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February 22, 2015

フォルクスオーパー「パリの生活」(PariserLeben)プルミエレポート(1)

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2014/15シーズン、フォルクスオーパーで唯一のオペレッタ新作「パリの生活」が、2月21日にプルミエを迎えました。

今シーズン、フォルクスオーパーでは、ミュージカルが大量に上演される反面、オペレッタが集中上演方式に切り替わるなど、大きな変化がありました。

例年ですと、オペレッタの新作は2本程度、登場するのですが、今シーズンは「パリの生活」1本だけ。言葉は悪いですが、「背水の陣」で迎えたプルミエのような気がします。

実際、満席が多いミュージカルに対して、オペレッタは本当にお客さまが入っていません。

「パリの生活」は、ジャック・オッフェンバックが作曲したフランス・オペレッタの傑作です。パリに密着した作品なので、フランス語圏の劇場では、比較的良く上演されているようですが、ドイツ語圏の劇場でも上演されています。

ただ、フランスの小粋な雰囲気をドイツ語圏の劇場で再現するのは、言葉の問題もあり、ある意味、難しいかもしれません。

Feriは、残念ながら生で見るのは今回が初めてです。従って、オリジナルと比べることはできません。

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今回の制作スタッフは、脚本・演出はMichiel Dijkemaさん、衣装はClaudia Dammさん、振付はBohdana Szivaczさん、合唱指揮はThomas Böttcherさん。

指揮はSébastien Roulandさん(フランスの方です)。主なキャストは、以下のとおりです。

-ゴンデルマルク男爵夫人(Baronin von Gondermark):Caroline Melzerさん
-ゴンデルマルク男爵(Baron von Gondermark):Kurt Schreibmayerさん
-ラウル・ドゥ・ギャルドフー(Raoul de Gardefeu):Daniel Prohaskaさん
-ボビネ(Bobinet Chicard):Rasmus Borkowskiさん
-メテラ(Metella, Dame der Halbwelt):Annely Peeboさん
-手袋屋ガブリエル(Gabrielle, Handschuhmacherin):Elisabeth Schwarzさん
-靴屋フリック(Jean Frick, Schuster):Christian Drescherさん
-ブラジル人(Der Brasilianer):Boris Pfeiferさん
-ポーリーヌ(Pauline, Stubenmädchen):Johanna Arrouasさん
-マダム・クインパー・カラデック(Madame de Quimper-Karadec):Helga Papouschekさん
-マダム・フォル・ヴェルデュール(Madame de Folle-Verdure):Sulie Girardiさん
-ユルバン(Urbain):Thomas Zistererさん
-プロスペル(Prosper):Karl-Michael Ebnerさん
-ジョゼフ(Joseph, Fremdenführer):Franz Suhradaさん
-ゴントラン(Gontran Chaumière):Gernot Krannerさん
-給仕長アルフレッド(Alfred, Kellner / Fensterputzer):Georg Wacksさん
-トラック運転手(Lastwagenfahrer):Samuel Colombetさん
-駅員(Bahnangestellte):Susanne Litschauerさん

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○良いキャスティング
最近のフォルクスオーパー新演出オペレッタでは、お芝居のレベルは上がりましたが、歌唱力が今ひとつという歌役者さんが起用されるケースがありました。確かにオペレッタの場合、お芝居が下手くそだとどうしようもありません。が、歌劇である以上、歌も聴かせるものであってほしいと思うのがオペレッタファンです。

さて、今回の「パリの生活」は、重唱でもソロパートがはっきり分かれているなど、単独で歌う場面が多い作品です。

その観点で見ると、歌唱力のある歌役者さんをキャスティングしているという印象でした。オペレッタプルミエを一本に絞った「背水の陣」ならではかもしれませんが、基本的に成功していると思います。

特に女性陣は見事。ゴンデルマルク男爵夫人のCaroline Melzerさん、メテラのAnnely Peeboさん、ガブリエのElisabeth Schwarzさん、ポーリーヌのJohanna Arrouasさんなどが、自分の持ち味を十分発揮した歌いぶりだったと思います。

男性陣でもゴンデルマルク男爵のKurt Schreibmayerさんが光りました。久しぶりにソロで歌う場面を観ましたが、さすがです。

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なお、男爵にはMorten Frank Larsenさんも出演予定がありますが、役の設定(田舎のお人好し貴族)から考えるとKurt Schreibmayerさんの方が合っている感じがします(ただ、プログラムを見ると特殊メイクでかなり老けた感じになっています)。

心配していたラウル・ドゥ・ギャルドフーのDaniel Prohaskaさんも、以前に比べると声量も豊富になり、ツボを得た演技だったと思います。このほか、靴屋フリックのChristian Drescherさん、ボビネのRasmus Borkowskiさん、ブラジル人のBoris Pfeiferさんも、演技の面では良い味を出していたと思います。

ただ、「パリの生活」というタイトルが現すように、フランスの小粋な味が出ていたかと言うと、ギャルドフーのDaniel Prohaskaさん、ボビネのRasmus Borkowskiさんとも、厳しかったような気がします。ギャルドフーは「パリのプレイボーイ」ですが、Daniel Prohaskaさんは、ちょっとそんな感じには見えません。

○時代は現代
オリジナルの作品の時代設定は「初演当時のパリ」なので1866年、つまり19世紀中盤ということになります。が、今回の演出は現代です。

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一応、スェーデンからやってきたゴンドルマルク氏は男爵号をつけていましたが、後のキャストは基本的に平民。街の普通の人がゴンデルマルク男爵夫妻を引っかけるために、お金で協力するという想定です。

そのため、ホームレスやストリートアート、売春婦、子供の置き引き、外国人など、パリの人が見たら、正直、顔をしかめてしまうような人物が大量に登場します。

最もパリの皆さんは「表現の自由」と「風刺」には寛容だそうですから、笑って済ませてくれることでしょう。

○室内はシンプル、屋外は意外と細かい舞台装置
最近、フォルクスオーパーで上演されるオペレッタは舞台装置が変わっていることが多いのですが、今回も「ご多分に漏れず」‥という感じです。

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まず、基本的に街の中は小道具も含めて非常に細かいのです。これは衣装についても言えることで、今のパリにいそうな感じの服をまとった皆さんが登場します。

実は町の人が仮装をする際の衣装は、3回とも劇場衣装部のトラックから盗み出すのですが、トラックのナンバープレートはしっかりFになっていました。また、街頭物売りがエッフェル塔の置物を持っていたりします。

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逆にギャルドフーのアパルトマン内などは極めてシンプル。小道具もイスやテーブルくらいしかありません。最もパーティの場面では、皆さんが色々な小道具を持ち込むので、雰囲気は出ますが‥

なお、例によって今回も回り舞台を上手に使って、場面転換を図っています。このほか、全体的な色調として照明は青がベースになっています。

○前半ノリノリ、後半は‥
見始めた当初、今回の演出はなかなか良いと思いました。特に前半、ゴンデルマルク男爵夫妻がパリに到着してから、グランド・ホテルの別館に模したギャルドフーのアパルトマンへ案内する場面までは、場面転換も含めて目を離せない展開です。

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さらにギャルドフーのアパルトマンでのゴンデルマルク男爵とギャルドフーのやり取り、第3幕のアパートでの晩餐会、偽スイス提督が主催する仮装パーティ、さらに街へ繰り出してのどんちゃん騒ぎ、前半の最後はパーティから流れた一行がグランドレビューの稽古場に乱入して大混乱などはオペレッタの真髄と言っても良い展開でした。

前半は1時間40分と、結構、引っ張るのですが、場面転換と登場人物の多才さもあり、時間が短く感じられるほどです。

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休憩を挟んだ第4幕からは聴かせるアリアはあるものの、前半に比べておとなしい展開。第4幕と第5幕の間はストリートダンスで場面転換しますが、前半に比べると華やかさは弱い感じです。ちなみに後半の時間は40分ほどです。

本来、フィナーレはブラジル人が主催するパーティで大盛り上がり(カンカンが踊られて、リフレインを繰り返します)になるようです。

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しかし、今回のフォルクスオーパー版でも、ガブリエルと結婚したブラジル人の仮装パーティにギャルドフー、メテラのカップルも加わって派手な踊りを披露しているのですが、駅で列車を待つ寂しげなゴンデルマルク男爵夫妻の印象が強く、正直、後味が良くありません。

男爵夫妻が気のきいた会話でも入れてくれたら、救いになるのですが‥

とくにfバレエ団によるカンカンが入っていないのが残念ですね。逆に前半最後のグランドレビューの場面が、エンディングにはふさわしいような華やかさでした。

一言で言えば、「前半ノリノリ、後半は息切れ」といったイメージです。

第2回目からは、舞台の展開に沿って、ネタバレ承知で内容をご紹介します。


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