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February 24, 2015

フォルクスオーパー「パリの生活」(PariserLeben)プルミエレポート(3)

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昨日、速報でお伝えした高架橋の崩落事故ですが、日本と異なり、これだけの重大事故であるにもかかわらず、あまり続報は流れてきませんでしたが、24日の午後あたりからORFでも現地レポートを交えた放送をはじめました。

実際、代行バス運行の様子も放送されていた他、Graz駅の様子も紹介されていました。とくに貨物列車の迂回が大変なようです。

このほか、ÖBBでは、列車に対応した代行バスの時刻表を公開しています。時刻表はこちらから。

-「150223_G-Bm_Sonderfpl_v5c.pdf」をダウンロード

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さて、フォルクスオーパー「パリの生活」プルミエレポート、第3回目(最終回)です。休憩後、後半の第4幕から舞台進行に沿ってご紹介します。

○第4幕
最初はギャルドフーのアパルトマン。オペラ鑑賞から戻った男爵夫人とギャルドフーがベッドインするシーンから始まります。

しかし、すぐに舞台は回り、シャンペンで泥酔した男爵一行が道端で眠り込んでしまうシーンに場面転換します。提督、将軍、プリンスも一緒にホームレスと一緒に寝込んでしまいます。

この時、建物の壁にスプレーでいたずら書きをしている人物が登場します。ホームレスの顔にもペインティングをしてしまい、ちょっとした騒ぎが持ち上がります。人種や文化の多様性を踏まえた演出なのでしょう。

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ホームレスの巣窟なので、男爵はかっこうの餌食。案の定、ホームレスに靴とズボンを盗まれます。余談ですが、大昔、Feriの友人が東京・池袋で全く同じ経験をしているのを思い出しました。

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男爵のパンツには何とスウェーデン国旗がデザインされているではありませんか。小道具は細かい今回の作品です。しかし、ここまでスウェーデン人をおちょくって、スウェーデンからクレームが来ないか心配‥

一行が眠り込んでいる脇を男爵夫人の伯母マダム・クインパー・カラデックと、従姉妹マダム・フォル・ヴェルデュールが通りかかります。このお二人は、さっそくいたずら書きをしている人物をスーツケースで撃退。おばちゃんパワー炸裂です。

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場面は、再びギャルドフーのアパルトマン。寝室のベッドではギャルドフーと男爵夫人が一緒にお休み中。ここで男爵夫人がタオルをまとった姿で歌うアリアは、なかなか聴かせます。その後、男爵夫人とギャルドフーの二重唱になります。

ベッドの上で、男爵夫人がギャルドフーに馬乗りになる場面も(さすがに写真はお見せできません)。ここは後半の見せ場かもしれません。

そこへマダム・クインパー・カラデックとマダム・フォル・ヴェルデュールが到着。チャイムを鳴らす直前、メテラがやってきて、二人に男爵夫人宛の「謎の手紙」を託します。

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おばちゃん二人は男爵夫人と会うと、“私たちもホテルに滞在したい”と言い出します。しかし、アパルトマンの部屋は一杯なので、ギャルドフーが、本物のホテルの部屋を確保するため、外出することに。

ここで、メテラから手渡された男爵夫人宛の「謎の手紙」が披露されます。手紙には、これまでのペテンが全て暴露されていました。

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「ホテルの別室は実は個人の住まいであり、旅行ガイドは単なるプレイボーイ」という内容を知って激怒した男爵夫人は、クインパー・カラデック、フォル・ヴェルデュールと仕返しの作戦を練ります。

ギャルドフーに気づかれないよう、男爵夫人はクインパー・カラデックに変装し、フォル・ヴェルデュールとともに、ギャルドフーが用意した別のホテルに移ります(写真はクインパー・カラデックのコートをまとって変装し、アパルトマンを脱出する場面)。

そして、クインパー・カラデックが男爵夫人に化けてベッドの中で待機。

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男爵もやっとアパルトマンに戻ってきます。そして、男爵夫人が休むベッドへ。そこへ、ギャルドフーもベッドイン。

と、そこには何と、男爵夫人ではなく、ノリノリのクインパー・カラデックおばちゃんが寝ていて、二人ともびっくり仰天。これが仕返しだったのです。

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○第5幕
場面は、パリの街へ転換します。ストリートダンサーが踊っているのですが、これは第4幕と第5幕の場面転換です。

なぜか産気づいた女性が出てきて、これをストリートダンサーが病院へ搬送。しばらくするとベビーカーと一緒にカップルが舞台袖から登場。「パリの生活」の一場面を再現したシーンのようですが、本編の内容とは関係ありません。

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続いて登場するのはブラジル人と手袋屋ガブリエル。ブラジル人はガブリエルに惚れ込み、直ちに結婚しようとプロポーズ。

そして、レストランのギャルソンに婚約記念の仮装パーティをアレンジするように依頼します。最初はギャルソンも嫌がりますが、ブラジル人は金にものを言わせて、承諾させます。

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しかし、仮装パーティと言っても、例によって衣装が‥そこで、「フォルクスオーパー衣装部」のトラックが通りかかります。ボーイがトラックを足止めしている隙に、仲間が荷台から衣装を拝借。

ちなみに、この時のトラックですが、「フォルクスオーパー」のデザインはそのままに、表記をドイツ語ではなく、フランス語にしています。また、Wienではなく、Parisに‥(OPÉRA DU PEUPLE paris)。良くやります。

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なお、この時、ちょっとだけボビネとポーリーヌが良い関係になりそうな予感を抱かせる場面が入っています。

トラックが去り、人々がいなくなると、メテラとギャルドフーが再会します。ここでメテラは自分の気持ちを打ち明け、ギャルドフーもメテラとの人生を決めます。

その後、ギャルドフーが去り、男爵とメテラの逢い引きがやっと実現する運びに‥

メテラとの逢い引きを心待ちにしていた男爵ですが、メテラから、“お付き合いできない”と告げられます。実は男爵夫人に手紙を渡すためギャルドフーのアパルトマンを訪ねた時から、メテラの服装が清楚なものに替わっているのがポイント。

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メテラはエスコートレディの仕事に嫌気がさしてしまい、自分はギャルドフーを愛していることに気づいたので、足を洗うことにしたのです。メテラが男爵を連れてきたのは、ブラジル人が主催する婚約記念仮装パーティです。

メテラからギャルドフーのところへ行くと告げられ、同時に“でも貴方には素晴らしい奥さまがいらっしゃいますわ”と言われた男爵はパーティ会場を去り、街の中へ出ていきます。

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そこで男爵夫人と再会します。二人は“パリは大変なところだね”と意見が一致。母国スウェーデンへ帰ることに決め、駅へと向かいます。

一方、ブラジル人の仮装パーティには、メテラとギャルドフーも加わり、二組の婚約パーティが盛大に行われます。ガブリエのElisabeth Schwarzさんは、ここでは踊りながら歌うのですが、さすがにちょっと厳しかったようで、息が上がっているように感じました。

場面はパリ北駅へ。後ろで盛大なパーティが繰り広げられているのと対照的に、プラットホームで列車を待つゴンデルマルク男爵夫妻の寂しそうな姿があります。何しろガブリエルとメテラは、写真のようにパーティでハイタッチですから‥

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ちなみに後半は40分ほどですが、前半に比べて派手な場面が少ないので、ちょっと長く感じます。

フィナーレの場面は、オリジナルでもブラジル人のパーティで終わるのですが、カンカンで派手な幕切れにしている演出が多いそうです。

当初、Feriも、そういったエンディングを連想していたので、ゴンデルマルク男爵夫妻の寂しげな姿がクローズアップされた演出には、ちょっと驚きました。

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実はゲネプロの時は、夫妻がものすごく落ち込んでいるように見えたのですが、プルミエの際、よく見ていると、お互いに手を取り合い、はにかむような笑顔が出ていました。

何も言葉を交わしている訳ではないのですが“今回は、大変な旅行だったね”と夫妻で言っているような感じにもとれます。ちょっとは救いになったかな‥という印象でした。

○全体を見終わって‥
今回のフォルクスオーパー版では、時代設定が変わっている上に、第4幕から先の内容が異なっているようです。

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第4幕で、男爵はメテラと逢い引きするためグランド・ホテルで開かれているブラジル人のパーティにやってきます。ここで、男爵はメテラに振られてしまうのですが、メテラに「私の友達を紹介します」と言われます。男爵はギャルドフーにメテラを取られて腹の虫が治まりません。

そこで、男爵はギャルドフーと話をつけるため、やってくるのですが、乱闘直前、変装した男爵夫人が登場し、「メテラのお友達は私のこと」と言って、変装をとるので、男爵もびっくり仰天という展開。後は二組のカップル誕生を祝して盛大にカンカンが踊られる‥というものです。

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ご紹介したように、フォルクスオーパー版では、男爵がギャルドフーに詰め寄る場面は入っていません。また、仮装をした男爵夫人が登場する場面もありません。

オリジナルだと、ちょうど「こうもり」もフィナーレでアイゼンシュタインがロザリンデにやり込められるイメージに近いのでしょうね。「こうもり」のエンディングが、それまでファルケの画策でおもちゃにされたアイゼンシュタインが、あまり哀れでないのは、演出の妙かもしれません。

フランス・オペレッタなので、フランス語圏の劇場で上演しないと粋な雰囲気は醸し出せないのかもしれません。そこで、ドイツ語上演を基本とするフォルクスオーパーでは、あえて演出を変えることで、別の作品に仕上げたのかもしれません。

オリジナルの場合、スイス海軍提督が主催するパーティに参加するのは、邸宅で働くメイドや門番などという設定なので、怪しげな人物が大量に出てくることはなかったと思います。

多様な文化や人種を擁するパリの雰囲気を出そうという姿勢は感じされましたが、これは第三者である観光客がイメージしたパリの光景。フランスらしい小粋な感じは、あまり再現されていなかったように感じました。

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しかし、ほぼ全編を通じて出演するゴンデルマルク男爵のKurt Schreibmayerさん。素晴らしかったですね。品を落とさない範囲で、コミカルな役を見事に演じていました。こういった役をやらせたら、当代随一かもしれません。Feriも改めてファンになってしまいました。

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なお、客席にはセカンドクルーで男爵を演じるMorten Frank Larsenさんの姿もありましたが、彼は、実際の年齢も含めて、粋で格好の良い役が似合うタイプの歌役者さんなので、ゴンデルマルク男爵はちょっと気の毒な感じがします。

そう言えば、全編が青を基調としていたのは、セーヌ川をイメージしたのでしょうかね。

オリジナルの時代設定にした方が、無理がないように感じるのはFeriだけでしょうか‥ちなみに、現代に置き換えた演出は、あまり評判が良くないようで、KURIER紙の評価は星二つというものでした。

一方、Die Presse紙の方は「パリの夢と二日酔い」という小粋な副題をつけていましたが、いつものように全般的に厳しめの論調でした。こちらは、歌手の評価はボロクソ。唯一、Kurt Schreibmayerさんだけが合格点といった感じ。まぁ、確かに本当にきれいな声の歌手ばかりではないですからね‥

それにしても、プルミエ1本に絞ったにもかかわらず、この結果というのは、ちょっと残念です。

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