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September 07, 2015

フォルクスオーパー「白馬亭にて」プルミエレポート(その1)

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さて、フォルクスオーパー2015/16シーズンのトップを飾るのは、Feriが好きなオペレッタの一つRalph Benatzky作曲の「Im Weißen Rössl」(白馬亭にて)。このところ、正直、フォルクスオーパーで上演されるオペレッタの作品数、回数ともに減少傾向が続いており、オペレッタファンとしては、本当に残念でした。

が、2015/16シーズンは、何を血迷ったかオペレッタが大復活。そのトップを飾るのが、「Im Weißen Rössl」。しかも12月上旬まで、ミュージカル並みの上演回数です。しかも、フォルクスオーパーで上演されるのは、実に10年ぶり。

これが転けたら‥あとは自粛‥

制作スタッフですが、演出はJosef Ernst Köpplingerさん、舞台装置:Rainer Sinellさん、衣装:Karl Alfred Schreinerさん。

さて、結論から申し上げましょう。以前、このブログで、Feriが制作陣からGraz歌劇場で2013/14シーズンに上演された「Im Weißen Rössl」を下敷きにしているのではないか‥と予測しましたが、見事に「当たり」ました。

もちろん、細かい部分は、若干、違いますが、それは両方の舞台を詳細に観察しているFeriだからわかること。普通のお客さまには、全く同じ舞台にうつることでしょう。

ただ、Feriが予想していた以上に、そっくりそのまま移植。正直、ここまで同じ演出や舞台装置でやるか‥と驚きました。昨今、日本ではオリンピックのロゴマークの盗作疑惑が浮上して大騒ぎになっていますが、こちらは同じ演出家が、正式に承認を得てやっている訳ですから、問題はありません。

それでは、詳細は、しばらくお待ちください。

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もっとも、「Im Weißen Rössl」を観るために、WienとGrazを行ったりきたりする「好き者」は、ごく少数でしょうから、問題はないかもしれません。

プルミエ当日の指揮は、Michael Brandstätterさん。主なキャストは、以下のとおりです。

-Josepha Vogelhuber(ヨゼファ):Sigrid Hauserさん
-Leopold Brandmeyer(レオポルト):Daniel Prohaskaさん
-Wilhelm Giesecke(ギーゼケ):Bernd Birkhahnさん
―Ottilie(オッティリエ):Mara Mastalirさん
―Dr. Otto Siedler(弁護士ジードラー):Carsten Süssさん
―Sigismund Sülzheimer(ギズスムント):Markus Meyerさん
―Prof. Dr. Hinzelmann(ヒルゼルマン教授):Hans Dieter Knebelさん
―Klärchen(クレールヒェン):Juliette Khalilさん
-Der Kaiser(皇帝):Wolfgang Hübschさん
-Ketterl(皇帝の侍従):Franz Suhradaさん
-Der Piccolo(ピッコロ):Simon Fischerauerさん
-Kathi(ケティ、郵便配達人): Sophie Aujeskyさん
-Reiseleiterin/Braut/Frl. Weghalter,/Mrs Portsmith(ツアーガイドなど):Helga Papouschekさん
-Bürgermeister(市長):Stefan Bischoffさん
-Franz(ケルナー):Mathias Haninさん
-Kreszenz:Christian Schleinzerさん
-Lois:Oliver Lieblさん
-Bartholomä / Bräutigam:Frank Bergさん
-Oberförster:Gert Werlerさん
-Koch:Elvis Grezdaさん
-Akkordeonkind(子供アコーディオン奏者):Maximilian Waldbauerさん

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しかし、Grazとヨゼファ、レオポルトを演じていた歌手が、そのまま出ているので、イメージは引きずりますね。

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逆にSigrid HauserさんとDaniel Prohaskaさんは、Grazで十分本番を積んできただけに、仕上がりは上々‥

さて、19時前に劇場へ行くと、ビュフェのテラスから小編成のブラスバンドが演奏をしています。さらに玄関前では、ポールの周囲を、リボンを持って踊りながら回るダンス、ホワイエでは少年合唱団のフォルクスムジークなども披露されました。

実は、この演出もGrazと全く一緒。これには、脱帽‥なお、開演前にRobert Mayerさんが、民族衣装でセレモニーを見ていたので、ここでご挨拶することができました。

また、プルミエらしいプレゼントとして、セクトとビア、スナックが無料で振る舞われていました。太っ腹ですね。当然、Feriもご相伴にあずかりました。

Graz版では、オーケストラピット前に花道を設置したスタイルでしたが、フォルクスオーパーの場合、物理的に難しい(最前列を完全に閉鎖せざるを得ない)ため、両脇から客席へつながるブリッジで対応していました。


客席からの出入りも多いため、Parkett Links、Rechts Reihe1、1~6は販売せず、通路になっていました。これでは、プルミエでParkett Reihe1を一般人がとれないわけです。

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また、舞台の回りに電飾がついているのはGraz版と一緒。さらに緞帳に映し出されるハート(オーストリア国旗のカラー)も同じです。

なお、今回は全員がワイヤレスマイクを付けているので、歌唱力云々という点は評価できませんでした。これはダンスシーンが多いこと、ミュージカル系の歌役者さんが多いことも要因です。「Im Weißen Rössl」はマイク付きが標準になった気がしますね。

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Graz版では、舞台に近い左側Logeにジャズセッションのメンバー、右側Logeには民族音楽セッションのメンバーが陣取っていましたが、オーケストラピットに比較的余裕のあるフォルクスオーパーでは、ピット内に陣取っていました。が、衣装もGraz版とそっくり。ちなみに民族音楽セッションにはチターが入っています。

序曲が始まる前、添乗員のHelga Papouschekさんが口上を述べて舞台が始まります。このおばさまもキャラが立っていますから、冒頭からお客さまの心を掴む演出です。

なお、添乗員の衣装だけは、Graz版がグレーでしたが、Volksoper版は青に変わっていました。これは出演者のキャラクターの違いかもしれません。ただし、赤いベレー簿はかぶり方が違うだけで、同じです。

舞台は白馬亭前の広場で、奥がヴォルフガングゼー。向かって右側が白馬亭の本館、左側が別館という設定です。とは言っても本館も建物がある訳ではなく、テラスと看板で雰囲気を出していました。

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また、左側の別館は壁だけ‥ 特徴的なのは、ヴォルフガングゼーの奥に「絵葉書状の切り抜き(窓)」が設けられており、この奥でもお芝居が展開される点でしょうか。

ただ、山の形が明らかにヴォルフガング付近のものとは異なり、まるでスイスアルプスのよう。何しろ雪山ですから‥ 

まぁ、このあたり、オーストリアなのでわかっていてやっている訳だから、ご愛敬といえるでしょう。

ちなみに、この大道具もGraz版と同じですが、唯一異なるのは、白馬亭本館のテラスの場所が舞台手前に変わっていることでしょうか(Grazは舞台中央寄り。細かいFeri‥)。

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1幕は、通常通り、開店前の白馬亭Caféからスタートします。ピッコロをはじめとするスタッフがシャニガルテンの準備をしています。

そこへ観光客を乗せたツアーバスが到着して、朝食をとる観光客でシャニガルテンは大賑わい。次の出発地に向かうため、お客さまが例の“ツァーレン、ツァーレン”の大合唱の中、給仕長のレオポルトがさっそうと登場し、手際のよく会計を処理していきます。

レオポルトのDaniel Prohaskaさんは軽い感じですが、Grazでえ経験を積んだ分、今までのオペレッタ・プルミエよりは仕上がりは良かったですね。まぁ、実質、2回目ですから‥

ヨゼファのSigrid Hauser さんは、従業員にパワハラまがいの行為をする気性の激しい女将。完全にヨゼファがレオポルトを押さえ込める感じです。

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観光バスが出発し、一段落すると、ヴォルフガングゼーの連絡船に乗って観光客がやってくるところは、通常通り。船着き場にホテルの案内人が看板を持って待っているところへ連絡船が到着します。

多くの観光客の中にギーゼケとオッティリエがいます。定番の新婚旅行カップルも下船しますが、広場で新婦はドレスを脱ぎ捨てて、白馬亭の部屋にまっしぐら。これもGraz版と同じ。

ただ、ちょっとお歳を召したカップルですが。なお、このカップル、しばらくしてから、新郎がズボンを下ろした状態で、新婦と広場に出てきて、抱き合うシーンも‥ 本編とは関係のないオマケ演出。

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ところで、この観光客歓迎シーンでは、Kinderchor der Volksoper Wienのメンバーが大量に出演します。

「オズの魔法使い」もそうでしたが、基本的に子供さんを大量に出演させると、観客が増えるパターンなので、ある意味、「掟破り」の演出と言えるでしょう。お孫さんを見るような感じなので、ご年配のお客さまの受けが良いのですよね。

ギーゼケがオーストリア料理のメニューに戸惑う場面は、いつもながらに楽しい演出です。対するレオポルトの演技が地味で、ちょっと気になりましたが‥

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その後、弁護士ジードラーは、Graz版と同じく軽飛行機(自家用機、プロペラ機ですが、後部から火が出ています)でさっそうと登場します。

「窓」の中も含めて、村人たちが、空を見上げて“なんだアレは‥”と指さす先にはジードラーの飛行機。

ウォルフガングにフルークプラッツはありませんが、これはご愛敬(どうせだったら水上飛行機にすれば良かったのに…)。村人が飛行機の回りに集まって、物珍しそうに見ているところが、面白いところ。ちなみに飛行機のデザインも一緒でした。

ここでジードラーとヨゼファのデュエットから、合唱、ダンスへと続きます。ダンスシーンのメロディはジャズ風に編曲されており、振付もそれに合わせていました。が、後半はちゃんとワルツに戻るところが、本演出の良いところ。

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ジードラーから花束をもらって、自分に想いを寄せてくれている‥と勝手に連想するヨゼファ‥いぁー、その気持ち、わかります。

この場面、照明もかなり変化を付けており、とにかく見ていて飽きないテンポの良い演出です。踊りの振付も民族舞踊のセンスも取り入れているので、見ていて楽しいですね。

それでは、第2回目は明日、お届けします。オペレッタ・ファンではない読者の皆さま、ごめんなさい。

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