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July 16, 2015

“Dampfbetriebstage”の Strasshof鉄道博物館を訪ねて(下)

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日本でも大きく報道されているようですが、イランの核協議がウィーンで開催されていました。アメリカのケリー国務長官も17日間、ウィーンに滞在するなど、各国の要人が集まっていただけに、会場周辺は警備が厳しかったようです。もっとも、Feriは近づきませんでしたが‥ さて、イランはお約束をちゃんと守るのでしょうかね。

さて、鉄道に興味のない読者の皆さまには、大変申し訳ありあmせんが、昨日に続き、Strasshof鉄道博物館(Eisenbahnmuseum Strasshof)で開催された “Dampfbetriebstage”(蒸気機関車運転の日)と博物館の近況をお伝えしましょう。

最近、1952年に誕生したÖBB5145型「Blauen Blitz」という愛称を持つ高速ディーゼルカーが博物館にやってきました。

ÖBBが誇る近代車両の一つなので、動態保存を行う計画があります。しかし、かなりの資金が必要になるため、現在、積極的な募金活動を展開しています。

博物館の中にも募金箱が設置されていた他、銀行口座などへの寄付も呼びかけています。いわゆるファンドを組んで、動態保存を実現する展開だと思います。

ÖBB5145型ですが、一見すると、非常に保存状態は良さそうなのですが、やはり屋外展示であるため、よく見ると日の当たる部分については、塗膜が痛んでいるところが散見されました。また、地上から電源を供給していたので、通風などは行っているのかもしれません。

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客車では、ÖBBのサロンカー(89-80 010)が新しく入っていましたが、これは現在、博物館のセミナールールに使用されているようです。学生さんの団体などが来場した際、使うようですね。特殊な客車なので、中を見たかったのですが、残念ながらドアには鍵が掛かっていました。

客車や貨車も多数、保存されており、一部の客車などは修復工事が行われて、写真のように美しい姿を見せていました。

蒸気機関車については、維持に費用がかかる大型機は3両ほどで、それ以外は小型機となっています。

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興味深かったのは、動態保存機については、ÖBBの車検証(ステッカータイプで、自動車の車検証のようなイメージ)がキャブ下に貼ってありました。この車検証が付いている機関車については、本線走行が許可されているのでしょう。

やはり大型機の中で白亜なのは旅客用機関車310型です。1911年に製造されたオーストリアを代表する急行旅客列車用機関車です。Feriは、実際に走っているところは1回しか見ていませんが、この時は多くのファンで賑わっていました。

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2011年に誕生100周年を迎えましたが、しっかりと保守されており、かくしゃくたる走りを見せてくれます。

ただ、310型のような大型機関車の場合、走らせるためには多額の費用がかかるためか、定期的な運転は少ないようです。それだけに走る日は大変です。

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ところで、動態保存機が保管されている車庫は整備工場を兼ねており、ここで機関車や客車の復元工事なども行われています。

実物以外では、屋外に大人も子供も乗車できるミニ鉄道(Gartenbahn)が開設されています。こちらはかなりエンドレスでレールが敷設されており、距離もかなり長いようです。

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愛好家の皆さんが自慢の車両を持ち寄って運転できるように、一部はデュアルゲージ(期間127mmと184mm)になっています。

ライブスチームの運転などもできるようで、ターンテーブル付きの巨大な扇形庫(ただし、現在、建設途中)もあります。

Feriが訪問した際は、小型ディーゼル機関車が牽引しているように見えましたが、実は運転士さんが乗っている車両の下に駆動装置が付いているという、ちょっと変わったスタイルの車両が使われていました。

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このほか、屋外にはGゲージの巨大ジオラマが設けられています。これはドイツのレーマン社製の製品を使った庭園鉄道(Gartenmodellbahnanlage)ですが、かなり作り込まれており、結構、見ていても楽しいものです。

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さらに、隣接してラジコントラックの運転施設(Modelltrucks in Lastern)もあります。Feriが訪問した日は、こちらは運転していませんでしたが、かなり大きな模型トラックや建設機械が使われるようで、運転施設に隣接したコントロールタワーから操縦するようです。

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チケット売場を兼ねた事務等にはHOサイズの大きなジオラマも設置されています。こちらは、室内なので、ジオラマもかなり作り込まれており、路面電車が走る街も再現されています。いずれもボランティアスタッフが、多数協力して運営されているようでした。

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その後、調べたところ運営には1.öSEK(1. österreichischer Straßenbahn- und Eisenbahnklub)という鉄道愛好家の団体が協力していることがわかりました。実際、入り口や館内にも1.öSEKのロゴが掲示されていました。博物館の運営には、1.öSEKのメンバーがボランティアスタッフとして協力しているのでしょう。

管理棟に近い場所には食堂車を改造したBuffetと客車を改造した Souvenirshopがあります。Buffetではブルストなどの軽食をとることもできます。

もちろん、大人のお客さまも多いので、ビアやワインといったアルコール飲料も当然、販売しています。夏期はシャニガルテンもあり、こちらは持ち込みも可でした。

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天気が良く、咽が渇いたのでFeriは、いつものワインではなく、ビアで乾杯。お値段も市中のレストランと同じなので、良心的です。もっとも、これはオーストリアの博物館全般に言えますが‥

Souvenirshopについては、意外と通好みの鉄道書籍が多数、揃えられていたのが印象的でしたね。また、絵葉書や写真、鉄道関連グッズ、衣料品なども取り扱っています。全体的な品揃えとしては、大人の鉄道愛好家を対象としているような感じでした。

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屋外に展示物がある関係で開館は夏期に限られており、例年、4月1日からオープンします。月曜休館、通常、10時00分から17時00分(入場は16時30分まで)となっています。Dampfbetriebstageなどのイベントが開催されている日に訪問するのがベストだと思います。

また、久しぶりに訪問して感じたことは、「博物館に完成はない」ということです。日本の場合、建設当初は非常に力を入れますが、その後は、新しい保存車両の確保や復元などには、正直、あまり熱心ではないような気がします。

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Strasshofの鉄道博物館は、現状では、日本の鉄道関連博物館からすると、大変見劣りするのは事実です。しかし、ボランティアスタッフも含めて、ゆっくりではあるものの、長い時間をかけて博物館を維持していこうという姿勢が強く感じられました。

また、広くファンからの寄付を募っている点も、こちらの保存活動らしいと改めて感じた次第です。

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ある意味、「身の丈に合った運営」を心がけているという感じがしました。今回は博物館の敷地奥まで行きませんでしたので、確証はありませんが、前回、訪問した際、車庫側にあった車両の姿が見えないというケースもありました。さすがに解体はしていないと思うのですが、入れ替えはしている可能性は考えられます。

なお、最後に鉄道で訪問する方はS1を利用するのですが、最寄りの下車駅がStrasshofではなく、ウィーンからだと一つ先のSilberwaldなのでご注意を。

最後にFeriの作品ではありませんが、310型が本線を走っている動画をお目にかけましょう。


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Comments

この博物館は2回訪問しましたが、初回はDampfbetriebstageだったので賑やかでしたが、二回目は雨の平日だったので閑散としていました。
博物館というよりは広大な廃車体置き場という感じでした。歩いて行けども行けども廃車体が並んでいるという感じで端まではたどり着けませんでした。最初の訪問時は奥の方に崩れそうな木造客車がたくさんありましたが、二回目の訪問時には見かけませんでしたので朽ちてしまったのでしょうか?来春もウィーンに行けそうなので再訪を楽しみにしています。

Posted by: Hunger | July 21, 2015 00:39

Hungerさま、コメント、ありがとうございます。

私も詳しく調べたわけではありませんが、全てをここで修復している訳でもなさそうなので、場合によると一旦、別の場所に移動させた可能性も考えられます。

日本よりも湿気が少ないとは言え、屋外に保存しているので、状態は決して良くはないと思います。

Posted by: Feri | July 21, 2015 08:41

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