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May 01, 2015

ウィーンで思う“日本人気質”

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今年のゴールデンウィークは曜日の並びが良いので、1週間の連休をとる方もいらっしゃるようです。季節が良いウィーンにも多くの日本人観光客の皆さまがお越しになっていることでしょう。どうか素晴らしい季節のウィーンを満喫してください。

さて、5月1日はメーデーの祝日です。日本でも、Feriが子供の頃は、メーデーの行事も大規模に行われていましたが、最近はゴールデンウィークのレジャーに飲み込まれてしまい、動員が難しいため、大会の日程をずらすようになった団体もあるようですね。

労働者の権利が強いオーストリアでは、メーデーは大切な行事なので、ウィーンでも市庁舎前広場で大規模に行われています。リンクを半周するデモ行進も、ブラスバンドを先頭にしたグループも多く、パレードのような趣なので、見ていても微笑ましいものがあります。

さて、こちらで働いている現地の皆さんと接すると、労働に対する考え方の違いを実感することがたびたびあります。これは「良い、悪い」という話ではなく、根本的な考え方の違いなのだろうと思います。

ご存じのようにヨーロッパは契約社会なので、労働者は自分の職務範囲が明確に定められていることが多いのが特長です。そのため、自分の職務範囲外のことに対しては、関心がありません。これは接客業でも同様。

以前、ご紹介したことがありますが、Feriがオーストリアから日本へ戻る際、ウィーンからフランクフルトまでの便が遅れて、接続便に乗れなかったことがあります。

当然、航空会社の責任なので、代替便の手配をしてくれましたが、その際、カウンターの係員曰く、“あなたはラッキーだ。日本への直行便を確保することができた。これが満席ならば北京経由だったね”。

日本で、航空会社の社員が代替便の手続き中、日本人のお客さまに対して、同じような対応をしたら「大クレーム」に発展するのは間違えありません。

しかし、こちらで、カウンターの係員に苦情を申し出でも、“あなたが乗った便が遅れたのは私の責任ではない。私は代替便の手配をするのが仕事である”という対応でおしまいになるのは目に見えています。

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Feriもウィーンで生活中、こういった体験を何度もしています。逆に、このような対応に腹を立てていては精神衛生上、好ましくないので、こちらもジョークで返すようになってきました。

さて、先日、日本の物流センターで働いている友人から面白い話を聞きました。スーパーマーケットなどの店舗に商品を納める物流センターは、典型的な「労働集約型産業」で、IT化や自動化の進んだ今日の日本でも、多くの作業員が必要な業種です。

しかも、季節や曜日による物量の変動が激しいため、正社員を多く雇用することはリスクを伴うので、作業員の大部分は派遣社員だそうです。

友人は定年後、再就職で某物流センターの管理部門で働くことになったのですが、やはり現場の作業員は派遣社員が多いと言っていました。ただ、彼の話を聞くと、作業員の「日本人気質(かたぎ)」を痛感しました。

というのは、作業員は5名から6名程度のグループを作って、一つのセクションで店舗へ出荷する商品をケース単位で準備(ピッキングと言うそうですが)します。派遣社員さんは、10代後半から50代まで年齢や経験はバラバラです。

しかし、ある程度、仕事に慣れてくると、社員が細かい指示を出さなくても、派遣社員同士で連携、協力し合い目標の作業終了時間までに作業を終えるように工夫するようになるそうです。

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当然、若い作業員に比べて、年齢の高い作業員は、体力の問題もあり、作業時間が長くなる傾向があります。そうすると自分が担当しているセクションの仕事が片付いた若手作業員が、自発的に遅れている年配作業員の支援に入るという場面を良く目にするとか。それに対して、協力してもらった作業員もちゃんとお礼を言っているそうです。

また、管理を担当する正社員が細かい指示を出さなくても、作業員同士で効率的な作業手順などを話し合って仕事を進めているそうです。

また、社員が派遣社員の中でリーダーを決めたわけでもないのに、自然発生的にリーダー的な存在が生まれて、皆の意見を集約しながら仕事を進めるということもあるようです。

もちろん、派遣社員の場合、作業時間で拘束されているため、仮に早く作業が終了しても帰宅できるわけではなく、別の作業をすることになります。

さすがに拘束時間を過ぎてまで自主的に働く作業員はいないようですが、それでも契約時間内に仕事を終わらせる意欲は極めて高いので、友人も“派遣社員でも頼りになる存在で助かる”と話していました。

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この話を耳にして、“やはり日本人気質が残っているのだなぁ”と痛感した次第です。Feriは、こちらの物流倉庫内での仕事を見たことはありませんが、恐らく自分が担当している(指示された)仕事が終われば、作業が遅れている仲間のバックアップに入るという発想は考えられないと思います。

もちろん、こういった「日本人気質」が全て良いという訳ではなく、過重労働の温床になっているという指摘があることも知っています。

しかし、その昔、Feriは上司から“勤労観に関して、欧米人はレイバーだけど、日本人はワークだよ”という話を聞いたことを思い出しました。これは派遣社員のような雇用形態にも当てはまるようです。

さて、今後、労働人口の減少に伴い、こういった現場仕事の作業員で外国人の比率が高まった場合、果たしてこういった「日本人気質」が残るかどうか‥気になるところでもあります。

今日は「労働者の祭典、メーデーの日」に、ワインを傾けながらふと思いついたことを書き綴ってみました。

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