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March 05, 2014

Telefon-Wertkarteをご存じですか?

Telefonwertkarte

今晩、ウィーン楽友協会大ホールで[UTAU DAIKU]プロジェクトの演奏会が行われます。Feriは、残念ながら所用があって観に行くことができませんが、ウィーン少年合唱団と南相馬市の少女合唱団MJCアンサンブルが参加するということで、こちらでも話題になっています。また、ソリストとして、甲斐 栄次郎さんも参加することになっています。

さて、今日は「公衆電話のお話」です。

ご多分に漏れず、こちらでも携帯電話の普及に伴って公衆電話の数が少なくなっているようです。その公衆電話ですが、皆さんは「オーストリア版テレホンカード」があるのをご存じでしょうか。

正式には「Telefon-Wertkarte」(テレホン・ヴェールトカルテ)という名称で、郵便局やタバコ屋さんなどで販売されていました。以前、オーストリアの電話はPOST(要するに郵政省)が担当していました。その後、分割民営化されて、電話事業はテレコムオーストリアになったのは皆さん、ご存じの通り。

で、1980年代にオーストリアでもテレホンカードが導入されたようです。日本のテレホンカードと異なり、クレジットカードに近い厚さでした。使い方は、テレホンカード対応電話機の下にカードスロットがあり、ここへ挿入してから、残額を表示器で確認。

その後、通話先にダイヤルをして、通話するというものです。受話器を戻すと、スロットから「ガチャ」という音がして、カードが排出されます。日本の磁気式テレホンカードが電話機本体に完全に入ってしまうのに対し、オーストリアのものは、カードスロットから1/4程、カードが出ていました。

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Feriが最初に見かけたときは、100シリングと50シリングのカードが販売されていました。一見するとICカード風ですが、実は光学式だったそうです(カード上部にある白いストライプで残額を読み取る方式)。なお、実際にはカード代金は全て通話に使える訳ではなく、100シリングは5シリング、50シリングは2シリングのカード代金が含まれていました。

というのは、このカード、残高がなくなってしまった場合、郵便局などでリチャージできる仕組みになっていたようです。だから、カード本体の代金が含まれていたのでしょう。日本の鉄道が運用しているICカードの乗車券も、この方式ですよね。

当時、日本への通信手段は公衆電話しかなかったため、小銭が不要なテレホンカードは便利。Feriも郵便局で購入して、実際に使ったことがあります。ただ、このカード式公衆電話は、「くせ者」で、相手がお話中などで、通話ができなくても料金を引かれてしまうシステムでした。システム利用料‥という訳でしょうか。

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一時は、専用の「ピクトグラム」まで作成して、テレコムとしても普及に力を入れており、カード専用電話機も登場しました。何しろ公衆電話から現金を回収しないで済むわけですから、会社としてのメリットは絶大です。

その後、クレジットカード対応の公衆電話(写真の電話機はテレホンカード、クレジットカードの両方に対応するタイプです)が出てくるようになり、徐々に見かけなくなってきました。日本ではクレジットカード対応の公衆電話は非常に少なかったですが、こちらでは結構、普及していました。しかし、その後、携帯電話の急速な普及で、公衆電話そのものの存在意義が薄れてしまったのは、日本と同じ。

今回、冒頭にご紹介したリーフレットは、当時、某所の郵便局で手に入れたものです。このリーフレットによると1985年末まで設置したテレホンカード対応電話機が1500台(少ないですねぇ)となっています。また、最終的には3500台を設置する計画であると書かれています。

Adtelefonkarten

日本でも、一時、広告用テレホンカードが流行りましたが、こちらでも同じだったようで、企業などがノベルティとしてAD-Telefonkartenを作成して、配布したものがあるようです。こちらは、コレクターズアイテムになっているようで、今でもネット上で販売されているのを見かけることがあります。

さて、この公衆電話専用の「Telefon-Wertkarte」ですが、今でも5Euroと10Euroのものが郵便局やタバコ屋さんで販売されているようです。ただ、使っている人は少なそうで、「絶滅危惧種」になっているような気がします。

また、最近では、「通信の自由化」によって通話料金が安い国際電話プリペイド式カード(アクセスポイントに電話をしてから、通話をする方式)も普及するようになり、通話手段も多岐にわたるようになりました。そうなると、特定の公衆電話限定のテレホンカードの需要は、ますます減少することでしょう。

そう言えば、今では、A-1のショップなどで「Telefon-Wertkarte」というと携帯電話用プリペイドカードを指すようになってしまい、時代の流れを感じざるを得ません。

なお、テレコムオーストリアは持ち株会社となり、現在、実際に電話や通信は傘下のA-1が担当しています。

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