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May 12, 2014

グラーツ歌劇場「白馬亭にて」(下)

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オペレッタファン以外の皆さまには、申し訳ございません。何しろ、Feri、お気に入りの作品なので‥ 今日は、昨日に引き続きグラーツ歌劇場の「白馬亭にて」の話題です。

いよいよ後半の山場、カイザー登場の場面です。

カイザー歓迎の準備が進む中、ブラスバンドが舞台袖から演奏をしながら入場。そこへカイザーが船で到着します。登場する人物も多く、後半で最も華やかな場面です。

カイザー歓迎の口上を述べるレオポルトが緊張して大失態をしでかすシーンでは、カイザーの反応も含めて客席は爆笑の渦。レオポルトの合図を誤解した狩人が誤って鉄砲を撃ってしまい、カイザーの上から鳥が落下するという演出が笑いを誘います。

今回は村の長老が、レオポルトに代わってカイザー歓迎の口上を述べるという演出でした。

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そして、レオポルトが皆から詰め寄られる場面で幕となります。暗転で2幕へ。この暗転の場面でも添乗員さんの口上が入ります。

通常、2幕のスタートはカイザーの朝食シーンになりますが、今回はともに適齢期の娘をもつおやじ‥ギーゼケとヒルゼルマンが、Caféで語り合う場面から始まりました。

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その後、定番のカイザー朝食の場面へ。ヨゼファがカイザーに恋の行方を相談する名場面です。

カイザーが狩りに出発すると、再びギーゼケとヒルゼルマンが語り合う場面に。そして、ギズスムントはクレールヒェンに再びアタック開始。

本来ならばクレールヒェンの吃音を修正する過程で、「あなたが好き」と言わせるのですが、今回のクレールヒェンは吃音はありません。定番の歌は使っているものの、ちょっと物足りない感じがしましたが、それを補うため、バレエ団も加わったダンスシーンが追加されました。

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昆虫学者のヒルゼルマンに合わせて、蝶の形をしたダンサーが登場。それを、昆虫網を持ったギズスムントが追いかけるという演出でした。きれいな演出なので、楽しめる展開です。

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そして、ヨゼファがレオポルトに、「貴方を夫として雇います」と書かれた職歴証明書を読ませて、2人が結ばれるという演出はオリジナルどおりです。

最後はカイザーが戻ってきて、「ハッピーエンドになった」と宣言し、全員が舞台に登場して、3組のカップル誕生を祝して幕となります。

例によって花道を使ったカーテンコールが繰り広げられます。また、カーテンコール終了後、オーケストラが白馬亭のメドレーを演奏するという粋な演出でした。ただ、ここで多くのお客さまが帰ってしまったのが残念。Feriはメドレーが終わるまで、客席に残っていたのは言うまでもありません。

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場面転換も早く、かつジャズ風の編曲やミラーボールを使った凝った照明などもあり、テンポの良いミュージカル仕立てのオペレッタという感じがしました。

脇役が多数出てくるために、ちょっとゴチャゴチャした感じはしましたが、まぁ、ホテルを舞台にしたオペレッタだから、これでも良いのかもしれません。

一つ気になったのが、演奏と歌がずれている場面が、結構あったことです。今回だけだったのか、毎回だったのかはわかりませんが、ちょっと残念でしたね。

全員がマイクを使っているので、歌唱力についてはコメントできませんが、ヨゼファのSigrid Hauser さんは、どうしても「ローマで起こった不思議な出来事」のライカスとイメージが重なってしまいます。

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気性の激しいところは良いのですが、ジードラーに振られても落ち込まないところが、ちょっと残念。このあたり、難しいところですね。

レオポルドのDaniel Prohaskaさんは、給仕長としては軽い感じでしたが、まずまずの仕上がりでしょうか。お客さまの反応も、まずまずでした。ただ、Sigrid Hauser さん扮するヨゼファに恋をするかな‥という気はしますが‥ まぁ、フォルクスオーパーのタシロよりは、良かったと思います。

弁護士ジードラーのReinhard Alessandriさんは、なかなかいい男で、彼にヨゼファは惚れるのはわかります。なかなか堂々とした立ち振る舞いでした。ただ、演技は抑え気味でしたね。これは演出の関係でしょう。

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ギーゼケのDirk Lohrさんも、堅物ドイツ人という雰囲気が出ていましたが、体格の関係なのか、やや押しが弱い感じがしました。また、昆虫学者ヒルゼルマン教授のWolfgang Kraßnitzerさんは、良い味を出していました。

オッティリエのSieglinde Feldhoferさんはキュートな感じで、役にピッタリでした。また、クレールヒェンのBettina Mönchさんは、通常は地味な娘がギズスムントのアタックで変身するのですが、今回は最後まで同じ衣装でした。ただ、ギズスムントにはっきりとものを言うところなど、芯が強い女性を演じていましたね。Sieglinde Feldhoferさん、Bettina Mönchさんともに踊りは上手でした。

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ジギスムントのChristoph Wagner-Trenkwitzさんは、お芝居は上手ですが、歌は専門ではないので、歌う場面ではちょっと厳しかったですね。

今回は演出に合わせてキャスティングが、比較的成功していると思います。Grazらしい「ひねり」の効いた演出もありますが、Feriが今までグラーツで観たオペレッタ3作品の中で、最もお客さまが盛り上がったのが、今回の「白馬亭にて」でした。ある意味、グラーツ子の感性に合った演出だったのでしょうね。

ところでFeriも、色々な劇場で「白馬亭にて」を観ていますが、最初から最後まで、舞台装置が全く一緒という例は珍しいですね。通常は吊し物などを工夫して変化を付けるのですが‥ それだけに花道を使って、客席からも出演者を入退場させるという演出で変化を付けたのでしょう。

Feriも最終日に何とか間に合ったのですが、楽しい仕上がりだっただけに、できればもう一回観たい作品でした。

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