通過してしまう‥ということが‥

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東ベルリンでは、有名な展望タワーにも登り、主要な目的であった鉄道車両の撮影なども、ほぼ予定通りこなし、翌日、西側へ戻る時、事件は起こりました。

国境検問所で、パスポートと両替証明書を係員に見せたところ、“外貨持込証明書は、どうした?”。その時、外貨持込証明書を取得していなかったことを思い出しました。

“取得を忘れた”と申告せざるを得ませんが、Feriは係員に連れられて、窓に鉄格子がはめられた別室へご案内となりました。

別室では、さっそく手荷物の検査が行われました。「銀塩写真の思い出」でもご紹介したように、当時は大量のフィルムを持参していました。

また、旅行に不可欠な時刻表をはじめとする各種の資料も「西側の文書」。いずれも、税関法で持ち込み、持ち出しが禁止されている「禁制品」です。しかも、普通の観光客ならばフィルムが10本くらいですが、Feriの場合は、数十本を所持している上に、プロ用のカメラを持っていますから、見方を変えれば東洋人のスパイです。

最初はドイツ語で質問されましたが、十分答えられなかったため、その後、英語ができる上官が出てきました。また、パスポートにビザがあるため、手荷物の取り調べの間、宿泊しているホテルなどに確認を入れたようです(実は、滞在するためには所轄の市民警察に滞在許可を申請する必要があります。大都市では、ホテルのレセプションにパスポートを預けると代行してくれます)。

しかし、スパイ容疑の可能性は低いものの、持っているフィルムを没収(全数廃棄)される可能性が残っていました。これが一番痛い。

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最終的に、「怪しいところがない」となったのか、英語ができる上官から「外貨持込証明書の取得を忘れないように」と念を押されて、無事、取調室を出ることができました。また、最も危惧された禁制品も没収も免れました。後にも先にも、ヨーロッパで、これほどビビりまくった経験はありません。

出国してすぐに友人と合流するのであれば、開放される時間も気になるところですが、この時は、友人と合流するまで一週間ほどあったので、この点はあまり心配せずにすみました。ただ、非常に緊張していたためか、西ベルリンに戻ったときには、ドッと疲れが出たような記憶しかありません。その後、夜行列車に乗って、次の目的地に向かいました。

一週間後、フランクフルト空港まで友人を迎えに行き、ここで合流したのですが、しばらくは「外為法違反容疑で拘束された話」で盛り上がったのは言うまでもありません。

なお、友人と合流してから、今度は一緒に東ドイツのライプチヒとエアフルトを訪問しています。ライプチヒでは、これまた貴重な経験をしているのですが、これは機会があったら、またご紹介しましょう。


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