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September 05, 2015

バーデン夏公演「こうもり」最終公演

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さて、オペレッタ、オペラの2015/16シーズンも、いよいよ幕開けですが、その前にバーデン夏公演の「こうもり」をご紹介しましょう。

最近、Feriはバーデンの夏公演はご無沙汰だったのですが、今シーズンは時間がとれたこともあり、9月3日の最終公演に行ってきました。

本当は、4日の「陽気な農夫」も観たかったのですが、当日はFeriが大きな期待を寄せるフォルクスオーパーの「白馬亭にて」の事前プルミエが行われるため、そちらを優先しました。

さて、当日の指揮は、Franz Josef Breznikさん。主なキャストは、以下のとおりです。

-アイゼンシュタイン(Eisenstein):Sebastian Reinthallerさん
-ロザリンデ(Rosalinde):Barbara Payhaさん
-アデーレ(Adele):Katharina Melnikovaさん
-オルロフスキー公爵(Prinz Orlofsky):Regina Schörgさん
-フランク(Falke):Sebastian Huppmannさん
-ブリント(Dr. Blind):Beppo Binderさん
-アルフレード(Alfred):Glenn Desmedtさん
-イーダ(Ida):Olga Czerwinskiさん
-フロッシュ(Frosch):Rudi Roubinekさん

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夏公演の会場となるsommerarenaは、行かれた方はご存じのように、メルビッシュなどと異なり、完全な屋外ではなく、開閉式の屋根を備えた劇場です。

天気が良い日は、屋根を開けて、「ウィーンの森」のさわやかな空気が劇場内を流れます。また、万が一、雨が降ってきた場合は、屋根を閉めれば心配ありません。

当日は、幸い公演中、雨に降られることはありませんでしたが、夜遅くなると寒くなってくる時期に入っていたため、後半では屋根を全て閉めていました。

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さて、Sebastian ReinthallerさんがKünstlerische Leitungに就任してから、オペレッタ公演の水準が上がったバーデン。これは夏公演でも例外ではありませんでした。やはりオペレッタに造詣が深い方が、トップに就任すると変わるものですね。

ただ、夏公演が行われるsommerarenaは舞台が狭い上に、奈落をはじめとする複雑な仕掛けがないため、舞台に変化をつけるのが大変です。そのため、以前は「学芸会の舞台」のような感じだったこともあります。

今回は、1幕から3幕まで、基本的に全て同じシンプルな舞台装置で、唯一、奥行きに変化をつけることで場を再現していました。

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つまりアイゼンシュタイン邸も、オルロフスキー公爵邸も、刑務所も同じデザイン‥という訳です。

しかし、出演している歌役者さんのレベルが高いため、逆に歌役者さんの歌や演技に集中することができ、非常に良いアイデアだったと思います。

また、舞台が狭いため、バレエダンサーは4組という寂しいものでしたが、その分、ポイントではしっかりと踊っており、見せ場を作っていました。

「舞台が狭い」というデメリットを、逆にプラスに活用しようという演出や振付が光ります。

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冒頭、序曲の際は、舞台の幕が閉まっているのが一般的ですが、今回は登場人物が舞台上に顔見せをするという演出でした。

当然、出演者が客席側から出入りする場面は多く、客席との一体感もありました。ところでアルフレードは、なぜかイギリス風のスカートをまとって登場。3幕の監獄で、英語の歌を披露するなど、何やらイギリス人の設定だったようでした。

3幕では、オルロフスキー邸で酔っ払ったフランクが刑務所に戻る場面、何とロージェに迷い込んでしまい“おっと、これは失礼”という芝居が大受け。

衣装は比較的シンプルなデザインでしたが、各キャラクターを明確に分けているため、登場人物が埋没するということはありませんでした。1幕でアルフレードが来ているガンウを裏返しにすると護送服に替わるというアイデアも面白かったですね。

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なお、「こうもり」は、現在のフォルクスオーパー版では、1幕、2幕の終了時に休憩が入りますが、最近は1幕後に休憩を入れ、2幕から3幕へは暗転で移行する演出が多いようです。

ところが、今回は2幕の途中、ロザリンデがチャールダーシュを披露した場面で幕。ここで休憩となりました。これは全体の時間配分を考えたものでしょう。なお、公演時間は2時間30分でした。

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フォルクスオーパーでは定番となっているイーダのダンスはありませんでした。また、夜会の後半、「雷鳴と電光」がダンス用に演奏されるケースが多いですが、今回は「ハンガリー万歳」で3組のバレエダンサーが踊りを披露する演出でした。ここが、ダンサー最大の見せ場でしたね。

お話の展開は、基本的にはオリジナルどおりでした。

今回の「こうもり」は、アイゼンシュタインのSebastian Reinthallerさんはもちろん、ロザリンデのBarbara Payhaさん、アデーレのKatharina Melnikovaさん、オルロフスキー公爵のRegina Schörgさんともに歌のレベルが高く、非常に安定していました。

また、皆さん、お芝居の上手なこと。特にお芝居がポイントとなるフランクのSebastian Huppmannさんや、フロッシュのRudi Roubinekさんの怪演が光りましたね。

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Sebastian Reinthallerさんと>Barbara Payhaさんのコンビネーションもよく、3幕でアイゼンシュタインがロザリンデに詫びるシーンも、変に卑下することなく、スマートにやってのけていました。

Sebastian Reinthallerさんは、フォルクスオーパーでも、何度もアイゼンシュタインを演じていますので、役の深い理解は見事。やはり主役が良いとオペレッタは見事な芸術に昇華します。

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全体的に劇場が狭いというハンデキャップを感じさせない見事な公演でした。最終公演ということもあり、客席は立ち見もでるほどの満席。お客さまの反応も上々で、笑いの渦でした。

カーテンコールでは、ブラヴァも結構でており、夏の夜にふさわしい、楽しい公演だったと思います。

定番のオペレッタではありますが、味付けの変化で、慣れ親しんだフォルクスオーパー版とは、ひと味違ったテンポの良い演出で、出かけて行った甲斐があったと思います。

もちろん、少し早めにバーデンへ行って、ホイリゲで黄昏時を楽しんだのは、言うまでもありません。

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