集合住宅のデザイン考
今日は「集合住宅の話題」をお届けしましょう。
ウィーンの集合住宅というと、石造りの「伝統的なスタイルの建物」というイメージがありますよね。5区のアパートも、まさしくウィーンらしい石造りの建物でした。
しかし、周辺部や再開発された地域では、日本のようにモダンなデザインの集合住宅も沢山、建てられています。
ウィーン市内を散策していると、日本人から見ると変わったデザインの集合住宅を発見することがあります。やはりお国柄を反映しているのでしょうね。
まず、一番の違いは、暖房用の煙突があること。最も、これは法令で定められているという話を聞いたことがあります。そのため、屋上には束ねた煙突が立っています。
最近、気がついたのが、ベランダの構造です。日本では、中層の集合住宅では、各戸のベランダが横一線に並んでいるのが一般的だと思います。また、隣との仕切りも非常時に脱出できるよう、比較的簡単に破砕できる材料で作られているようです。
更に、上層階からベランダを伝わって下層階に避難できるように、ベランダには避難口が設けられていると思います。しかも、一気に一番下まで落ちないように、避難口は左右交互に設けられていますよね。さすが、細かいところまで配所が行き届いている日本です。
一方、ウィーンの新しい集合住宅を見ると、ベランダはあるものの、各戸のベランダが独立しているだけでなく、その位置も写真のようにずれているというケースが多いようです。もちろん、上下には揃っているデザインも見かけますが、左右がつながっているケースは少ないようです。
当然、火災などの際、ベランダ伝いに避難することはできません。
また、寒い地域なので、ベランダがガラスなどで囲われているサンテラス方式になっているところもあるようです。
ところで、なぜ、ベランダが独立しているのかという理由は、現地の専門家に確かめた訳ではないので、確証はありませんが、プライバシーの確保以上に、もしかしたら泥棒などの侵入を考慮しているのかもしれません。
実際、各戸のベランダが事実上、つながっていると、一戸に侵入されると、他の住まいも襲われる危険性があります。
実際、こちらの空き巣は、結構、大胆で、バールなどの工具を使って、玄関ドアを破壊して侵入するケースがあります(ウィーンにお住まいの日本人が、この手口でやられたという話を聞いたこともあります)。
そうなると、防犯を重視すると、ベランダは独立している方が良いという見方も出てくるのではないでしょうか。
そう言えば、Feriが最初にお借りしていた17区のアパートの部屋は1階でしたので、隣のお宅とは庭が地続きでした。しかし、しっかりとして金網のフェンスが付いていたことを思い出しました。そのため、外部からの侵入は非常に困難だったことを思い出しました。
そう考えると、治安が悪くなったとは言え、日本はまだまだ「安全な国」と言えるのかもしれませんね。
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