「CityJet」、まもなく登場
昨晩は週末ということもあり、ウィーンでは職域や業界団体主催の舞踏会が花盛りでした。こちらは職場や業界の親睦会のような位置づけなので、古くから続いている行事です。
大きなところでは「Wiener Polizeiball」(ウィーン警察舞踏会」が市庁舎で、「BonbonBall」がコンツェルトハウスで、それぞれ開催されました。
以前もご紹介したことがありましたが、舞踏会には結構費用がかかるため、スポンサー集めに加えて、一般の方から寄付を募るケースがあります。警察の場合、警察官が戸別訪問をして寄付を募っていることもあるようです。
ところで昨日は「13日の金曜日」だったのですが、舞踏会開催には、あまり関係がないのでしょうかね。この後、各区主催の舞踏会も企画されているようです。
さて、今日は、現在、ÖBBが鋭意製造中の新型近郊型電車「CityJet」が、その姿を見せた話題をお伝えしましょう。
2014年2月10日にORFで放送されたニュース番組「Wien Heute」で、SIEMENS工場内で環境適応テストを行っている「CityJet」が紹介されました。
恐らく実物の映像が出てくるのは、今回が初めてかもしれません。気象再現ルームに「CityJet」の編成を入れて、気温を氷点下に下げ、各種の機器が予定通り作動するか、客室内の快適性はどうかなどをテストしているようでした。
Feriは、オーストリアでは鉄道車両を対象に、ここまで過酷な環境適応テストをしているとは知りませんでした。寒冷地での運用が前提のヨーロッパらしいですね。
また、日本ではmakerでテスト中の新車を一般の報道機関に取材させることは少ないので、この点も興味を引かれました。
量産先行車だと思いますが、客室設備などはすべて取り付けられており、当初、イラストで紹介されていたとおり、なかなか快適な電車になりそうです。
ただ、試験中だったため、すべて養生がなされており、その全貌はわかりませんでしたが‥
なお、(CityJetの詳細はこちらの記事)をご覧ください。おおむね完成予想イラストと同じです。
番組では、SIEMENSとÖBBの担当者がインタビューに応じていましたが、床が高くて、乗り降りが不便な4020型と置き換えられるようです。そうなるとシュヴェヒャート空港へ乗り入れるS7などにも投入される可能性がありますね。
狭い場所での取材だったので車両の全景は映りませんでしたが、正面はご覧のとおり。SIEMENSが製造するヨーロッパ標準型の電気機関車Taurus(1016と1116)にそっくりですね。
先頭部を絞り込んだBombardier製の4024型とはちょっと異なったスタイルになっています。
CityJetは、当面、ウィーンのSバーン用(30編成製造予定。1編成の座席数244席)と、近距離区間用(70編成製造予定、1編の座席数が259席)の2タイプが製造されます。
ちなにに座席定員の違いは、Sバーン用は出入り口の数が多いためです(Sバーン用は1両に出入り口が2箇所。近距離用は先頭車が1箇所、中間車が2箇所)。
ただ、コンセプトや基本設備は同じです。定員を増やすため、4024型のような連接構造は採用されていませんが、最高速度は160km/hとなっています。
先日、4024型にEntspannungszoneが設けられた話題をお届けしましたが、CityJetが、ここまで完成しているとなると、共通運用を組む都合上、ある程度の仕様統一も必要になってくることがよくわかります。
さて、現車がいつ、ÖBBの路線上に姿を見せるかは、定かではありませんが、春の訪れに合わせて登場しそうな感じがします。
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