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June 09, 2015

懐かしのポスターから

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今日は「ポスターの話題」をお届けしましょう。

今では様々な媒体で広告ができるため、ポスターの位置づけは相対的に低下していますが、その昔はポスターが数少ない宣伝媒体であったため、その制作に力を入れていた会社が多かったようです。

鉄道会社や航空会社などは、お客さまを旅行に行きたくなるようなポスターを多数制作していますが、当然、昔の作品の方が、センスが良かったような気がします。

Feriがフォルクスオーパーでのオペレッタ鑑賞の後、立ち寄るCafé Weimarの店内にも魅力的な古いポスターが飾ってありますね。

冒頭のポスターは1937年に制作されたウィーンの観光ポスター(Fremdenverkehrsplakat)です。国立歌劇場前を描いたものですが、イラストの雰囲気、そして両側の木々が奥行きを感じさせる見事なデザインだと思います。

ウィーンの表記が英語になっているところから、外国向けの観光ポスターのようですが、1937年と言えば、オーストリアはドイツに併合される前年。オーストリア国内も騒々しくなっている時代です。

戦争の影が感じられない平和なウィーンをアピールしているところが、皮肉でもありますが‥ おそらく平和なウィーンをアピールしたかったのかもしれません。なお、解説によると1933年頃を描いたイラストのようです。

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さて、2枚目のポスターは1951年にÖAMTC(Österreichischer Automobil-, Motorrad- und Touring Club、オーストリアの自動車クラブで日本のJAFのような組織)が制作した作品ですが、デザインがユニークですね。

実は交通教育委員会(Verkehrserziehung Tafeln)による交通安全の啓蒙ポスターなのです。Feriも、このポスターには思わず見入ってしまいました。

路面電車に飛び乗って転げ落ちる人物はまだしも、路上でとっくみあいの喧嘩をしている人、ハンマーをもって誰かを追っかけている人(相手は泥棒でしょうか)、少年が路上に捨てたバナナなお皮を踏んでしまい滑っている男性、路面電車にぶら下がっている青年、自転車での急な飛び出し(この頃からあるのですね)、女性をナンパしている兄ちゃんなど、車道の真ん中を歩く親子連れ、建物の角から飛び出して女性と衝突しそうになっている子供、女性にぶつかりそうになっている職人さんの持っている梯子など、危険行為が沢山紹介されています。

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このポスターのすごいところは、ストーリー性が高いところ。危険行為を探すだけでも、不謹慎ですが楽しくなってしまいます。恐らく、そんなこと狙ったデザインなのでしょう。素晴らしいアイデアだと思います。

これは今でも通用しそうな内容ですね。この写真については、皆さまにも楽しんで頂くため縮小率を下げています。そのため、クリックすると、かなり大きくなります。

なお、この2作品は、REMISE(ウィーン交通博物館)に展示されていたものです。

続けてお目にかけるのは、航空会社バージョン。これはルフルトハンザの機内誌に掲載されていたものです。まずはLUFTHANSAのもの。

同社のシンボルとなっている鶴を大きく描いていますが、その尾からラインが伸びていて、滑走路につながっているというすぐれたデザインです。いかにも航空会社といったデザインの例ですね。

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航空会社二つ目はご存じ日本航空。ルフトハンザが機内誌に取り上げたのは、海外向けの「九州・沖縄旅行はJALで‥」というポスターです。海外向けなので、デザインも外国人受けするものになっているのが特長。

伝統衣装を身にまとった九州と沖縄の女性が描かれています。そしてJALのロゴの回りには梅の花が‥ あえて日本航空の文字を漢字、しかも古い書体で描いているのも特長でしょうか。何となく異国情緒を感じさせるデザインです。

制作年は不明ですが、デザインから考えて沖縄返還前だろうと思います。そうなると九州線は幹線の福岡だけだったことでしょう。それをあえて、FUKUOKAではなく、KYUSHUとしているところに国際色を感じます。

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ところで、ルフトハンザはスターアライアンスの中核航空会社ですから、機内誌に取り上げるのであれば、本来ならば同じアライアンスのANAのポスター。しかし、歴史あるポスターとなるとナショナルフラッグキャリアだった日本航空なのでしょうね。

せっかくなので、最後に鉄道のポスターもお目にかけましょう。ただし、オーストリアではありませんが‥ これはスイスのGOTTHARD-BAHNのもの。1895年制作の作品です。

ご存じのようGOTTHARD-BAHNは、スイス北部とイタリア方面を結ぶ幹線鉄道です。当時から観光客の利用が多かったようで、ポスターには、鉄道の路線図を描きながら、沿線の風光明媚な場所がちりばめられています。しかも、右側には時刻表も掲載するという実用的な要素も盛り込まれている珍しいポスターです。

路線図と名所のイラストをからめるという、アイデアに富んだポスターと言えるでしょう。なお、このポスターは、その昔、スイスを訪問した際、絵葉書として販売されていたものです。

昔は、こういったポスターにも本当に力を入れていたことがよくわかりますね。


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