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June 27, 2014

陸に上がった謎の路面電車

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今日は「ちょっと変わった路面電車の話題」をお届けしましょう。

先日、地下鉄U1の延長工事の様子をご紹介しましたが、その際、路面電車67系統の終点Pre-Albin-Hansson-Siedlungで興味深い車両を発見しました。

折り返し用停留所Pre-Albin-Hansson-Siedlungにあるループ線の中央に置かれていたのが写真の車両です。一応、台車や車輪はついており、線路の上に乗っていますが、現在、この線路は本線とはつながっておらず、事実上、固定されています。

車両に近づいて見ると車体には「Gleichrichterwagen」という文字が‥どうも「変電設備を搭載した車両」(日本では移動変電所と呼ばれているようです)のようです。

地下鉄U1の延長工事にともなって67系統の路線も変更となりましたが、これは暫定措置なので、地上に本格的な変電設備を設置するのは無駄が多いため、このように車両搭載型の変遷設備を架設したのだと思います。

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商用交流を受電して、路面電車用の直流に変換して、架線に供給するための車両です。本来は、変電所の改修工事などに際してスポットで使用される車両のようですが、今回は2017年にU1がOberllaまで延長される間、使用されるものと思われます。そのため、線路を切り離し、周囲にフェンスを付けているのでしょう。

また、3年間使用する予定なので、電力を引き込む配線も金属製のダクトに収められており、かなり本格的な工事であることがわかります。

で、ちょっと気になったので、後日、この車両の詳細を調べてみました。この車両ですが、古い路面電車を改造したもので、現在、Wiener Linien では7001と7002という2両のGleichrichterwagenを保有しています。今回、Pre-Albin-Hansson-Siedlungで使用されているのは7001の方でした。

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1944年に2両が、SIEMENSで改造されて誕生しましたが、その後、1986年、1995年に内部設備の改修工事などを行い、現在に至っているようです。興味深いのは誕生当初はGleichrichterwagen 3と4だったことです。その後、1986年にGleichrichterwagen 1と2に改番されています。恐らく昔は、この前身に当たる車両が存在していたのでしょう。

当たり前ですが、当初は車内には真空管の親分のような形状の水銀整流器を搭載していましたが、現在ではシリコン整流器に交換されています。Feriは、学生時代に電気工学を専攻していたので、水銀整流器と聞くと懐かしいです。

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車両番号の下についていた銘板には「AEG-TELEFUNKEN Wien、1984」と書かれていたので、このタイミングで設備更新が行われたのでしょう。

車両は当初、Gleichrichterwagen 1 、Gleichrichterwagen 12と呼ばれていたようですが、現在ではGW7001・GW7002という名称で管理されているそうです。

正に「縁の下の力持ち」的な存在ですね。2017年のU1延長開業まで、しばらくPre-Albin-Hansson-Siedlungで電気を供給し続けると思いますが、67系統の路線が短縮されると、再び、本線につないで車両基地に戻っていくのでしょうね。正直、その場面が見たいものです。

日本でも旧国鉄や大手民鉄の中には移動変電所と呼ばれる車両を所有していたところもあるようですが、最近では見かけなくなりましたね。

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