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July 20, 2015

潜水艦隊司令ゲオルグ・トラップ少佐

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日本では7月20日は国民の祝日「海の日」ですね。現在は移動祝日になっていますが、2015年は制定当初の7月20日になりました。

ところで、なぜ、7月20日が「海の日」なのかという理由ですが、明治神宮のホームページによると、「明治9年6月2日、明治天皇さまは東北・北海道御巡幸にお出かけになられました。埼玉・茨城・栃木・福島・宮城・岩手・青森の各県を御巡幸されたのち、7月16日青森から御召艦に御乗船され、函館を経由して20日横浜へ御帰着されたのでした。『明治天皇紀』によれば、3日間荒波のため動揺はなはだしく、遅れて夜の8時すぎに入港したそうですが、明治天皇さまは終始“端然”としておられ、港で待ち受けていた人々を安心させたそうです。これを記念して昭和16年に「海の記念日」が制定され、平成8年から「海の日」として祝日となったわけです。」というものです。という訳で、今日は「海にまつわる話題」(半ば強引)をお届けしましょう。

「サウンド・オブ・ミュージック」で、マリアのご主人となったゲオルグ・フォン・トラップ氏ですが、映画やミュージカルの中では、退役海軍士官として紹介されています。また、映画の中でも海軍式と思われる訓練を子供達にしている場面もありましたね。

本物のゲオルグ・フォン・トラップ氏(Georg Ludwig von Trapp)は、オーストリア・ハンガリー海軍の士官で、最終的な階級は少佐(オーストリア・ハンガリー帝国海軍の呼称はKorvettenkapitän)でした。ちなみにキャプテンは軍隊の階級だと大尉なので、誤りです。最も映画では、軍隊の階級ではなく、一家のリーダーというニュアンスでキャプテンという呼称を使っていたようですが‥

さて、ゲオルグ・トラップ氏は、1980年4月、現在の クロアチア西部の街ザダル(Zadar)で生まれましたが、父親のアウグスト氏も、実はオーストリア海軍中佐でした。そのような家庭に生まれたことも影響しているのか、ゲオルグ氏も海軍兵学校に入校し、卒業後は少尉に任官され、最初は巡洋艦に配属されます。

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その後、第一次大戦では、ゲオルグ氏は魚雷艇の艇長を経て、潜水艦の艦長に転任します。

今では周囲に海がないオーストリアですが、第一次世界大戦当時は、オーストリア・ハンガリー帝国としてアドリア海に面したエリアまでが領土だったため、地中海で活躍する海軍がありました。

ちなみに第一次世界大戦勃発前、オーストリア・ハンガリー帝国は、世界で7番目の海軍力を保有しており、その中には潜水艦部隊も含まれていました。

第一次世界大戦では、イタリアは連合国側に加わり、オーストリア・ハンガリー帝国の敵対国となったことから、帝国海軍の攻撃対象となりました。とくに連合国はオトラント海峡を艦船で封鎖したため、ゲオルグ氏が率いる潜水艦部隊の攻撃対象になりました。

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トラップ氏は、U-5潜水艦の艦長を務め、フランスの巡洋艦を撃沈したのをはじめ、商船12隻を撃沈するなど、大きな戦果を上げています。そして、その戦果が評価され、オーストリア海軍の英雄として、マリア・テレジア軍事勲章騎士十字章、レオポルト勲章騎士十字章、プロイセンの一級鉄十字章 を始め、オットー戦功章やカール勇猛章等ドイツ領邦の勲章も受章し、騎士に叙せられました。生粋の軍人さんですね。

なお、ウィーンにある軍事史博物館(Heeresgeschichtliches Museum)には、第一次世界大戦当時の潜水艦の模型(カットモデル)をはじめ、ゲオルグ・フォン・トラップ少佐の軍服が展示されています。

このU-5ですが、全長32メートル、水中排水量240トンという小型のものでした。

ちなみにイタリアでは、ゲオルグ・フォン・トラップ少佐、率いる潜水艦隊による攻撃で被害に遭っていることに加えて、「ゲオルグ・トラップ氏が映画の中で、ドイツに抵抗するオーストリアの英雄として描かれている」こともあって、反感が強いと言われています。本当かどうかは知りませんが、映画「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」の上映が禁止されている街もあるとか‥

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ところで、友人から教えてもらったところでは、日本で発売されている「世界の艦船」という雑誌の2015年7月号に「オーストリア海軍の潜水艦」に関する研究記事が掲載されていますが、そこでもゲオルグ・フォン・トラップ少佐の戦歴が紹介されています。

なお、第一次世界大戦でオーストリア・ハンガリー帝国が敗れたため、両国ともに領土を失い、完全な内陸国になりました。当然、海軍は解体されてしまっています。

ゲオルグ・フォン・トラップ少佐も、戦後、海軍の解体に伴い、軍を退き、ドナウ川の水運会社を起こしたそうです。その後、妻の死去にともなってザルツブルク郊外に居を構えることになった訳です。

ところで映画の中では、最初、厳格な軍人風な態度のゲオルグ・フォン・トラップ氏ですが、退役後は非常に穏やかな性格になり、実際のイメージとはずいぶん異なるようです。そのため、本物のマリアからは、映画の人物描写について批判があったと言われています。

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