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April 17, 2015

ウィーン“解放”から70年

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今日は「歴史の話題」をお届けしましょう。

今年は第二次世界大戦が終結して70年を迎えるため、日本でも色々と政治的な動きもあるようです。

戦争末期、地上軍に侵攻を前に、1945年3月12日、連合軍による大規模な空爆が行われ、ウィーン国立歌劇場やシュテファンドーム、ブルグ劇場、美術史博物館も被災しています。その後、当時のソ連赤軍がウィーンに侵攻し、4月5日からウィーン周辺で大規模な戦闘が始まりましたが、13日には組織的な抵抗が終結。

4月13日はウィーンが当時のソ連赤軍により、ナチス・ドイツから“解放”された日にあたるため、今年は市内のロシア兵記念碑前で、ロシア大使などを招き70年追悼記念集会が行われたようです。

当時のソ連側から見ると、「ナチス・ドイツに占領オーストリアを“解放”した」という見方になる訳ですが、ご存じの方も多いように、ヒトラーがウィーンのヘルデンプラッツで行った凱旋演説には、20万人ものオーストリア人が集まったのは有名な話です。

また、当時は、少なからずオーストリアの皆さんが、自国出身のヒトラーを歓迎したのも事実です。そして、第二次世界大戦当時、オーストリアはドイツに併合されており、ナチス・ドイツとして戦いました。

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そうなると、“解放”ではなく、“敗戦”という捉えたもできる訳ですが、このあたりは、言葉以上に、その意味づけが微妙な問題なので、政治的にも難しいところでしょう。

ある意味、オーストリアが、ナチス・ドイツとして戦争を遂行してきたことが「暗部」にもなるためか、戦後、長い間、“敗戦”という見方よりも、“解放”という見方をとっていたそうです。加害者側のスタンスではなく、どちらかと言うと被害者側のスタンスをとってきた‥という訳です。

もっとも、その後、加害者側のスタンスに立つようになってはいますが‥

ところで、オーストリアは戦後、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連の4ヵ国に10年間分割統治されていましたが、この期間に関しては、「4ヵ国の占領期間」という捉え方が一般的だそうです。

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さて、皆さんは4ヵ国の分割統治が、どのように行われていたかをご存じでしょうか。まず、各国が統治していた州は、以下のようになっていました。

-ソ連占領区域:ルゲンラント州、ニーダーエスターライヒ州、オーバーエスターライヒ州(ドナウ川北部、エンス川東部地区)、司令部はバーデン・バイ・ウィーン

-アメリカ占領区域:ドナウ川南部エンス川西部のオーバーエスターライヒ州、ザルツブルク州、ザルツカンマーグートのシュティリアン

-イギリス占領区域:ケルンテン州、チロル州のリエンツ郡、シュタイアーマルク州、シュティリアンを除くザルツカンマーグート

-フランス占領区域:チロル州、フォアアールベルク州

ソ連占領軍の司令部は、バーデン・バイ・ウィーンに設置されていたそうです。

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また、首都ウィーンについては、連合国で占領区域が合意され、ベルリン同様に分割占領されました。

地図をご覧になるとわかるように、2区、4区、10区、20区、21区、22区、23区など周辺部を含む広い地域がソ連占領区域になっています。

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アメリカ軍は、7区、8区、9区、17区、18区、19区を占領していました。

さらにイギリス軍が占領していたのは、3区、5区、11区、12区、13区でしたが、ちょうどアメリカ軍と反対側の場所ですね。

さらにフランス軍はアメリカ軍とイギリス軍の間になる6区、14区、15区、16区を占領していました。

幸い、ウィーンはベルリンのような「壁」ができて、分断されることはありませんでしたが、地図を見ると、ドナウ運河あたりを境に分断される可能性もあったような気がします。

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また、旧ソ連占領地域では、戦後に復興された建物の中に、共産主義的な壁画などが描かれているものを見かけるのも納得できるところです。

なお、分割統治が終了したのは、戦後、10年が経過した1955年10月26日のこと。現在、10月26日が「ナショナルデー」(祝日)となっているのは、そういった背景がある訳ですね。

なお、後半の写真、2枚は2005年、独立50周年を記念してベルベデーレ宮で開催された展示会の一コマです。

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