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October 22, 2014

バーデン市劇場「ワルツの夢」 プルミエレポート(下)

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今日は昨日に引き続き、バーデン市劇場「ワルツの夢」プルミエレポート、後編をお届けしましょう。

休憩後、一旦、ヨアヒムの館に戻ります。ニキの行動が心配なヘレネがフリーデリケと相談し、ニキが出かけたウィンナー・ダーメン・カペレが演奏しているレストランにお忍びで出かけることになります。

が、出かける前に2人でセクトを飲みながら、勢いを付けている場面が笑いを誘います。このあたり、脇役ながらフリーデリケの演技が光ります。

再び場面は、ウィンナー・ダーメン・カペレが演奏しているレストランのシャニガルテン。演奏は休憩中ですが、お客さまが踊っています。ダンサーの数は少ないのですが、賑やかな雰囲気を良く出しています。

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そこへ、ニキの怪しい行動を調べるためにヨアヒム大公とロタール伯爵がやってきます。探偵風の変装が面白いところ。さっそくダーメン・カペレのメンバーにニキの動向を聞き出します。

さらに変装したヘレネとフリーデリケも登場します。ところが2人はフランツィと出会い、意気投合。ウィンナワルツで盛り上がります。

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フォルクスオーパー版では、ウィンナー・ダーメン・カペレの色仕掛けでドイツの男性がメロメロになる演出でしたが、こちらはダーメン・カペレ側からの積極的なアプローチは少ない感じです。

しかし、ヘレネとの結婚を願っていたロタール伯爵がフランツィに一目惚れしまい、一緒に踊り出す場面は、お客さまも大受け。このあたりから、堅物ドイツ人がウィーン風に染まってきます。

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ダーメン・カペレの演奏が再開され、お客さまが三々五々、集まってきます。そして、ニキ、モンチ、ヘレネ、フリーデリケ、ヨアヒム、ロタールが集まったところで、身分が明かされ、一同はウィーン風のダンスを踊ってから、館に引き上げることに‥

暗転で3幕へ入ります。フリーデリケに依頼されたフランツィがヘレネにウィーン風の教育をするためにやってきます。

フランツィは、ウィーン風のダンスを教えるのですが、このダンスを通じて、ヘレネが徐々に変わってくるところが面白いところ。

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3幕の終盤、例によって、ニキにウィーン風のお茶とお菓子でもてなすウィーン風に変身したヘレネ。パテシエに扮したヴェンドリンが持ってくるのがウィーン名菓クーゲルフップフ。こちらの人が観ると最も盛り上がる場面です。

ウィーン風のドレスに着替えたヘレネのもてなしでニキの心もヘレネへ。ニキは軍服を脱ぎ、2人の心がつながります。

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フィナーレは、再び現代。最初と同じ舞台装置に戻ります(と言っても吊し物が下りてくるだけですが‥)。フランツィ、ヘレナも現代の衣装で登場します(ニキは軍服の上着を脱いだだけですが‥)。

フランツィを送り出したニキが、ヘレネと仲良くウィンナー・ダーメン・カペレの絵を眺めながら、語り合う場面で幕となります。「夢の中のお話」という全体構成なのでしょう。

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バーデンの場合、フォルクスオーパーと異なり、オペレッタの「外れ」は極めて少ないのが特徴。今回もオープニングとエンディング以外、奇をてらった演出ではなく、安心して楽しめる内容でした。

これも、芸術監督に就任したSebastian Reinthallerさんの考えによるものなのかもしれません。

今回は全体的に歌手のレベルが揃っているという印象でした。ヘレネ姫のFrauke Schäferさんは、ドイツ出身の歌手なので、この役はピッタリ。声もしっかり出ていて、お芝居も上手でしたね。

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ニキ中尉のChristian Sturmさんは、青年将校らしい雰囲気がよく出ていました。こちらも声もしっかり出ており、存在感がありました。

お仲間のモンチ中尉はMaximilian Mayerさんですが、良い味を出していました。このコンビは良いですね。

2幕から登場するフランツィのSimona Eisingerさんは、事実上の主役ですが、歌って踊れる歌役者。どちらかと言うとオペラの出演が多いようですが、オペレッタでも見事な歌とお芝居を披露していました。

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ヨアヒム大公のRupert Bergmannさん、ロタール伯爵のBeppo Binderさん、フリーデリケのSylvia Rieserさんは、それぞれ存在感のある歌役者さんで、個性が光っていましたね。

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バーデンの場合、オーケストラの人数も少なく、出演者の数もフォルクスオーパーなどに比べると格段に少なくなっています。

Feriなどの外野が考えるほど、劇場運営は楽ではないと思います。しかし、これらを工夫によってクリアし、学芸会レベルでない本格的な舞台芸術に昇華されているのはたいしたものです。

今回のプルミエは成功と言って良いでしょう。年末には「チャールダーシュの女王」の上演が予定されていますが、こちらはFeriのお気に入りの作品なので、仕上がりが楽しみですね。


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オペレッタ |

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Comments

Feri さん、こんばんは。

この間は、5泊で3本のオペレッタに行きました。
遅くなりましたが、Ein Walzertraum についても、少々。

バーデンは、相変わらず、うまくまとめていますね。小さな劇場ながら、オペレッタの王道といった感じです。
ただ、最初と最後の場面は、あまり必要だと思われませんでした。事前に Feri さんのレポートを読んでいたので、ナニこれ?とは思いませんでしたが、普通に始まって普通に終われば良かったのに..まあ、それ以外はオーソドックスで、安心して楽しめました。

出演者は、みな適役でした。
Leutnant Niki の Christian Sturm さんと、Montschi の Maximilian Mayer さん(かなり若い!)も初めてでしたが、なかなかのものです。
前日なら芸術監督の Sebastian Reinthaller さんが Niki を歌ったようですが、アンサンブルとしては Sturm さんの方が良かったように思われます。(Reinthaller さんは聴いていませんけど..)
Prinzessin Helene の Frauke Schäfer さんは、2003年に同じバーデン(Sommerarena)で同役を歌ったのを聴いていますが、安定していますね。ただ、いつもの通りかぶりつきで観ていたので、ちょっと年齢的なバランスは気になりました。(失礼!)
脇役も揃っていましたが、中でも、やはり Graf Lothar の Beppo Binder さんは、はまりますね。

オケも、いつもながら小編成なのにオペレッタの味を色濃く出しており、いいですね。Michael Zehetner さんの指揮には初めて接しましたが、バーデンで振る人は、誰もオペレッタのことをよく知っているように感じます。

次は、Die Csárdásfürstin ですね。残念ながら行けそうにないので、レポートを楽しみにしています。

Posted by: Steppke | November 08, 2014 at 12:27 AM

Steppkeさま、こんにちは。

正直、私も最初と最後の部分は、なくてもいいかな‥と思いましたが、まぁ、一ひねりということでギリギリ許容範囲かと‥

Sebastian Reinthallerさんが芸術監督になってから、オペレッタに関しては更に良くなったような気がします。

それにしてもSteppkeさまもご指摘のように小編成のオーケストラながら良い味を出していますね。

最近のバーデンを見ていると、キャスティングも含めて、よい意味で「身の丈に合った運営」をしているような気がします。

Posted by: Feri | November 08, 2014 at 08:18 AM

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