« 窓に飾られた復活祭の飾り‥ | Main | 意外なチョコレート大国は‥ »

April 17, 2014

フォルクスオーパー「伯爵令嬢マリッツア」セカンドクルーの仕上がりは?

Img_2014_04_1815_001_2

今日は「オペレッタの話題」をお届けしましょう。

2014年3月22日、好評のうちにスタートを切った新演出の「伯爵令嬢マリッツア」。フォルクスオーパーの場合、単純なカバーではなく、ダブルキャスト制を採用しており、プルミエメンバーとは別にセカンドクルーが存在します。

他の公演への出演にも関係しますが、おおむね3から4公演目から、セカンドクルーが登場というパターンが多いですね。

フォルクスオーパーの傾向を見ていると、プルミエには思い切ったキャスティングをするケースがあるのに対し、セカンドクルーは安定感のある歌役者さんを起用するパターンが多いような気がします。

そのため、セカンドクルーが出演する回の方が、仕上がりが良かった…ということも。

という訳で、さっそく主要な役が交代した「伯爵令嬢マリッツア」を見てきましたので、その様子をご紹介しましょう。

Img_2014_03_1516_001

まず、指揮はプルミエと同じくAlexander Rumpfさん。さて、主なキャストは、以下のとおりです。

-伯爵令嬢マリッツア:Ursula Pfitznerさん
-ポプレスク公爵:Kurt Schreibmayerさん
-コロマン・ジュパン男爵:Thomas Sigwaldさん
-タシロ・エンドレディ・ヴィッテンブルク伯爵:Daniel Prohaskaさん
-リーザ:Mara Mastalirさん
-カール男爵:Nicolaus Haggさん
-ボジェナ侯爵夫人:Helga Papouschekさん
-ペニジェク:Robert Meyerさん
-チェッコ:Michael Gempartさん
-マニャ:Annely Peeboさん
-Primas:Gregory Robersさん
―女の子:Paloma Siblikさん(子役)

Img_2014_03_1585_001

ご覧になるとわかるように、マリッツア、ポプレスク、ジュパン、タシロ、リーザという主要メンバーが全員入れ替わっています。

なお、演出などについては、第3幕のアドリブを除けば、プルミエと変更はありませんでした。

マリッツアのUrsula Pfitznerさんは、2006/07シーズンから上演されていた前演出でもマリッツアを演じているため、役作りは上手で、お芝居も安定していました(前演出時もセカンドクルーでした)。

Img_2014_03_1556_001

歌に関しては、やはり前半は抑え気味で、中盤から調子を上げてきました。特に2幕で、タシロを罵倒する場面の迫力は見事。投げつけた札束がオーケストラピットまで、飛んで行くハプニングも‥

マリッツアの出演歴が長い分、ツボを押さえた演技で、雰囲気もピッタリでしたね。ただ、気丈なところが弱く、すぐに落ち込むところは、そういう演出(性格付け)なのでしょう。プルミエに出演したAstrid Kesslerさんとも雰囲気が似ていますが、Astrid Kesslerさんの方が色っぽいかもしれません。

ポプレスク公爵のKurt Schreibmayerさんは、歌役者としての実績が抜群なので、見事な歌、お芝居、踊りでした。Kurt Schreibmayerさんも「良い人」というオーラが全身からにじみ出ているので、嫌らしいポプレスク公爵にはなっていませんでしたね。

Img_2014_04_1792_001

雰囲気としては「チャールダーシュの女王」のフェリ・バチを彷彿させる演技でした。Toni Slamaさんのポプレスク公爵も良かったのですが、歌や踊りの場面ではKurt Schreibmayerさんの方が上‥という感じです。

コロマン・ジュパン男爵のThomas Sigwaldさんは、当初、元気いっぱいに演じていたBoris Ederさんよりも見劣りするのでは‥と心配だったのですが、そこは歌役者の本領発揮。Boris Ederさんよりも、芝居の部分では、ハンガリー訛りを強調したドイツ語を話していました。

また、歌はさすがにうまい。心配されたダンスシーンですが、Boris Ederさんに対抗心があるのか、かなり気合いが入っていました。正直、甲乙付けがたい感じの仕上がりでした。Thomas Sigwaldさんは、女性に目がない役は本当に向いていますね。

Img_2014_03_1536_001

タシロのDaniel Prohaskaさんは、最近、フォルクスオーパーのオペレッタでは、主役級に良く起用される人。「彼の地から来た従兄弟」のアウグスト、「小鳥売り」のアーダム、「ルーナ夫人」のシュテップケを演じています。

このほか、ミュージカル「ハロー、ドーリー」にもコーネリウスで出演しています。ただ、オペレッタについては、評価が高くありません。これはFeriも同感。

「小鳥売り」でアーダムを演じていた頃に比べると、貫禄もついてきて、歌、お芝居ともに良くなってきいますが、タシロとしては物足りない感じです。以前は声量がなかったのですが、その点は、だいぶ改善されてきました。とくに2幕後半、マリッツアに罵倒されて、応酬する場面の歌いぶりはなかなか見事でした。

Img_2014_03_1528_001

ただ、正直、今のところ歌に関してはCarsten Süssさんの方が、仕上がりは良かった感じがします。両者に共通するのは、マリッツアが惚れるような「没落貴族らしい魅力」が余り漂わないのがねぇ‥

リーザのMara Mastalirさんは、フォルクスオーパーでは、「リゴレット」のチェプラーノ伯爵夫人、「フィガロの結婚」のスザンナ、「メリーウィドウ」のヴェランシェンヌ、「チャールダーシュの女王」のアナスタシア、「ワルツの夢」のヘレネ姫、「ヴェネチアの一夜」のアンニーナなど、オペレッタとオペラの両方に出演する、歌って踊れる歌役者さん。

Img_2014_03_1584_001

特にかわいらしい感じの役にはピッタリなので、リーザは当たり役。Anita Götzさんとは甲乙付けがたいところです。個人的はMara Mastalirさんの方がよかった気がします(単なる個人の好みですが‥)。このところ、力を付けてきた歌役者さんなので、今後に期待が持てますね。

余談ですが、Mara MastalirさんはAnita Götzさんとダブルキャストになることが多く、言わば「良きライバル」といったところかもしれません。それぞれ、素晴らしい歌役者さんなのは言うまでもありません。

Img_2014_03_1563_001

例によってペニジェクのRobert Meyerさんによる怪演は、3幕の柱。あれだけ歌が少ない3幕が、Robert Meyerさんのお芝居で盛り上がるのだから、たいしたものです。

ボジェナ侯爵夫人のベテランHelga Papouschekさんとのやり取り、ジュパン男爵のThomas Sigwaldさんとの掛け合い(ペニジェクがジュパンが男爵を詐称していたことを暴露する展開なのですが‥)など、お客さまも抱腹絶倒‥とくにフォルクスオーパーのダイレクターという立場で言うギャグがあるので、余計に笑いを誘いますね。

全体的には、タシロのDaniel Prohaskaさんが物足りない感じがしたものの、その他のキャストは、歌、芝居、踊りともなかなか良かった‥というのがセカンドクルーの印象です。

ベテランの歌役者さんは、自分のキャラクターを前面に出して勝負をしてくるので、プルミエメンバーとはひと味違った舞台に仕上がっていました。このように出演者によって舞台の魅力が変わるのがオペレッタの困ったところ。だから「はまって」しまうのですよね。

しかし、2014/15シーズンでは、「伯爵令嬢マリッツア」は、2015年5月以降の上演。約1年間ブランクが空くわけで、正直、残念でなりません。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります delicious

Br_decobanner_201105_v_02

オペレッタ |

« 窓に飾られた復活祭の飾り‥ | Main | 意外なチョコレート大国は‥ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 窓に飾られた復活祭の飾り‥ | Main | 意外なチョコレート大国は‥ »