自転車もどうぞ ÖBBの長距離列車
今日は「自転車輸送の話題」をお届けしましょう。
先日、日本でも発売になったビアカクテル「Radler」の話題をお伝えしましたが、こちらではサイクリングが広く、スポーツとして普及しています。
毎夏、Feriが訪れているザルツブルク州Lungauなどのリゾート地でも、自分のペースでサイクリングを楽しんでいる人を沢山見かけます。
もちろん、リゾート地にはレンタル自転車もありますが、やはり本格的なサイクリングを楽しむライダーさんは、自分の自転車で走りたいものでしょう。
そのため、バカンスシーズンに都会からリゾート地へ向かう乗用車やキャンピングカーを見ると、自転車を搭載しているケースが非常に多いですね。このブログでも、自転車を自動車に搭載するキャリアの話題をお伝えしたことがあります。
それでは、公共交通機関である鉄道の対応はどうでしょうか。以前から、Wiener Linienの地下鉄などでは、ラッシュ時間帯以外は自転車の持ち込みが許可されています。
そのため、都市内では、自転車と公共交通機関を上手に組み合わせたサイクリングが可能になっています。
一方、長距離列車でも、最近、自転車需要を取り込まないと、お客さまが自動車利用に流れてしまうためか、ÖBBでは長距離優等列車に自転車搭載スペースを積極的に設けるようになってきました。
RailJetの登場で、若干影が薄くなってしまった国内ICでは、荷物室のある客車を活用して、自転車輸送を行っています。荷物室を自転車搭載スペースに転用している訳です。ちなみに今回ご紹介した客車はADbpszというタイプで、1等荷物合造車です。
さらに最近では、一般の客車でも一部を自転車搭載スペースに改造した車両が登場しています。3枚目の写真が、自転車搭載スペースを設置した客車で、窓に自転車のピクトグラムが描かれており、車端にある自転車搭載スペースの番号(201~、141~)も表示されています。
この客車はコンパートメントタイプではなく、開放型なので客室の一部を仕切って自転車搭載スペースに宛ていようです。
また、RailJetについても、2等車に自転車搭載スペースを新設する改造工事が進められています。そして、2015年4月から、J533とRJ632(Wien Hbf – Lienz間)で、自転車輸送が始まりました。
今後、2015年5月9日からはWien Hbf - Villach Hbf間、Wien Hbf - Graz Hbf間の一部RailJetでも自転車輸送が始まることになっています。
なお、以前、ご紹介したようにチェコ鉄道の「青いRailJet」には、最初から自転車搭載スペースが設けられています(詳しくはこちらをご覧ください)。
ÖBBの場合、自転車搭載料金は正規旅客運賃の10%が基本になっています。ただし、最低料金は2Euroです。
このほか、WestBahnの電車には右の写真のように、最初から自転車搭載スペースが設置されています。ただし、利用するのは事前にオンラインで自転車輸送用チケット(5Euro)を購入しておく必要があります。当日でも自転車搭載スペースに空きがある場合は、利用可能なようですが、料金は10ユーロとなります。
このブログで、以前ご紹介したように地方のローカル線を走る列車にも自転車搭載スペースを設けているところが多いのが特長です。大げさなようですが、自転車が市民権を確立していると言えるでしょう。
左の写真はムールタールバーンのブンメルツークに連結されている自転車輸送用貨車。自転車だけでなく、牽引するベビーカーも搭載可能です。
日本の場合、残念ながら自転車の位置づけがはっきりしていないためか、自動車ばかりか、歩行者からも疎まれるケースが増えています。もちろん、鉄道車両への自転車搭載も特別なケースに限られているようで、一般的とは言えませんね。
自転車専用レーンの確保、自転車専用信号機の設置はもちろんですが、ライダーのマナー徹底も重要だと思います。
余談になりますが、こちらのライダーさんは、自転車で道路を曲がる際には、必ず手で信号を出しています。そのため、どちらへ自転車が曲がろうとしているのかが、自動車のドライバーにもわかるので、ある意味、安心です。このあたり、「歴史の違い」なのかもしれません。
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