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September 16, 2015

2015/16シーズン フォルクスオーパー「パリの生活」

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2015/16シーズン、シーズン初っ端から「怒濤のオペレッタ攻勢」をかけて来たVolksoperですが、「こうもり」、「白馬亭にて」に続く、第三弾は2015年2月にプルミエが上演された「Pariser Leben」(パリの生活)です。

それにしても、9月中にVolksoperのOperette記事を3本もブログにアップできるとは‥正に夢のようです。演出が多少おかしくても、ウィーンで生のOperetteを見ることができる喜びの方が大きいFeri。

という訳で9月13日、今シーズン初となる「パリの生活」がマチネで上演されたので、さっそく行ってきました。特に出演者がプルミエの時と交代しているので、興味津々です。ちなみに通算上演回数は13回目でした。

指揮は今年2月のプルミエと同じくSébastien Roulandさん。主なキャストは、以下のとおりです。

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-ゴンデルマルク男爵夫人(Baronin von Gondermark):Birgid Steinbergerさん(プルミエはCaroline Melzerさん)
-ゴンデルマルク男爵(Baron von Gondermark):Morten Frank Larsenさん(プルミエはKurt Schreibmayerさん)
-ラウル・ドゥ・ギャルドフー(Raoul de Gardefeu):Daniel Prohaskaさん
-ボビネ(Bobinet Chicard):Rasmus Borkowskiさん
-メテラ(Metella, Dame der Halbwelt):Siphiwe McKenzieさん(プルミエはAnnely Peeboさん)
-手袋屋ガブリエル(Gabrielle, Handschuhmacherin):Elisabeth Schwarzさん(当初はJasmina Sakrさんの予定でしたが、当日変更)
-靴屋フリック(Jean Frick, Schuster):Roman Martinさん(プルミエはChristian Drescherさん)
-ブラジル人(Der Brasilianer):Boris Pfeiferさん
-ポーリーヌ(Pauline, Stubenmädchen):Julia Kociさん(プルミエはJohanna Arrouasさん)
-マダム・クインパー・カラデック(Madame de Quimper-Karadec):Helga Papouschekさん
-マダム・フォル・ヴェルデュール(Madame de Folle-Verdure):Sulie Girardiさん
-ユルバン(Urbain):Thomas Zistererさん
-プロスペル(Prosper):Karl-Michael Ebnerさん
-ジョゼフ(Joseph, Fremdenführer):Franz Suhradaさん
-ゴントラン(Gontran Chaumière):Karl-Michael Ebnerさん(プルミエはGernot Krannerさん)
-給仕長アルフレッド(Alfred, Kellner / Fensterputzer):Georg Wacksさん
-トラック運転手(Lastwagenfahrer):Samuel Colombetさん
-駅員(Bahnangestellte):Chris Lohnerさん(プルミエはSusanne Litschauerさん)

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基本的に前シーズンのセカンドクルーです。なお、当日になって、手袋屋ガブリエルがJasmina Sakrさんから、プルミエメンバーのElisabeth Schwarzさんに交代しました。珍しくツェッテルの印刷修正も間に合わない直前のカバー起用だったようです。

さて、演出は前シーズンと同じ。従って、「前半はノリノリ、後半は息切れ」といった感じです。

指揮者のSébastien Roulandさんは、指揮中に自分で歌う癖があるので、指揮者の近くに居ると、正直、気になります。また、お芝居の場面では、自分が笑っていました。

今回、注目したのはゴンデルマルク男爵のMorten Frank Larsenさん。プルミエでは、Kurt Schreibmayerさんが、見事な演技を披露していましたが、二枚目のMorten Frank Larsenさんも、こういったお茶目な役もお好きなような気がします。

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ハンサムな二枚目が、「女性に目のない、ちょっと間抜けな貴族」を演じるとおもしろさが倍増しますね。

とくに前半最後のグランドレビューの稽古場に乱入し、回りの制止を無視して、ダンサーをお持ち帰りしようとする時の表情やお芝居は、女性好きの男爵を見事に体現していました。

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Kurt Schreibmayerさんとは、ちょっと違ったゴンデルマルク男爵を創り上げていましたが、Morten Frank Larsenさんは体格が良い上に、目が大きく、表情で変化をつける(目で演技ができる)ことができので、ゴンデルマルク男爵の心情を見事に表現していたと思います。例によって声は大きいし‥お茶目な演技も見応えがありました。

ゴンデルマルク男爵夫人はBirgid Steinbergerさん(彼女も初担当)でしたが、雰囲気は出ているものの、プルミエのCaroline Melzerさんに比べると、声量が弱い感じ。

後半、ラウル・ドゥ・ギャルドフーのDaniel Prohaskaさんと、ベッドを共にした後の二重唱が、最大の聴かせどころですが、今ひとつ‥という感じでした。

ラウル・ドゥ・ギャルドフーのDaniel Prohaskaさんは、プルミエの頃に比べると、格段にこなれてきている感じがしました。

「白馬亭にて」のレオポルトにも出演するなど、オペレッタへの出演回数が増えているので、上演回数が本人のレベルアップにつながっているような気がします。

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やはり本番で鍛えないと、腕は上がらないということなのかもしれませんね。今後、大きく化ける可能性が出てきました。

ボビネのRasmus Borkowskiさん。Daniel Prohaskaさんと同じくプルミエメンバーですが、歌、お芝居共に良い味を出していました。

メテラは、プルミエのAnnely PeeboさんからSiphiwe McKenzieさんに交代しましたが、正直、Annely Peeboさんの圧勝。

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メテラは、前半、ピッチリした服で登場しますが、Siphiwe McKenzieさんは、下っ腹が‥。この体型のエスコートレディでは男が寄りつかないような‥以下、ご本人の名誉のために自粛‥

ポーリーヌはプルミエのJohanna Arrouasさんから、Julia Kociさんに交代。今日が初担当でしたが、こちらはJulia Kociさんの勝ち。

まぁ、「メリーウィドウ」のヴァランシェンヌに起用される程の歌役者さんですから、歌、踊り、お芝居ともに見事なのは当然かもしれません。

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Johanna Arrouasさんのようにキャンキャンしたところがなく、前半の見せ場、パーティで男爵を巡ってガブリエルと張り合う場面のお芝居は、見事の一言。

手袋屋ガブリエルは、カバーでプルミエメンバーのElisabeth Schwarzさんが起用されました。当然、役はこなれており、安心して観ることができました。歌、お芝居共に申し分ありません。

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靴屋フリックは、プルミエのChristian DrescherさんからRoman Martinさんに変わりましたが、こちらは甲乙つけがたい感じ。

ただ、Roman Martinさんは、「チャールダーシュの女王」のボニ、「メリーウィドウ」のラウル・ド・サン・ブリオシュなどに起用されているので、オペレッタのツボは押さえている感じはします。

プルミエと同じメンバーですが、後半、大活躍して存在感抜群なのはマダム・クインパー・カラデックのHelga Papouschekさんと、マダム・フォル・ヴェルデュールのSulie Girardiさん。名脇役として、息切れぎみの後半を見事に締めていました。

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演出は前シーズンと同じなのですが、出演者の変更などで、ひと味違った「パリの生活」に仕上がっていた気がします。しかし、パリやスウェーデンをあそこまで、小馬鹿にしてしまって大丈夫なのでしょうかね。

フィナーレで、ガブリエルと結婚したブラジル人の仮装パーティにギャルドフー、メテラのカップルも加わって派手な踊りを披露していますが、Gare du Nord駅で列車を待つ寂しげなゴンデルマルク男爵夫妻の印象が強く、正直、後味が良くありませn。

最後に男爵夫人が男爵に手を重ねることで、夫婦の関係が元に戻ったことはわかりますが、Morten Frank Larsenさんや Kurt Schreibmayerさんとは存在感があるので、寂しげな表情が記憶に残ってしまいます。プルミエレポートでも書きましたが、男爵夫妻が気のきいた会話でも入れてくれたら、救いになるのですがね。

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やはり、フィナーレで、カンカンが入っていないのが残念。逆に前半最後のグランドレビューの場面が、エンディングにはふさわしいような華やかさでした。

私見ですが、お客さまの入りも余り良くない演目なので2016/17シーズンは外れる可能性があるような気がします。ということは、今シーズンがご覧になる最後のチャンスになるかもしれません。

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公演が終わって、劇場を出ると、はっぱさんとバッタリ。Morten Frank Larsenさんがお好みのはっぱさんだから、来ていそうな気がしたのですが‥ 

という訳ではっぱさんに敬意を表して、今回はMorten Frank Larsenさんのお姿を多く取り上げました。お忙しいお仕事の合間に、お楽しみ頂ければ幸いです。

演出は、はちゃめちゃですが、出演者が比較的良いので、ご覧になって損のない演目です。

Operetteらしい男女とも不倫満開、怪しげな女性が沢山出てくる作品。子供さんにはお勧めできませんが、皆さまも機会があったら、是非、一度、劇場でご覧ください。


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Comments

フェリさん、今日は。本日フォルクスオーパー「パリの生活」公演の模様を拝読いたしました。フォルクスオーパーも世代交代により、馴染みの役者さんたちが、舞台から消えて、新しい顔ぶれにかわっていますが、Helga Papuschekさんのお名前を発見して、懐かしく思いました。昔ユニテル映画の「ウイーン気質」のペピ役の映像があり、今でも楽しんでおります。舞台では「小鳥売り」のクリステル、「キスミ―ケート」のケートで明るく楽しい演技と歌を堪能しました。劇場帰りの信号待ちで偶然彼女にで出会ってしばらく立ち話をした思い出があります。

Posted by: ジョヴァンニ | September 16, 2015 at 11:53 AM

ジョヴァンニさま、コメント、ありがとうございます。

フォルクスオーパーの伝統なのか、Helga Papuschekさんに限らず、かつて主役を務めた名歌手の方がお歳を召してから、名脇役として若手をサポートするという例が多いですね。

これが舞台をより魅力的にしていると思います。こういった伝統は大切にしてもらいたいと思っている今日この頃です。

Posted by: Feri | September 16, 2015 at 04:18 PM

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