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November 19, 2014

45周年を迎えたウィーンの地下鉄

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今日は「“Happy Birthday! 45 Jahre Wiener U-Bahn”という話題」をお届けしましょう。

ウィーンの地下鉄は1969年11月3日に3路線が着工され、今年で45周年を迎えました。皆さまもご存じのように、現在はU1、U2、U3、U4、U6の5路線が設けられており、約80kmの路線に合計104の駅が設置され、毎日多くの利用者で賑わっています。
そこでウィーン地下鉄のトリビアを少々‥

○125年前に地下鉄計画が存在した
実はウィーンでは、驚くことに1844年に地下鉄建設計画の検討が始まったそうです。ウィーン万国博覧会が開催された1873年には、かなり具体的な計画が立案されました。

ところが、例のウィーン証券取引所の暴落に端を発する大不況(ブラックフライデー)により、建設計画は頓挫してしまいました。

ご存じの方も多いと思いますが、世界初の地下鉄は1863年に開業したロンドンです。

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その後、ウィーンでも1898年開業をメドに建設計画が再検討されたようですが、第一次世界大戦や第二次世界大戦の影響もあり、結局、地下鉄計画は中止となり、市内交通は路面電車やSバーン(シュタットバーン、Stadtbahn)、バスで行われることになりました。

しかし、大不況が発生しなかったら、かなり早い時期に地下鉄が開業していたと思うと感慨深いものがありますね。

○路下電車で地下鉄建設のノウハウを蓄積
以前、このブログでも2008年2月の記事(詳しくはこちらから)でご紹介しましたが、ウィーンの路面電車は一部区間が地下になっています(62系統が走るLaurenzgasse-Eichenstraße間、4停留所間が地下区間になっています)。

これは「路下電車」(U-Straßenbahn)と呼ばれており、自動車の増加による地上の交通渋滞緩和のため、1960年代にヨーロッパ各国で導入されたものです。

Wiener Linienでは、1963年から路下電車トンネルの建設に着手し、1966年10月に開通しています。Wiener Linienでは、この路下電車建設を通じて、大学と連携して地上交通のトラフィック分析などのノウハウを確立しました。さらに地下鉄建設で不可欠なトンネル建設に関する経験を積んだようです。

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最終的には建設コストと効果の関係で、一部区間の導入に留まった路下電車ですが、後の地下鉄建設に大きく寄与したことになります。

○1968年に地下鉄建設が最終決定、着工へ
1968年1月、ウィーン市議会はU1(Reumannplatz - Stephansplatz – Praterstern間、6.1km)、U2(Karlsplatz - Zweierlinie – Schottenring間、3.5km)、U4(Hütteldorf -Wiental -Donaukanal – Heiligenstadt間、16.5km)という3路線の地下鉄建設の承認を行い、1969年11月3日に着工の運びとなりました。

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その後、1976年5月8日にU4のHeiligenstadt – Friedensbrücke間、1978年2月25日にU1のReumannplatz – Karlsplatz間、1978年4月3日にU4のFriedensbrücke – Schottenring間、1978年11月18日にU1のKarlsplatz – Stephansplatz間が順次開業しました。

最初に開業したU4はシュタットバーン(Stadtbahn)の路線を転用したため、比較的早く開業できたものです。

U1、U2、U3、U4で使用されている在来車(Type U)はミュンヘン地下鉄の車両をモデルにしたもので、車体はアルミ製です。

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現在は、アルミ無塗装(銀色)ですが、実は計画段階では写真のようにクリームをベースに赤いラインを配したツートンカラーも検討されていたようです。当然、建設計画が決まった1968年頃には、車両もデザインも色々と検討されていました。

余談ですが、U1の当初開業区間は全て地下区間であったため、写真のように建設中のトンネル開口部から車両を地下に搬入しています。検査は地下留置線で行っていたのでしょう。

○将来に向けて
現在、U1のReumannplatz – Oberlaa間が建設中で、2017年の開業が予定されています。さらに先日、建設計画が正式決定したU5とU2南延長という大規模工事が待っています。また、U4については、部分運休をともなうリニューアル工事がまもなく始まります(この話題は、後日、別の記事で詳しくお伝えします)。

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45年間で80kmの路線建設というのは、短いのか、長いのかは意見が分かれるところですが、Wiener Linienは短い期間で地下鉄を発展させることができたと評価しているようです。

どうでも良い話ですが、日本では節目の年は開業日を基準にすることが多いと思うのですが、今回、ウィーンでは着工日基準で“Happy Birthday! 45 Jahre Wiener U-Bahn”と相成りました。これも考え方の違いなのでしょうかね。


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鉄道のお話 |

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Comments

なるほど、ウィーンでの地下鉄建設に関しては色んな障害だらけで、すんなりとは行かなかったんですね。ヨーロッパ大陸で初の地下鉄が、お隣のハンガリー・ブダペストで完成したのが1896年ですからウィーンとしては「何が何でも地下鉄を」という気持ちになったのは当然なのかもしれませんが、2度の世界大戦でダメになり、戦後地下トラムで少しずつ経験を積んで、本格的な地下鉄建設にこぎ着けたのは大したものだと思います。

45年でたった5路線80キロというのは少ないのか多いのかと言う意見ですが、ローマの様に遺跡だらけで地下鉄建設が上手く進まない状態で、やっと3路線目のC線が開業した所もあれば、ミュンヘンは小刻みに伸ばして6路線+8系統です。まぁ、ウィーンの場合は路面電車網がかなり広範囲に張り巡らされているので、急いで路線網を広げる必要は無いのかもしれませんが・・・ 各都市それぞれ状況が異なるからでしょうか。

Posted by: おざきとしふみ | November 19, 2014 21:46

おざきとしふみ様、コメント、ありがとうございます。

ご紹介しませんでしたが、当局自身、ブダペストにはかなり対抗意識をもっているようで、プレスリリースには、現在ではウィーンの方が規模が云々という記述もみられました。

ウィーンの場合、地下鉄、路面電車、バスがそれぞれ強みを生かして運用されている点が評価できると思っています。

Posted by: Feri | November 20, 2014 09:50

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