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December 31, 2014

2014年のオペレッタを振り返って

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2014年も1年間、ご愛読いただき、ありがとうございました。今年はお休みなしで365日、更新ができましたが、これも皆さまの温かい励ましのお陰です。本当にありがとうございました。クリスマス前は暖かかったウィーンですが、年末に近づくにつれて寒くなってきました。シルヴェスターを屋外で迎える方は防寒装備が必要なようです。

さて、今日は「2014年のオペレッタ鑑賞を振り返って」をお届けします。

Feriは、2014年はオーストリア国内で17回、オペレッタを観ましたが、2013年の25回から比べると激減してしまいました。その要因は、ご存じのように2014/15シーズン、フォルクスオーパーでのオペレッタ上演が大幅に減ったためです。

何しろ2014/15シーズンに入ってからフォルクスオーパーで観たオペレッタはわずか2公演。最近では信じられない少なさです。マイヤーさん、何とかしてください‥

さて、2014年の内訳ですが、フォルクスオーパーでは「こうもり」(2回)、「伯爵令嬢マリッツア」(5回)、「メリーウィドウ」(1回)、「ヴェネチアの一夜」(1回)、「ルーナ夫人」(1回)の5演目です。

また、これも完全に個人的な話ですが、1998年12月21日から始まったフォルクスオーパーでのオペレッタ通算鑑賞回数が、2014年、168回になりました(オペラ、ミュージカル、バレエ、スペシャルなどを入れると286回)。

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この他、バーデン市劇場で「ワルツを奏でる二つの心」(1回)、「ワルツの夢」(1回)、「チャールダーシュの女王」(2回)、グラーツ歌劇場で「白馬亭にて」(1回)を観ています。

フォルクスオーパーに代わって、バーデンが増えたのが特徴的ですね。また、2014年はメルビッシュがミュージカルだったので、行きませんでした。これも久しぶり。

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また、グラーツでは11月に「メリーウィドウ」のプルミエがあったのですが、仕事との調整がうまくいかず、2014年中には観ることができませんでした。好きな演目なだけに観たかったのですが、劇場のwebサイトを見ると、グラーツお得意の変わった(一ひねりした)演出のようです。

Feriが2014年に観たオペレッタの中で、どの公演がFeriにとってベストだったのかというのは、正直、難しいところです。

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単独の公演では何と言ってもベスト1はフォルクスオーパーで5月19日に行われた「Festvorstellung anlässlich des 85. Geburtstages von Prof. Rudolf Bibl」の「こうもり」に間違いありません。

ビーブルさん自身が引退する訳ではありませんが、こういった記念公演の時は歌手、オーケストラ共に気合いが入るので、なかなか良い内容になります。

本編終了後、オーケストラが「ハッピーバースデー・ツーユー」を演奏。この段階で、お客さまもスタンディングとなり、演奏終了後、Robert Meyerさんがご挨拶を行い、花束の贈呈。最後にRudolf Biblさんからお礼のご挨拶があって、お開きとなりました。やはり、この公演が一番印象に残っていますね。

それ以外の通常公演では、圧倒的に多く観ているフォルクスオーパーの「伯爵令嬢マリッツア」がお気に入りであることには間違いありません。2013/14シーズンの3月22に日プルミエを迎えましたが、出演者、演出ともになかなか良くできたプロダクションだと思います。

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この前のブダペストカラーが強かった演出もFeri個人としては気にいっていたのですが、現在のバージョンでは、3幕でペニジェクにRobert Meyerさんを起用したことで、お芝居に大きな変化が付きました。ここが良くなった点と言えるでしょう。また、テンポの良い演出も気にいっています。

ただ、個人的には衣装が、もう少し当時の雰囲気を出したものにしてくれたら言うことがないのですが‥ その意味では、衣装に関しては前演出の方がお気に入りです。

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舞台装置や演出という観点では、バーデンの「チャールダーシュの女王」も非常に気に入ったのですが、如何せん、シルヴァ事件があったので、評価が下がってしまいました。

とにかく、今、魅せる、聴かせるシルヴァ役の歌役者さんが存在しないのが「最大の問題」と言えるでしょう。常連客を魅了するオルフェウム劇場の歌姫という設定なのですから、圧倒的な歌唱力がないと雰囲気がねぇ‥ シルヴァ以外のキャストが良かったので、次点と言ったところでしょうか。

しかし、バーデンはInszenierungがSebastian Reinthallerさんになってから、全体的に劇場の規模を考えた身の丈に合った演出のオペレッタを上演するようになり、レベルが上がったような気がします。2015年も、期待できそうです。

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ところで、2014年、Feriの印象に残った歌役者さんはBoris Ederさんです。「伯爵令嬢マリッツア」のコローマン・ジュパン男爵、「ルーナ夫人」のテオフィル、「メリーウィドウ」のニグシュなどに起用されていますが、歌だけではなく、お芝居が非常に良くなってきている印象があります。今後、成長株の若手として注目したい歌役者さんです。

なお、オペレッタではありませんが、ミュージカルでは「オズの魔法使い」が、なかなか良い仕上がりです。Feriは12月中に観ているのですが、2015年、最初のエントリーで詳細をお伝えする予定です。

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フォルクスオーパーに関しては、オペレッタが短期間の集中上演方式に切り替えられたため、演目によっては「ダレた演技」が出てくるようになった点です。昨年、プルミエを迎えた「ヴェネチアの一夜」が、その代表。楽しいプロダクションなだけに残念です。

さて、オペレッタに話を戻すと、コメントをいただくオペレッタファンのSteppkeさまのように、ドイツへ遠征すれば、楽しいオペレッタを観ることができる可能性が高いようです。

ただ、Feriは諸般の事情により、現在、遠征は中断しています。それにしても、オーストリアでは全般的に低調なオペレッタが、ドイツで、なぜ復権してきたのか‥という理由も興味があるところです。また、客層の違いというのも、関心がありますね。

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さて、オペレッタ以外も含めて、Feriが2014年の1年間にオーストリアで観た全ての公演は30回です。これも少ないですね。よく、友人から“Feriさんは値段の高い席ばかりで観るから、回数を稼げないのですよ”と指摘されますが、これはごもっとも。最近は可処分所得が少ないので、2015年は方針転換が必要かもしれません。

2015年は、2月に2014/15シーズンのフォルクスオーパーで唯一、プルミエを迎えるオペレッタ「パリの生活」があります。さて、これが、どのような演出になるかが、大げさですが、今後を左右する気もします。

何しろオペレッタのプルミエが1シーズンで1公演というのは、異例ですから‥ マイヤーさんをはじめとする制作陣に期待したいところです。

それでは、皆さま、良いお年をお迎えください。そして、新年は恒例、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを楽しみましょう。2015年はズービン・メータさんの指揮なので、安心して観ることができそうです。


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Comments

Feriさん、大晦日を無事迎えられて何よりです。

この1年、オペレッタの話題と、中央駅や空港駅など次々と変化するウィーンのニュースを読むことが出来て、ウィーンを離れても、隣町のようにウィーンを感じていることができました。
毎日の執筆、本当にありがとうございました。

来年は、リング通り誕生150周年!とのことで、ウィーンミュージアムの特別展が5月15日~らしいので、5月にウィーンに滞在します。
「ドン・パスクワーレ」「セヴィリアの理髪師」「ナブッコ」のチケットは入手済。フォルクスオーパーは「こうもり」だけなのが残念ですが、秋にもドイツへ行く計画があるので、そこで挽回できるかな?と思っております。

来る年も、ブログを楽しみにしております。よい、お年をお迎えください。

Posted by: ぷいい | December 31, 2014 at 11:36 AM

Feri さん、こんにちは。ドイツに浮気している Steppke です。

何故、ドイツでオペレッタが復調しているのか分かりませんが、Komische Oper Berlin に限っては、2012/13シーズンから Intendant になった Barrie Kosky の力のようです。
ホームページを見ると、今は無き Metropol-Theater の正当な後継者と書かれています。Metropol-Theater は、1997年、開場100周年を目前に破産して消滅しましたが、旧東ベルリンのオペレッタ専門劇場で、古き良き時代のオペレッタを継承していました。Komische Oper は、第2次世界大戦まで Metropol-Theater だった建物にあります。(大戦後、Metopol-Theater は他に移され、Walter Felsenstein が新たに開いたのが Komische Oper です) その後継者を標榜するのなら、オペレッタに力を入れるでしょうね。
マイクを多用して、レビューに近い現代的でスピーディーな演出により、成功を収めているように思われます。(Youtube で Trailer を見る限り、オペラでは行き過ぎの感がありますが..)
1月末~2月初めの Operettenfestival は、行けそうにないのにチケットの販売状況を見ていますが、もうほとんど残っていません。若い層を含めて、かなりの人気を得ているようです。

今年は10回、オペレッタに行きました。(他にオペレッタ・コンサートに2回) その中では、正統的な(に近い)演出だった Volksoper の Gräfin Mariza と バーデンの Ein Walzertraum が気に入っています。しかし、圧倒的に印象に残ったのは、やはりベルリンの Clivia と Arizona Lady でした。
オペレッタが、過去の遺物として生きながらえているのではなく、現代にいきいきとした活躍の場をもっているという感じです。
バーデンの Zwei Herzen im Dreivierteltakt では、最後に取って付けたかのようにレビューがあり、その為か全員マイクを付けてもいましたし、この方向性がオペレッタ活性化の道のように思えます。

今年もまた様々な話題を提供して頂き、有難うございました。
来年も期待しています。

Posted by: Steppke | December 31, 2014 at 12:58 PM

Steppkeさま、コメントと情報提供、ありがとうございます。

ドイツはわかりませんが、ウィーンの場合、お客さまを呼べるオペレッタ歌手(歌役者)さんが、事実上、存在しない以上、演出でカバーするしか方法はないような気がしています。

フォルクスオーパーでは「白馬亭にて」は全員がマイクを使っていましたが、マイクの使用については、色々な意見があるようです。本当は、演出の方向性やマイクの使用などの考え方を「お客さまとの集い」でダイレクターに聞いてみたいところです。

今年も色々とお世話になりましたが、2015年は私にとって公私ともに「節目の年」になります。

さて、果たしてどうなることやら‥オペレッタのような展開がまっているのでしょうか?

Posted by: Feri | December 31, 2014 at 03:28 PM

ぷいいさま、コメント、ありがとうございます。

また、ご愛読、感謝いたします。ご存じかと思いますが、5月は「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」(Eurovision Song Contes)が、5月19日~23日までウィーンで開催されます(2014年にブルストさんが優勝した結果ですが‥)。

すでにホテルが旅行業者さんに押さえられているという話も聞きますので、大変だと思います。

どうぞ、良いお年をお迎えください。

Posted by: Feri | December 31, 2014 at 05:31 PM

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