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August 25, 2015

メルビッシュ湖上音楽祭「ヴェネチアの一夜」(下)

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昨日に引き続き、メルビッシュ湖上音楽祭「ヴェネチアの一夜」の後編をお伝えしましょう。

第1幕の最後、バルバラに扮したアンニーナを、カレメッロがゴンドラで連れ出す場面は、てっきり舞台前にある水路を使って、ゴンドラを浮かべるだろうと思っていたのですが、予想外の演出。

何と、「HERZOG VON URBINO」の船首が開き、その中にゴンドラが‥ カレメッロがアンニーナを誘い、船内のゴンドラに乗せると、再び、ゲートが閉じるという展開でした。

本来、第2幕は、「ウルビノ公爵の館」での出来事ですが、ウルビノ公爵がいないため、何と船内での出来事に変わるのです。まぁ、理屈は合っていますね。

なお、その後、広場でのお芝居がしばらく続くのですが、舞台、右側に小さな劇場があり、ここで、劇中劇が演じられ、街の皆さんが、観賞するという場面がありました。

ところで、フォルクスオーパー版は、舞踏会が行われる「ウルビノ公爵の館」は海底宮殿で、人魚やサメが出てくる、これまた変わった演出でしたが、こちらは船内なので、お芝居が始まってしまうと、以外とオーソドックスな感じでした。

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船内のドタバタ劇の途中、手前の水路から久しぶりに噴水が上がり、華やかな雰囲気を醸し出していました。

従来、噴水は舞台後ろで上げるケースが多かったのですが、手前の水路から上がったので、Feriのいた最前列には水しぶきが‥

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「HERZOG VON URBINO」が出港すると、その後には巨大なホテルが再び、登場します。このホテル、実際にベランダに人が立てるようになっており、実物大のセットです。

そして、街の広場で絡み合った人間関係をひもとくお芝居が繰り広げられるのは、オリジナルどおり。ここは、皆さん、仮装をしているので、雰囲気が出ていました。

そう言えば、フォルクスオーパー版でも第3幕で、イタリアのクルーズ船が出てきましたね。

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女好きの男性と女房の浮気というお話なので、時代設定が現代で、かつ登場人物が変わっていても成り立ちますが、後は好みの問題かもしれません。実際、お客さまの反応も、まずまずでした。

最後は、例によって華やかなカーテンコール。そして、メドレーに乗って花火と噴水によるお楽しみのエンディングでした。

ただ、華やかな照明や衣装については、メルビッシュらしくて良かったと思います。ダンスシーンも多く、観ていて、飽きることはありません。

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なお、例によってマイクを使っていますから、歌唱力云々は、あまり関係ありません。Feriは、最前列でしたので、歌手の演技をよく観察できましたが、しっかりとしてお芝居をしていました。

気になったのは、最終公演ということもあり、IntendanzであるDagmar Schellenbergerさんによる開演前も口上が長いこと(10分以上)。もちろん、本編の魅力を高める口上ならば、良いのですが、既に気持ちは来シーズン。

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「Viktoria und ihr Husar」の歌を一部紹介するなど、商売気が強すぎて、ちょっと残念でしたね。

Serafinさん時代に比べると、オペレッタに対する思い入れが違うような気がしましたが、まぁ、これも時代に合わせたものなのかもしれません。

Feriは、Serafinさんの時代は、必ず2回観ていましたが、これはSerafinさんらしい「仕掛け」が織り込まれているため、それを発見するには、1回では難しいためでした。

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ある意味、オペレッタを熟知していたSerafinさんらしい、通のファンが観ても楽しい「粋なはからい」があったからです。

今の演出も決して悪いわけではありませんが、まぁ、1回観ればいいかな‥というのがFeriの率直な感想です。

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今回のメルビッシュに限らず、Feriはオペレッタを現代に置き換えて上演するのは、基本的に好きになれません(これはオペラも同じです)。

古い考え方なのかもしれませんが、オペレッタの場合、基本は恋愛ものではありますが、その背景には、身分の違いや貴族と庶民の葛藤といった下地があるので、今にしてしまうと、何となくしっくりこない‥という気がします。

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もちろん、これは個人の好みの問題ですから、こういった今風の演出がお好きなファンもいらっしゃるとは思います。そういった方の考えを否定するものではありません。何しろ嗜好品の世界ですから‥

今夏、二つの夏のオペレッタを観ましたが、舞台と客席が近いシュタイヤー音楽祭には歌手のレベルで勝負する方向性だと思いましたが、それに比べ、メルビッシュはスケールの大きさで、お客さまを圧倒するというコンセプト。

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そのため、細かい芝居がどうのこうのという展開ではなさそうな気がします。ある意味、同一公演のリピーターを想定していないと思うので、夏恒例のイベントという位置づけで、今後も展開するのでしょう。

なお、来月には、初の来日公演がありますが、オーストリア政府観光局が全面的にバックアップしているようです。この公演で、メルビッシュ湖上音楽祭が有名になり、日本からのお客さまが増えると良いですね。

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ただ、来年は日本が舞台の作品とは言え、「ヴィクトリアと軽騎兵」という馴染みのない作品ですから、普通のお客さまには、どうでしょうかね。


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オペレッタ |

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Comments

いつも楽しく拝見しております。
この夏湖上で「ヴェニスの一夜」ということで
楽しみに出かけたのでリポート、待ってました!
という感じです(笑)
そうなんです、前説が長いんです。
自分が行ったのは8/14なので毎回のようですね。

あと質問なのですが「酔っ払いの歌」は
バルバラの歌でしたっけ?

Posted by: しも | August 26, 2015 at 11:22 PM

しも様、コメント、ありがとうございます。

口上が長いのは、後半だったからかもしれません。何しろ2016年の予約が始まっていますから‥

とにかくご商売熱心なことで‥Serafinさんもご商売熱心でしたが、会場外でPRに余念がなかったですね。

「酔っ払いの歌」(ほろ酔いの歌)は、バルバラに成りすましたチボレッタが歌うことが多かったような気がします。

ただ、オペレッタの場合、演出で歌が入れ替わるのはOKらしいので‥

Posted by: Feri | August 27, 2015 at 03:30 PM

ありがとうございます。
勉強になりました。

Posted by: しも | August 27, 2015 at 06:14 PM

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