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December 04, 2014

バイクも運ぶオートライゼツークAutoreisezug(Auto am Zug)

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今日は「自動車やバイクを乗客と一緒に運ぶオートライゼツーク(Autoreisezug)の話題」をお届けしましょう。

こちらでは、今でも自家用車やバイクを、自分の乗る列車で一緒に運ぶAutoreisezug(Auto am Zug)が運転されています。

自分は運転することなく、目的地まで行くことができ、目的地では旅行の荷物も搭載した自分の車でドライブができるという、観光には便利な列車です。ドイツでは1930年代から運行されていたようですが、本格的な運行が始まったのは、戦後の混乱が集束し、バカンス旅行が一般的になった1960年代です。

オートライゼツークは長距離で威力を発揮するため国際列車も多く設定されました。寝ている間に目的地に到着するとお客さまのメリットが最大化されるため、夜行列車形態のオートライゼツークが主流でした。

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旅客列車の速度で運行するため、車両を搭載する貨車も高速走行に対応できる特別仕様のものが使われています。

具体的には台車が客車と同じものになっているのが特徴。そのため、最高速度は160km/hに設定されています。今では200km/hの列車が多くなりましたが、当時は160km/hが特急列車の標準的な最高速度だったので、高速仕様の特殊貨車と言えるでしょう。

また、自動車の積み込み後、お客さまは貨車と併結されている客車に乗車するため、旅客駅の一部に自動車積み込み施設を設けるのが一般的です。電化区間で上に架線があるため、接触防止のため、ランプの入り口には高さ制限を示すゲートがあります。

ウィーンでは西駅に自動車積み込み用の設備があります。搭載する自動車ですが、普通乗用車やオートバイ(サイドカー付きを含む)に加えて、寸法の制限はあるもののキャンピングカー(トレーラー形式を含む)の搭載も可能です。

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オーストリアでは、現在、以下のルートでオートライゼツークが運転されています。

○国内ルート
-Graz-Feldkirch間(EN464;21:15→7:21/EN465:22:42→7:00/自動車:72Euro、バイク:36Euro)
-Villach-Feldkirch間(EN414:21:30→7:21/22:42→6:05)
-Wien-Feldkirch間(IC860:7:48→15:05/IC961:14:46→22:15/EN246:22:56→7:49/EN247:22:27→7:08/自動車:78Euro、バイク:39Euro)
-Wien-Innsbruck間(IC860:7:48→12:56/IC961:16:00→22:15)

○国際ルート
-Wien-Hamburg間(EN490:20:00→8:04/EN491:20:20→8:44/自動車:106Euro、バイク:53Euro)
-Wien-Livorno間(EN1237:20:09→8:50/EN1234:19:20→8:52/自動車:149Euro、バイク:99Euro)
-Wien-Verona間(EN60235:19:08→6:40/EN481:23:25→8:47)

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なお、自動車の積み込み・積み卸しはフェルトキルヒ(Feldkirch)、グラーツ(Graz Hbf)、インスブルック(Innsbruck Hbf)、フィラッハ(Villach Hbf)、ウィーン(現在は西駅、ダイヤ改正からは中央駅)で可能です。

ご覧のように、ほとんどが夜行列車ですが、Wien-Feldkirch間だけは、珍しい昼行特急のオートライゼツークが存在します。今回、お目にかける写真は、WestBahnhofで撮影したIC680のものです。

この日は、乗用車は少なく、バイクが多かったのが印象的でした。確かにバイクでの長距離移動は疲れますから、現地での活動を考えるとオートライゼツークを利用するというのは、「賢い選択」と言えるかもしれません。

車両搭載後は、船のフェリーと同じく、係員が金具で固定しています。日本だと搭載している自動車やバイクに傷が付くことを避けるため、有蓋車を使っていましたが、ヨーロッパでは、基本的に写真のようなオープンタイプが一般的です(例外はユーロトンネルシャトルのダブルデッカーでしょうか)。

バカンスに便利なオートライゼツークですが、各国国鉄の民営化後は、減少傾向にあります。というのは、旅客鉄道会社の利益に貢献しないためだとか(運搬する自動車は貨物扱いになるためのようです)。

こちらでも、旅客列車の高速化進展により、夜行列車自体も減っており、運用効率の良くない専用貨車が必要なオートライゼツークは、旅客鉄道会社にとっては「お荷物」になりつつあるようです。場合によると、今後はバカンスシーズン限定の季節運行に移行する可能性が高いですね。

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ただ、12月のダイヤ改正以降も、Wien HauptBahnhofからベルリン、ブカレスト、デュッセルドルフ、フィレンツェ、ハンブルク、ハノーバー、ケルン、クラクフ、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア、ヴェローナ、チューリヒ方面への夜行列車運行が決定しています。その点、夜行列車が壊滅状態の日本よりは、良いのかもしれません。

さて、2014年12月のダイヤ改正から、ウィーン発着のオートライゼツークはHauptBahnhofに移ることが決まっていますが、運行が縮小される傾向があるのに、良く専用施設を設けたものです。

このほか、オーストリアやスイスでは、アルプスを抜けるトンネル区間だけ、自動車を搭載して運ぶフェリー列車も運転されています。

ÖBBでは、Autoschleuse Tauernbahnがタウエルントンネルのバイパスとしてザルツブルク州とケルンテン州を結んでいます。運行区間はBöckstein-Mallnitz-Obervellach間(8370m)。所要時間は12分で、1時間間隔で運転されています。

こちらは「道路の代わり」といった位置づけで、以前はお客さまも自動車に乗ったまま輸送していたのですが、安全上の問題から、2001年以降は自動車から降りて、連結されている客車に乗り換え方式に変更されています。

一時期、日本でも青函トンネル活用策として、この手のフェリー列車を検討したこともあるようですが、結局、話は立ち消えになりましたね。

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