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March 13, 2015

グラーツ空港を訪ねて

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今日はグラーツ空港(正式名称はFlughafen Graz-Thalerhof)をご紹介しましょう。ちなみにグラーツ空港は1913年に開港したので、2014年、開港100周年を迎えた由緒ある空港です。

実は、先日、グラーツで合流した友人がグラーツ空港から出発するというので、Feriも空港まで見送りに行ってきました。というのは、今までFeriはグラーツ空港には行ったことがなかったものですから‥

予めグラーツ空港のホームページで場所やアクセスを調べてみると、何と空港は、市の中心部から9kmという至近距離にあることがわかりました。高速道路はA2とA9が近隣を通っており、自動車でのアクセスも便利なようです。

市内からは空港連絡バスも出ていますが、最近になってS-Bahn Steiermarkに空港駅ができました。そこで、せっかくなので、Graz HbfからSバーンで空港に向かうことにしました。というか、Feriが強引に鉄道で行こうと薦めたのですが‥

ちなみにGraz Hbfから空港に向かうのはGraz-Spielfeld-Straß 間を走るS5。所要時間は、何と12分ほどです。ただ、運転間隔が平日30分ヘッドというのが玉に瑕(1時間ヘッドの時間帯もあります。また日曜日は1時間ヘッドになります)。

末端の区間が非電化のため、Feri一行が乗った列車はÖBBの最新ディーゼルカー5022型でした。

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空港の最寄り駅ですが、正式には「Flughafen Graz/ Feldkirchen」(Feldkirchenは空港がある町の名です)という名称です。駅に到着してびっくりしたのは、空港側に関してはほとんど建物がないということです。

また、グラーツ空港駅と銘打ってはいますが、実は無人駅。しかも空港までは300メートルほど離れています。おまけにエレベーターやエスカレーターなどは設置されていません。

グラーツ市内から空港へ向かう場合、線路をアンダーパスしますが、一応、歩道までは車いすでの利用も考慮して、スロープのある通路も設置されていました。

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ふと、その昔、千歳空港が古い場所にあった頃のJR千歳空港駅(現在の南千歳駅)を思い出してしまいました。

2011年に、空港駅とターミナルの間に屋根のある連絡通路が整備され、交差点以外は雨が降っても濡れずに空港まで行けるようになりました。ただ、屋根があるのは空港入り口までで、そこからターミナルまでは、わずかな距離ですが、屋根はありません(空港周辺のロケーションは左側の案内図をご覧ください)。

駅から空港に向かうと向かって左側に立派な管制塔が見えます。しっかり広告が出ているのがオースオトリアらしいところです。ちなみにグラーツ空港の標高は340メートルだそうです。

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2005年11月にオープンした現在の空港ターミナルは2階建てで、向かって左側が到着、右側が出発と別れています。ちなみに連絡バスの場合は、ターミナルまで横付けされるようです。

また、ターミナル1階の到着ロビー側は小さなショッピングモールになっているのですが、キーテナントはスーパーマーケットチェーンのSPAR(2008年開業)が入っています。そのため、管制塔の広告がSPARになっている‥という訳です。

で、興味深いのはウィーン・シュヴェヒャート空港の場合と同様、空港内にあるため日曜日も営業している点です。

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営業時間は6時30分から21時00分までと長いのも特長。実際、空港利用者ではない地元のお客さまや空港職員の利用も多いようです。

出発ロビー側にはCaféがある他、2階にはレストランが入っています。2階のレストランからは空港のエプロンが一望できます。このほか2階には4室に分割可能なイベントホールも設置されています。発着便が比較的少ないので、空港会社としては、イベントの需要も狙っているようです。

2階のランプ側にはオープンタイプの展望デッキがあり、季節の良い時期はシャニガルテンにもなるようです。

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設備関係では、無料のホットスポットが設置されており、Wi-Fiが利用可能です。

Feri一行は、平日の11時前に行ったのですが、これが「オーストリア第2の都市」にある国際空港かと思うほど空いており、人影もまばら。友人のチェックインも、待ち時間ゼロで実現しました。

セキュリティゲートも空港規模の割には数が多く、3レーンありました。後で友人に聞いた話では、制限エリア内には比較的規模の大きい免税店もあるそうです。

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また、制限エリアの2階にはVIP Loungeがあり、マイレージの上級会員や一部のクレジットカード会員は無料で使用できます。

ただ、無人なので入る際には、インビテーションカードのバーコードを自動改札機にかざして入場するようになっているそうです(搭乗券のバーコードでは入場できないので、注意が必要です)。

このインビテーションカードはチェックインの際に申し出ないともらえません。そのため、セキュリティゲートの前に、その旨を表示した看板が設置されていました。

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また、非シンゲン国行きの便に対応するため、イミグレーションもありますが、便の出発に合わせてオープンするようで、常時、出国審査官はいません。

空港施設ですが、滑走路は17C/35C、17R/35R、17L/35Lの3本あります。番号からもわかるように、3本の平行滑走路です。一見すると大規模空港のようなイメージですが、実は、舗装してある滑走路は中央の17C/35C(長さ3000メートル、幅45メートル)のみ。

両側はFlugplazなどでおなじみの「草地の滑走路」で、長さも760メートル、640メートルと短いので、通常の旅客機は使用できません。

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ただ、スポーツ航空が盛んなオーストリアらしくMOTORFLUGUNIONというフライトスクールがあるので、小型機は「草地の滑走路」を使っているかもしれません。

日本では、最近は地方空港でもボーディングブリッジが設置されているところが大多数ですが、グラーツ空港にはボーディングブリッジはありません。ゲートから近い場所に駐機している場合は、ゲートから徒歩で搭乗します。

また、ゲートから遠いエプロンに駐機している場合は、ランプバスを使用するようです。

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Feriも展望デッキから見てわかったのですが、ボーディングブリッジを使わない理由があるのです。それは、航空機が牽引車を使わず、自力でランプから出発できるため、効率が良いのです。そう言えば、ザルツブルク空港もボーディングブリッジはありませんね。

ちなみに2014年の旅客数897421人、発着便数は14384便、航空貨物が9652 tとなっています。利用人数についてはザルツブルク空港より少なくなっています(オーストリアで3番目)。

ただ、場所柄、航空貨物の利用が多いようで、B747の貨物専用機が発着することもあるそうです。

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旅客機に関しては、A320シリーズ、B737シリーズ、F70、CRJシリーズ、DHC-8シリーズ、ATRシリーズなどの小型機が中心ですね。

現在、グラーツ空港に発着する定期旅客便は、Air Berlin(ベルリン·テーゲル)、Austrian Airlines(デュッセルドルフ、シュトゥットガルト、ウィーン)、InterSky(ザルツブルク、 チューリッヒ)、Lufthansa(フランクフルト、ミュンヘン)、FlyNiki(ハルガダ 、 パルマ·デ·マリョルカ)、SunExpress(アンタルヤ)、Tuifly(コス)などですが、夏シーズンだけ運航される路線もあります。

さらに、バカンスシーズンにはチャーター便も多数、発着します。このあたりはオーストリアの地方空港に共通するパターンですね。

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なお、貨物エリアに隣接してオーストリア航空博物館(österreichische Luftfahrtmuseum)が開設されているのですが、あいにくFeriが空港を訪問したときは、当機休館中。ちなみに2015年は5月1日から10月26日まで開館するそうです。同博物館のホームページを見ると、オーストリア国籍以外の航空機も保存しているようで、ちょっと見てみたい気がします。

ところで、グラーツ空港は、2004年8月に故障による緊急着陸はありましたが、航空機墜落事故が一件も発生していません。

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ターミナルビルからはアルプスが一望できるという眺めの良い空港ですが、とにかくのんびりしているというのがFeriと友人、共通の意見。

こんなグラーツ空港ですが、実は大きなプロジェクトが計画されています。それは、Feri一行が利用したÖBBの駅を空港地下に設置しようというものです。

実は、現在、Sバーンが走っている路線はWien Hbfから続く南鉄道ですが、同時にGraz-Klagenfurt間を結ぶKoralmbahn(127km、最後の地図がルートです)という新線の一部になっています。

この路線の建設が2010年から進められており、2023年に全線開通が予定されています。そのためS5の路線も250km/h運転対応の高規格で建設されています。余談ですが、現在、高速列車は運行されていませんが、住宅が密集するGraz Hbf周辺では遮音壁もすでに設置されていました。

Flughafenschleife

完成後は優等列車が走ることになるため、グラーツ空港地下に駅を作り、乗り換えの便を向上させようというプロジェクトがあるのです。現在の空港駅が最近作った割には簡易になっているのは、将来の空港地下駅の建設を視野に入れているためなのかもしれません。

ただ、この空港地下駅のプロジェクトについては、色々と調べたのですが、資料が乏しく、実際に建設されるのか、完成はいつ頃の予定なのかはわかりませんでした。

Koralmbahn

しかし、ÖBB INFRAのホームページに掲載されているKoralmbahn紹介記事の中に、グラーツ空港地下駅に関連するイラストを見つけることができました。

もし、これが実現するとシュヴェヒャート空港に次ぐ、本格的空港駅になると同時に、空陸の連携が強化され、利便性が大幅に向上することでしょう。

それこそWien Hbf-Graz Hbf-Flughafen Graz -Klagenfurt HbfといったルートのRailjetが設定されるかもしれません。

なお、制限エリア内の写真は、後日、友人に送ってもらいました。


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