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February 23, 2015

フォルクスオーパー「パリの生活」(PariserLeben)プルミエレポート(2)

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それでは、昨日に引き続き、舞台の展開に沿って、ネタバレ承知で内容をご紹介しましょう。なお、本作品は通常公演では英語字幕が表示されますが、習わしによりプルミエでは字幕は表示されませんでした。

○第1幕
パリ北駅(Gare du Nord)でギャルドフーとボビネが別々に人を待っています。舞台装置は駅のプラットホーム。「Gare du Nord」の駅名表示も見えますが、なぜか列車の到着案内はチャイムも含めてÖBBのもの。当然、ドイツ語ですが、笑ってしまいます。

なお、最初と最後はパリ北駅になっていましたが、これはTVGやユーロスターが乗り入れる国際駅なので、妥当な選択と言えるでしょう。

ふたりはかつて仲のいい友達でしたが、メテラという名のエスコートレディ(高級娼婦)を巡って仲違いし絶交したのです。このメテラは、名付け親の誕生日で、トゥルヴィルにお泊りに行っており、今日、パリに戻ってくるという訳です。

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ちなみに列車は実際に舞台上に登場しませんが、奈落から階段状のセットが上がってきて、これが列車のイメージになっています。お客さまが階段の両側に座っているので、これが車内という想定なのでしょう。

列車が着き、メテラがコントランと腕を組んで降りてきます。メテラは、ギャルドフーとボビネを他人のように無視するので、結果といて2人は仲直りするのでした。正に「敵の敵は味方」。

この時、メテラが歌うアリアはなかなかです。ボビネは、若い女に金を使うよりも、上流階級の有閑マダムのヒモになるのが生きる道と、「伯爵夫人の悲しみをよそに」を歌って、駅を去って行きます。

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行く当てのないギャルドフーは駅頭で途方に暮れていると、グランド・ホテルで働く観光案内人をしている知人ジョゼフと出会います。

ジョゼフが、スウェーデンからの旅行者ゴンデルマルク男爵夫妻を待っていることを知ったギャルドフーは、駅でガイドを待つ美人の男爵夫人を見た瞬間、ジョゼフから役目を買い取ります。

そして、ゴンデルマルク男爵夫妻に観光ガイドであると名乗り出ます。男爵夫妻はICに乗ってパリへやってきたのです。

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この時、ギャルドフーは、夫人はオペラ鑑賞、男爵の目論見は恋のアバンチュールであることを知るのでした。この時、夫人の手はオペラのパンフレットが‥芸が細かいですね。

そして、ギャルドフーは、夫妻の大荷物をかかえて何と自分のアパルトマンへ案内することに‥

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ここで駅の外に場面転換。登場するのは、リッチなブラジル人。「俺はブラジル人」を怪しげな女性を引き連れながら歌います。ブラジル人の回りには大勢のパリの住民が集まります。その中には観光客を狙った物売り、子供の置き引き、警察官、掃除係、怪しげな女性なども。

通りかかったゴンデルマルク男爵夫妻も、この喧噪に巻き込まれます。このあたり、細かい芝居が見物です。

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場面は変わってギャルドフーのアパルトマン近く。ここで靴屋のフリックが店を構えています。そこへ、通りかかった手袋売りのガブリエル。2人のやり取りと、ガブリエルのロンドが聴きどころです。

ギャルドフーは先回りして自宅アパートに「グランド・ホテル」の偽看板を掲げます。そこへ、ゴンデルマルク男爵夫妻が到着。途中で荷物をすられていますが、お構いなし。

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○第2幕
ギャルドフーの「アパルトマンの広間」から始まります。

ギャルドゥフーは、男爵と夫人を別々の部屋に案内すします。夫人が部屋に入ると男爵が“ここはグランド・ホテルにしては小さいようだが?”と質問します。

ギャルドゥフーは、すかさず、“ここはグランド・ホテルのVIP用別館です”と説明します。男爵はさっそく“友人から紹介された御婦人に是非会いたい”と言い出します。そのご婦人とはメテラ。男爵は紹介状をギャルドフーに託します。

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この時、男爵が喜びを歌うクプレ「快楽に充ちたこの街で」は見事です。Kurt Schreibmayerさんの本領発揮‥と言ったところでしょうか。ギャルドフーをご婦人に見立てて踊ったりします。途中、ハイテンションになったため、心臓発作のような症状も‥

ところが、ここで男爵からホテルの晩餐会の開始時刻を訪ねられて窮地に陥るギャルドフー。男爵に適当に応えたギャルドフーは、フリックやガブリエルに加えて、付近の住民に金を渡して偽晩餐会に参加してもらうことにします。

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しかし、貧しい人が多いので晩餐会用の衣装などはありません。そこへオペラ座衣装部のトラックが通りかかります。ガブリエルがトラックを止めている間に、町の人が荷台から衣装を失敬します。以降、2回、このパターンがあります。

ギャルドフーがアパルトマンに戻ると男爵夫人が、“部屋に指輪が5つもあったわ”と言って、やってきます。ギャルドフーは“前のお客さまの忘れ物です”と言って指輪を預かりますが、そこで指輪の持ち主メテラが訪ねてきます。

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ギャルドフーはメテラに指輪を渡し、男爵夫人が部屋へ戻った後、例の紹介状もメテラに渡すのでした。彼女は文面を読み、明後日に返事すると伝えます。この時、メテラが歌うロンド「憶えておられますか」は聴かせます。

メテラが去った後、仮装をした街の人達が、三々五々、偽晩餐会にやってきます。

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最初に来たのは何とサブマシンガンを手に持ったスコットランド軍少佐軍に変身した靴屋フリック。パリで、サブマシンガンで完全武装した兵士。

時節柄、よろしいのでしょうか(オリジナルは軍医だそうです)。部屋に入るなり男爵に銃口を向けて、これまた大騒ぎに。

その後、各国の人に化けた住民が入ってきて、偽晩餐会が始まります。手袋屋のガブリエルは大佐未亡人として登場。紹介された男爵は、さっそくガブリエルを気に入ってしまいます。

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ガブリエルと男爵の関係に気が気でないのが、ガブリエルを気に入っているフリック。なお、ここでガブリエルが「私は大佐の未亡人」を歌うのですが、途中から乗ってきて後半はチロル風のヨーデルが入ります。フランス語版だと、途中でフランス語からドイツ語に変わるそうです。

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ここで男爵やギャルドフーも交えたドタバタが‥オペレッタらしい展開です。そこへ、ケータリングでピザが到着。偽晩餐会らしく、メインディッシュがケータリングのピザというのが面白いところです。

○第3幕
暗転で3幕へ。3幕の冒頭は「ボビネのアパルトマン前」です。

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ギャルドフーは、男爵夫人と一夜を過ごすため、男爵を架空のパーティに誘い出す作戦を考えます。その架空パーティをボビネに企画・運営してもらおうという趣向です。

すでに男爵にはスイス海軍提督が催す偽パーティの招待状を渡しているので、嫌がるボビネをギャルドフーは金で説得します。一方、男爵はパーティ会場に向かっているため、ギャルドフーは時間稼ぎのため、怪しげな娘(ストリートレディ)に金を渡して、男爵を足止めします。

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その間、ボビネは、もらった金を使って地元の人達をスカウト。その中には隣に住む女性ポーリーヌも入っています。こちらには、もっと怪しげな女性も沢山加わっています。

しかし、パーティ用の衣装がありません。そこへサン・ラザール劇場衣装部のトラックが通りかかります。ポーリーヌが色仕掛けでトラックを止めて、その間に住民が衣装を荷台からかっぱらいます。

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パーティ会場にやってきた男爵は、誰も参加者が居ないので戸惑います。それもそのはず。まだ、準備ができていないのです。

最初にポーリーヌがスイス海軍提督の妻として登場。男爵もポーリーヌの色仕掛けにはまり、メロメロ。その間に、皆が準備を進めます。ここで一旦、幕が下がり、幕の前でポーリーヌと男爵が歌う二重唱「恋は長い梯子です」は聴きどころでしょう。

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幕が上がると、仮装をした怪しげな女性たちが集まっており、パーティの始まりです。「将軍」を名乗るアーバン、「プリンス」と自称するプロスパーなど、個性的な面々。

そこへ、手袋屋のガブリエルも、男爵を長い時間引き留めるための応援として、大佐未亡人の姿で登場。昨晩は自分にぞっこんだった男爵が、今度はポーリーヌに惚れ込んでいるのが気に入らず、ガブリエルとポーリーヌが衝突します。

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そこへ、スイス海軍提督に扮したボビネが登場しますが、衣装が小さいため、ガブリエルに挨拶をした瞬間、制服の背中が裂けてしまいます。六重唱「服の背中が破れていますよ」は3幕の聴きどころです。

いかにも怪しげな面々なのですが、騎馬用の拍車をつけた山国スイスの海軍提督のパーティは盛り上がります。男爵をギャルドフーのアパルトマンに帰さないため、大量のシャンペンを男爵に飲ませて、呑めや歌えの大騒ぎになります。

その後、男爵一行は陽気に夜のパリに繰り出すのですが、ショーウィンドウからマネキンが出てきて一緒に踊るなど、面白い演出がてんこ盛りです。

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その後、一行は、グランドレビューの稽古場に乱入。華やかなグランドレビューに男爵はご機嫌。男爵が稽古中のダンサーをお持ち帰りしようとして、稽古場も大混乱。

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この場面はバレエ団向けに設定したシーンだと思いますが、男女のダンサーとソリストによる華麗なダンスシーンは、パリの雰囲気をよく醸し出していると思います。リフレインも多く、ご機嫌な場面です。

実際、フォルクスオーパーでも、この前半フィナーレは「ウリ」にしている感じで、webサイトの公式写真にも、ここが紹介されています。このまま終わっても良さそうな楽しい展開です。

ここで、前半が終了となります。ここまでの時間は1時間40分ほど。

結構、引っ張っていますが、頻繁な場面転換と華やかな場面も多いため、あまり時間は長く感じません。


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