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August 09, 2015

今はなきオースオトリア連邦軍のアクロバットチーム(上)

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今日は「空軍のアクロバットチームの話題」をお届けしましょう。

世界各国の空軍では、アクロバットチームを保有しているところが沢山あります。アクロバットチームを運用する目的ですが、空軍のPRやリクルーティングです。とくにヨーロッパは国が隣接していることもあり、対抗心が強いようで、それぞれ、独自のプログラムによる展示飛行で、お客さまを魅了しています。

ヨーロッパで代表的なアクロバットチームといえば、イギリスの「レッドアローズ」(Red Arrows)、イタリアの「フレッチェトリコローリ」(Frecce Tricolori)、フランスの「パトルイユドフランス」(Patrouille de France)などでしょうか。いわゆる御三家と呼ばれています。

このほかにも、スイス、スペインなどもアクロバットチームを保有しており、自国内のみならず、ヨーロッパ各地の航空ショーで展示飛行を行っています。

さて、規模が小さいオーストリア連邦軍にも、以前は常設のアクロバットチームが存在しました。

1967年、「SILVERBIRDS」というチームが設立されました。使用機材はフランス製のFouga Magisterというジェット練習機で、4機編成でした。ホームベースはシュタイヤマルク州のZeltweg基地(ツェルトヴェーグ)です。

ところで、空軍のアクロバットチームには多数の機体(9機~10機)を使い、複数の編隊でアクロバットを披露するヨーロピアンスタイルと、6機程度で単独の編隊とソロによるアクロバットを披露するアメリカンスタイルがあります。

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先ほどご紹介したヨーロッパのアクロバットチーム御三家は、いずれも多数の機体を使用するヨーロピアンスタイルですが、さすがにアルプスの小国オーストリアでは、そもそも軍に所属する練習機の数が少ないため、4機編成になったようです。そのため、4機によるフォーメーションが基本となっています。

日本の航空自衛隊が誇る「ブルーインパルス」も6機編成のアメリカンスタイルです。

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さて、「SILVERBIRDS」ですが、1968年8月のGRAZでのフライトを最後に、一旦、チームは解散となります。

その後、1975年、使用機を現在も活躍するジェット練習機Saab 105OEに変えて、チームは復活します。新チーム、最初の公式フライトは1975年8月に行われたオーストリア・グランプリでした。

Saab105OEは、スウェーデンのSaab社製で、オーストリア連邦軍では、1970年から1972年にかけて練習機として40機導入しました。座席がサイドバイサイド(並列復座)になっているのが特徴です。それにしても練習機とは言え、45年も使っているのですから、たいしたものです。

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また、スウェーデン空軍のアクロバットチーム「チーム60」でも、当機を使用しています。余談になりますが「チーム60」は、当初4機編成でしたが、現在では6機編成になっています。

新生「SILVERBIRDS」が使用するSaab 105OEには、特別塗装が施され、アクロバットチームらしくなってきました。そして、1976年7月には、イギリスで行われている国際的な軍用機の祭典「RIAT」(Royal International Air Tattoo)にも参加を果たします。左の写真はRIATに参加した「SILVERBIRDS」のSaab 105OEです。

ところが1976年9月、ツェルトヴェーグでのフライトを最後に、またもや「SILVERBIRDS」は解散となります。

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実は、並行して新しいチーム「KARO As」の創設が進められていたのです。「KARO As」の使用機材も、「SILVERBIRDS」と同じSaab 105OEで、機数も4機でした。

ただ、塗装に関しては、大きく変えられていません。ただ、識別のためか、翼にはオレンジ色の帯が入っています。この点が「SILVERBIRDS」と異なるところでしょうか。

なお、途中から垂直尾翼のAからDのアルファベットが加えられました。基本的に、通常の練習機を使っているため、他国のアクロバットチームのようなスモーク発生装置は搭載していません。

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また、ホームベースは、グラーツ空港に隣接したNITTNER-GRAZ/THALERHOF基地になりました。

興味深いのは、オーストリア空軍博物館の展示によると、1975年には「KARO As」も活動を始めていることです。ちなみに「KARO As」最初の展示飛行は1975年7月のGRAZでした。

ただ、1975年は、この1回だけで、1976年もオーストリア・グランプリでの展示飛行を含む3回に留まっています。これは、当時は「SILVERBIRDS」の方が正式なアクロバットチームで、「KARO As」は、まだ準備段階という位置づけだったのかもしれません。

1976年の「SILVERBIRDS」解散を受けて、翌1977年から「KARO As」は、本格的な活動を開始します。7月には「RIAT」に参加したほか、イタリアのアビアノ基地でも展示飛行を行っています。

さて、ちょっと長くなったので、続きは、明日お伝えしましょう。

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