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February 09, 2015

グルベローヴァ国立歌劇場デビュー45周年記念公演<ご挨拶付き>

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2月7日、国立歌劇場で「45 Jahre Edita Gruberova an der Wiener Staatsoper」と題したコンサートが開催されました。

グルベローヴァさんの、国立歌劇場デビューしたのは1970年2月7日。演目はモーツァルトの傑作「魔笛」の「夜の女王」のカバーでした。初出演の日に合わせるとは粋な計らいです。

当時は、東西冷戦時代でしたから、なかなか東側陣営から単独で歌手が西側の歌劇場に出演するのは難しい時代。それだけに鮮烈なカバーデビューだったそうです。1970年と言えば、日本では大阪で万博が開催されたとし。Feriは、まだ中学生。オペラとは無縁の小僧でした。しかし、それから45年間も現役の歌手としてオペラに出演している訳ですから、すごい方です。

通常、グルベローヴァさんが出演する国立歌劇場の公演は、熱心なファンしか来場しないため(つまり一見さんが少ないため)、比較的チケットがとりやすいのですが、今回はスタンバイでも全く入手できませんでした。

ところが、年が明けて1月前半、Cultrallのサイトを見ていたら、大量に良い席が戻ってきているではありませんか。鹿も定価で‥この時は、Feriお得意の最前列も空いていたのですが、コンサート形式の場合、オーケストラピットが上がるため、最前列は音楽鑑賞には良くありません。

そこで、あえて正面に近いLogeにしました。その後、すぐにチケットは、また売り切れになりましたので、ある意味、本当にラッキーでした。

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国立歌劇場のwebサイトを見ていると、共演者が書かれていないのですが、月間プログラムには、共演者が書かれていました。どちらが正解なのかは、当日までわかりませんでしたが、結局、劇場に掲出してあるポスターで確認したところ、やはり共演陣がいるようです。

指揮は、前日に「トスカ」を振ったMarco Armiliatoさん。共演陣は、以下のとおりです。

-Margarita Gritskovaさん(mezzosopraan)
-Monika Bohinecさん(mezzosopraan)
-José Brosさん(Tenor)
-Carlos Osunaさん(Tenor)
-Marco Cariaさん(Bariton)
-Paolo Rumetzさん(Bariton)
-Dan Paul Dumitrescuさん(Bass)

当たり前ですが、今日はいわゆる一見さんは少ないようで、劇場の雰囲気も通常公演とは随分と異なっていました。Feri、個人としては、「世界の観光地」と化した状態よりも、こういった雰囲気の方が好きですね。

コンサート形式のオペラと同じ配置で、舞台の奥に合唱団、その手前にオーケストラ、最前列に歌手が陣取るという形です。「ノルマ」などでおなじみのパターンですね。

19時から演奏が始まりましたが、グルベローヴァさんが登場した瞬間、盛大な拍手が鳴り響き、指揮者のMarco Armiliatoさんも演奏を一時ストップ。記念公演らしい盛り上がりです。当日の曲目ですが、

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Gaetano Donizetti 作曲「LUCIA DI LAMMERMOOR」から
-Coro "D'immenso giubilo"
-Gran Scena con Cori (Raimondo)
-Scena ed Aria (Lucia)

Vincenco Bellini作曲「I PURITANI」から
-Introduzione
-Scena ed Aria (Elvira)

休憩(PAUSE)を挟んで、後半。

Gaetano Donizetti 作曲「ANNA BOLENA」から
-Sinfonia
-Ultima Scena

Gaetano Donizetti 作曲「 ROBERTO DEVEREUX」から
-Atto Secondo: Introduzione
-Scena ed Aria finale (Elisabetta)

というプログラムでした。拍手のフライングもほとんど無く、演奏が終わるたびに盛大な拍手とブラヴァの嵐。何しろ途中からスタンディングになってしまうのだから、熱狂ぶりがよくわかります。

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本編終了後、「45」を花で模ったオブジェが舞台に届けられました。その後、カーテンコールの後、「 ROBERTO DEVEREUX」のエンディング場面がアンコールの形で歌われました。エリザベッタ、渾身のアリアですね。

前半は若干、抑え気味だったような気がしましたが、後半は調子を上げているような感じでしたが、全盛期のような「アリア後半の突き抜けるような高音」は実現せず。まぁ、お歳を考えると、この点はやむを得ないでしょうね。しかし、その分、歌唱技術や役への感情移入は見事で、コンサート形式ながら魅せるものがありました。

しかし、グルベローヴァさんの力を最大限引き出すことができたマルチェロ・ヴィオッティ(Marcello Viotti)さんがご存命で、2005年2月5日の「ノルマ」プルミエのように振ってくれたら、もしかすると更に素晴らしい歌唱ぶりを披露してくれたかもしれません。

そう言えば、2005年2月5日の「ノルマ」プルミエがグルベローヴァさんとヴィオッティさん最後の共演でしたね。

さて、José Brosさんをはじめとする共演陣も気心が知れたメンバーなので、呼吸もピッタリでした。最も今日はおばさまに華を添える存在でしたが‥

終了後、メイヤー総裁が花束を持って舞台に登場。花束を渡してから、グルベローヴァさんの功績をたたえるご挨拶。

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今回のサプライズは、劇場側からグルベローヴァさんのはまり役「ナクソス島のアリアドネ」、ツェルビネッタの衣装と小道具がプレゼントされたことでしょう。新演出に切り替わり、もう旧演出の衣装・小道具はお役御免になったからかもしれませんが‥ Feri個人としては、今回、ツェルビネッタのアリアを聴きたかったのですが、それは叶いませんでした。

その後、それに応える形で、グルベローヴァさんからも返礼のご挨拶。周囲への気配りを忘れないグルベローヴァさんらしく、素晴らしい挨拶でした。挨拶が終わると舞台に一番近いBalkonから盛大に花吹雪が‥ この花吹雪、実はグルベローヴァさんの写真と感謝のメッセージを色々な言語で印刷したものでした。国立歌劇場としては珍しい演出だと思います。

後は、おなじみ怒濤のカーテンコール大会。当日は熱心なファンが多いため、カーテンコールの数はカウントできないほど多かったですね。

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21時30分に幕となるスケジュールでしたが、実際にカーテンコールが終わったのは、22時15分を回っていました。
その後、楽屋口に向かいましたが、今日は恐らくメイヤーさん主催のパーティがあるため、サイン会は難しいだろうと思ったら、案の定、その通りでした。

23時過ぎに楽屋口からメイヤー総裁やスタッフと一緒にグルベローヴァさんが登場。ファンからの盛大な拍手で迎えられます。ホテル・ザッハーでパーティがあるようなので、足早にホテルへ向かっていかれました。

今回のプログラムには、出演記録が出ていましたが、45年間の総出演回数は何と699公演。オペラの役は48に及びます(同一の演目で役が違う場合もあるため、出演演目は少なくなります)。

この中で、最も出演が多いのは「ナクソス島のアリアドネ」の「ツェルビネッタ」で、100回。以下、「ランメルモールのルチア」の「ルチア」(88回)、「魔笛」の「夜の女王」(69回)、「ロベルト・デビュリュー」の「エリザベッタ」(33回)、「清教徒」の「エルヴィラ」(32回)と続きます。

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意外なのはオペレッタ「こうもり」の「アデーレ」にも1979年12月31日から1986年2月9日まで、都合31回も出演しているところでしょう。オペレッタファンのFeriとしては、映像作品ではなく、本物を観たかったところです。

なお、「こうもり」では「イーダ」でも3回出演しています(1972年12月31日~1974年1月1日)が、アデーレの方がはまり役だったことでしょうね。

役者さんでも45年間、舞台に立ち続けるのは大変だと思いますが、オペラ歌手の場合、身体的な負担も相当なものだと聞いています。それだけに、今後、45年間も現役(しかも高いレベルで‥)で活躍できるオペラ歌手は、出てこないような気がします。

Feriは2000年にグルベローヴァさんに出会って、滝に打たれたような衝撃を感じ、一発でファンになってしまったのですが、それから15年。Feri個人の生活環境も大きく変わりましたが、よく追っかけが続いたものです。

ホテル・ザッハーへ向かったグルベローヴァさんを見送り、ウィーンの街をクールダウンしながらアパートへ戻ったFeri。今宵のGRÜNER VELTLINERは、一段と美味しく感じたのは言うまでもありません。

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Comments

初めまして。90年代半ばからグルベローヴァの大ファンで、以来、日本公演、ヨーロッパと追っかけてます。今回も去年3月、早々にチケットを申し込み、6列目で聞きました。最初のルチアこそ、やや音が安定しない感がありましたが、あとはさすがグルベローヴァでした。お歳を考えれば、もう奇跡としか言いようがありません。彼女が歌う限り、私のヨーロッパ旅行は続くことでしょう。
あと、あの雪の日、私もある所から37番のトラムで、ショッテントーアに向かっていて、トラムが大行列になり、全員降ろされてしまいました。ずっと前のトラムに再び乗りましたが。まぁ、色々充実したウィーンでした。明日、日本に帰ります。

Posted by: Yumi | February 12, 2015 01:54

Yumiさま、コメント、ありがとうございます。

もしかしたら、カーテンコールの再、お隣にいらっしゃったかもしれませんね。

しかし、楽屋口から出てきたグルベローヴァさんの笑顔に、本公演の全てが象徴されていた気がします。

Posted by: Feri | February 12, 2015 16:51

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