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July 06, 2014

意外と多い「居抜き出店」

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日本では4日に、高松宮典子女王の「納采の儀」が行われたようです。千家さんの使者として、叔父で出雲大社権宮司の千家和比古氏が高松宮邸を訪れたそうですが、その場面を見て、feriは儀式の内容は違いますが、オペラ「ばらの騎士」の一場面を思い浮かべてしまいました。

今日は「お店の話題」をお伝えしましょう。皆さまは「居抜き」という言葉をご存じでしょうか。

Feriが日本で仕事をするクライアントの中に、小売業の方がいらっしゃるのですが、その業界で使われる用語です。「居抜き出店」とも言いますが、「同業種や他業種などが撤退した店舗を利用して、他の企業が新規出店すること」を指します。

「居抜き」は、新築での出店に比べて、元々あった店舗の空調・電気・給排水・厨房設備などを流用することため、比較的低コストで開業できるメリットがあります。もちろん売場などについては、店舗イメージに合わせて改装するのが一般的です。

ウィーンでも、しばらく行かなかった場所を訪れると、オーナーさんが変わり、新しいお店になっていた‥ということがあります。実は日本と異なり、ウィーンでは建物がつながっているケースや、古い伝統的な建物の場合、取り壊して新築することが難しいため、意外と「居抜き」が多いようです。

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具体的には、日本の「居抜き」のように、建物や設備は、そのまま利用し、看板やエントランス、内装の一部を改装するというケースもあります。

トップの写真は、ウィーンでもよく見かける「木のマーク」が目印のスーパーマーケットSPARです。SPARも業態によって何種類かあるのですが、写真の店舗はGourmetという比較的高級な食材を取り扱うお店です。

SPARの店舗も色々ありますが、スーパーマーケットなので、基本的に実用的なデザインを採用しています。ところが、このお店は周囲の風景にも調和しているクラシックなスタイル。

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また、ちょっと変わっているのは店舗の向かって右側にゲートがあることです(2枚目の写真)。スーパーマーケットでゲートがあるというのは珍しいですね。3枚目の写真は、一般的なSPARの店舗です。こういったモダンなデザインが普通です。

SPARにしては異例ずくめのデザインなのですが、実は、その昔はJulius Meinlが入っていたそうです。Julius Meinlと言えば、グラーベンのお店が有名ですが、以前はウィーン市内の別のところにも小規模店舗を構えていたのですね。あいにくJulius Meinl時代の写真をお目にかけることができませんが‥

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4枚目の写真は、最近増えてきた自然食品を扱う「こだわりのスーパーマーケットBIOMARKT。こちらの皆さんは、BIOがお好きですから、それなりに賑わっています。

実は、このお店は、かつてはオーストリアの随所で見かける大手スーパーマーケットチェーンのBILLAでした。エントランスの色が変わってしまっているので、昔の面影はありあませんが、これも「居抜き」でオープンしたものです。

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このケースは、店舗面積が狭かったため、付近に比較的規模の大きいBILLA新店がオープンしたのに合わせて、こちらを閉店したようです。いわゆる「店舗統合」ですね。逆にBIOMARKTの場合、取扱商品が限定されているので、小型店でも十分採算がとれるのでしょう。

3ケース目は、ベッカライです。以前は個人経営のお店だったのですが、やはり後継者難だったようで、お店を大手ベッカライチェーンDerMannに転売してしまいました。この写真は居抜き開店直後なので、オリジナルの看板が建物に取り付けられたままになっています。

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その後、外装の改装も行われて、今では昔の面影はなくなっています。ベッカライの居抜きは比較的簡単そうに見えますが、実はチェーン店の場合、セントラル工場で途中まで製造した製品を各店舗に設置したオーブンで焼くという形をとっているため、設備がかなり異なるようです。

そのため、居抜きですが、店内は手をかけてDer Mann仕様に改装していました。

さて、最後のケースは、厳密には「居抜き」ではありませんが、興味深いケースなのでご紹介します。実は以前、Feriが利用していたバイスルなのですが、その後、閉店して、転売されたようです。

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当初は、購入したオーナーさんがバイスルとして再オープンすると思っていたのですが、できあがってみると、一般の住宅に変わってしまいました。

ちょうど、営業中・転売中・改装後という3枚の写真があったので、並べてみました。こうやって比べてみると、ファザードは活用していますが、色使いなどは変わっていることがわかりますね。

ここは風情のあるバイスルで、料金もリーズナブル。気にいっていたお店の一つだったので、ちょっとガッカリ‥と言ったところです。

最近では、個人経営のお店は、後継者難ということで、廃業するところも増えているのですが、このように店舗を改築までして住宅に変えるというケースは珍しいと思います。

いずれにしても同じ場所を何度も訪れると、色々な発見があるものです。

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Comments

こんにちは
意外ではなく、想像出来る範囲で普通に多いとは思うのです。
ただ、気になるのはホイリゲの居抜き出店ですよね。
ホイリゲ→ホイリゲでなく、ホイリゲ→その他の飲食店です。
6月の出張でウィーンの主なホイリゲ街を取材しましたが、Grinzingなんて観光客相手のホイリゲもどきレストラン以外は居抜きでイタリアンやビア・バーに変わっていたりして、本当に残念な思いをしました。
しかも、あのStammersdorfですらホイリゲがイタリアンに変わっていて唖然とさせられました。(後継者不足だとは思いますが)
私が心配してもどうにもならないのですが、ウィーンのホイリゲ街も見た目はそのまんま、実はホイリゲなしなんて時代がくるんじゃないかと心配になりました。

Posted by: Kino_San | July 06, 2014 15:16

Kino_San様

コメント、ありがとうございます。おっしゃるように業態転換してしまったホイリゲもありますね。

余談ですが、昨日、友人の声楽家と話をしたのですが、その際、“最近ではウィーンでもウィンナーリートを聴く機会がめっきりすくなくなりましたね”という話で盛り上がりました。

とくに若い方で歌える人が少なくなったとか‥何となくホイリゲの減少ともつながっているような気もしています。

Posted by: Feri | July 06, 2014 17:38

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